98年開幕前の妄想


98.1.12

虎本営は吉井、大森の獲得をつひに断念せり。

川尻謹慎による先発投手不足と左代打不足は顕著のまま解消せず。せめて野村を獲れぬか。高橋智もよし。敗色濃厚にて一発屋につひ頼りたくなる心地になりたるとき、必ずあらん。

今年は虎の歳。我の歳なり。思い起こせば36年前、二リーグ分裂後の初優勝を果たしたるは昨日なるか。年月流れ、三度目の虎年。三度目の正直なり。

 

98.1.31

 今季参加の外国籍選手は多彩にして有能なり。

 投手は郭李のほかリベラ、クリークが参加。

 郭李は実績もあり、先期の不調を克服して活躍すること確実なり。

 リベラは155キロのストレート、恐ろしき切れ味で打者の懐に食い込む”ハラキリスライダー”が持ち球と聞く。(日刊スポーツは”鎌スラ”と名付けていたが、情味に乏しき故当本営が勝手に命名)何よりも巨漢故、波留や宮本に当て、乱闘に持ち込んで彼らの執行猶予を消し、監獄にぶち込むといふ作戦にも使える。

 クリークは大リーグでイニング数を超える三振を奪取した剛の者なり。若干暴投が多いのが玉に瑕なれど、日本野球を勉強しそは克服せん。

 野手はパウエル、ハンセン、ウィルソンが新たに虎の外人部隊に入れり。

 パウエルは2年連続首位打者の確固たる実績あり。腰痛さへ治らば、主軸打者として活躍すること間違いなし。

 ハンセンはドジャースの三塁を死守した選手なり。ラソーダ元監督、野茂投手が口を揃へて3割30本は確実と保証したとのこと。

 ウィルソンは3Aで先期首位打者を獲得。好守、巧打、俊足の三拍子揃った名選手なり。「社会人のイチロー」こと、東芝の坪井と一、二番を組まば2人で100盗塁を期待できる快速コンビとならん。

 

98.2.3

 巨人の新外国人野手はダンカンというのだと。絶対駄目だね。阪神のハンセンと比べると月とスッポン。ダンカンなんて、股間にお灸当てられて絶叫するか、泡でも吹くのがやっとのところ。ポジション争いで高橋にすら負けて解雇、とみた。ヒルマンも考えて見れば名前が情けないので、今年も駄目でしょう。だいたい巨人投手陣は斉藤、槙原が完全に峠を越えているし、ガルベスは去年投球パターンを読まれきったし、岡島は腑抜けだし、河原は故障明けだし、三沢と入来は去年で潰されたも同然だし、桑田の復調以外明るい材料がない。オリックスから移籍の野村は、関本氏が「起用法でがっくり来なければ相当やる」といっていたが、長嶋監督が奇妙な起用法で投手陣のやる気を失わせる名人だからねえ・・・

 別府大分マラソンでは東芝の清水が初優勝だし、ラグビーは東芝府中が連続日本一だし、東芝の坪井はやるよ。レギュラーとるかもね。桧山、新庄、坪井とくれば外野は鉄壁。しかし平塚、パウエルの打撃も捨てがたいし、吉田、濱中の若手も使ってみたいし・・・嬉しい悲鳴。(内野は和田、ハンセンが抜けると悲惨な悲鳴ですが)

 

98.2.20

 郭李負傷。うぉう。

 リベラ負傷。うううううぉううぉう。

 

98.3.1

 いよいよ待ちに待つたる模擬戦始まる。虎軍は春野にて獅子軍と戦ひ、緒戦は山村の好投、打撃陣の活躍により快勝せり。第二戦は井上轟沈にて劣勢を強いられるも、終盤の猛攻にて敵本陣に紙一重に迫れり。配球、守備等に数点の失態あれど、全体には収穫多き試合なり。

・ウィルソンの打撃実践的にて、使ひたき心地の選手なり。ハンセンは盤石にて三塁、クリンナップの座確固たり。パウエルも佳し。たれを使うか悩まされるところなり。

・坪井の殊勲甲。中堅前に弾き返す打撃一級品なり。選球眼もまた佳し。脚も速し。阪神球団待望のトップバッターにはこのまま開幕まで走ってもらいたし。

・平塚の梅さん絶好調。八木も佳し。新庄、桧山もレギュラーの座危うし。

・井上は佳からず。追試はあと1回と心得るべし。

 暇潰しにロッテ巨人戦も観戦。高橋は運強き選手なり。このまま真面目にやればレギュラー獲れるやもしれぬが、元木、仁志とチンタラトリオを結成しさうな気も。ダンカンは思つたより使えそうな選手なり。ひょっとしたらマントより上ではないか。ヒルマンの肩は生涯治る見込み無し。
 

98.3.4

 リベラ、郭李と相次ぐ負傷のため、虎軍は新たなる舶来投手の獲得に乗りださんとす。
 標的はリック・リード!昨年大リーグのニューヨーク・メッツで13勝し、アメリカンリーグの防御率6位(チーム1位)という破天荒なるキャリアの持ち主なり。獲得できれば虎軍に多大なる貢献あらん。
 何かむかし聞いたことありし名前ならんとつらつら考えるに・・・元プロレスラーにして現nwoのマネージャー、”クネクネ”リック・ルードであった。かような吾輩を許せ。

98.3.7

 いやーやってくれました、我等がヒルマン君!6000万野球ファンが悉く予想していた、「肩痛リタイア」を。お約束通りの展開をきっちりやってくれるあたり、さすがバレンタイン監督の元で教育を受けた元ロッテのエースだけのことはある。

 まあヒルマンも、考えてみれば巨人に貢献している。ヒルマンがいなかったら、去年のガルベスの2ケタも趙の活躍もなかった。ヒルマンが入るっていうんで、5球団のスコアラーはヒルマン研究に忙しく、96年後半は駄目だったガルベスや二軍必至と思われた趙の対策なんて誰も考えてなかった。そこへ出てきたもんだから、どこの球団もガルベスと趙に頭を抱える状態。ヒルマンの貢献も、なかなかのもんです。年俸三億円のアテ馬

 阪神も対抗して「一億八千万円のアテ馬」として大豊を獲得。オープン戦まで大豊で引っ張っておいて、開幕戦にはきっちり「四番、ファースト平塚」の予定。

 

 獲得に乗り出しているリック・リードの事を調べてみました。

 Rick Reed。身長6フィート(183センチ)、体重200ポンド(91キロ)。

 1964年ハッチントン生まれ ハッチントン高校卒の33歳。 86年パイレーツ26順指名。

 その後パイレーツ、ロイヤルズ、レンジャーズ、メッツと渡り歩き、一軍と二軍を行ったり来たり。

 97年、突然変異のようにローテーション入りし、

  13勝(リーグ17位)9敗 202イニング(リーグ13位) 33試合登板 2完投 113奪三振 防御率2.89(リーグ6位)四死球31はマダックス(20)に次いで2位(普通50くらい)のみごとな成績。 通算22勝。

 公式ホームページhttp://www.vvm.com/~dthacker/reed.htmlを持っている。

 スカウティング・レポートによると、97年もっとも大化けした選手。速球は80マイル(129キロ)以上ないが、チェンジアップとの緩急、コントロールで打者の弱点を突き、打ち取るタイプ。制球がいいもんで打者が早打ちするから大体7回までは持つ。経験豊富なのでフィールディングもバッティングもなかなかいい。98年はメジャー定着への正念場。エクスパンションドラフトのプロテクトからは外されたが、頭のいい彼ならきっと遅咲きの栄光を勝ち取るだろう。

 ・・・ということなんだけど、何でこんな選手が日本にくるの??

 ついでに、これも獲得に乗り出してるというダリル・メイ(エンゼルス)。

 1972年生まれの26歳。6フィート2インチ(188センチ)、170ポンド(77キロ)。

 92年ブレーブス46順目指名。メジャー3年目。通算2勝2敗。

 97年は29試合登板、2先発で2勝1敗。防御率5.23

 スカウティング・レポートはありませんでした。まだまだこれからの選手。

 

98.3.13

虎本営は今季メムバー予想を発表せり。

 1番 レフト 坪井  2割8分 30盗塁(新人王)
 2番 セカンド 和田 3割4分(首位打者)
 3番 サード ハンセン 3割 30本
 4番 ファースト 大豊 35本 120打点(打点王)
 5番 ライト ウィルソン 2割8分 20本
 6番 センター 新庄 2割6分 30本
 7番 ショート 星野 3割 10本
 8番 キャッチャー 山田 打撃成績は省略

先発 藪 14勝9敗 湯舟 15勝6敗 川尻 9勝5敗 竹内 10勝8敗 クリーク 11勝5敗 船木 7勝5敗 中込 12勝10敗 山崎 5勝2敗 山村 6勝4敗 (計89勝54敗)

中継 伊藤 弓長 古溝 矢野 江坂 遠山 

抑え 田村 5S リベラ 15S 郭李 20S 

 1、2番を新庄、桧山は如何との説あるが、1回表にいきなりボール球を振りて2アウトは士気下がること夥し。大豊には四番か、しからずんば死かの意気込みで事に当たりたし。死しても平塚が屍拾う故、安心召されよ。ウィルソンは総合力でパウエルに勝れり。星野は今年がレギュラーの正念場なり。米崎の出遅れ、平尾の失態等で優位に立ちたるが慢心せず精進すべし。

 開幕直後は藪、湯舟、クリーク、竹内、中込のローテーションか。川尻復帰後はクリークを下げリベラ、郭李のリリーフ陣強化も可。特に郭李は外人投手競争の中で勇猛なる戦闘精神が芽生へたり。刮目して見よ。リードが来ればなほのことよし。山村、矢野の若き芽が今年は伸びる予感あり。

 今年の順位はハンセンと和田次第なり。両人がシーズン通して活躍すればAクラス以上。どちらかが一時にせよ欠くれば順位は降下。両人不在なれば最下位なり。この両人のみ代わりが無き情勢なれば。

 今年はセリーグ広島、パリーグはオリックスの優勝を望みたし。ロペスと中島の給料さへ払い得ぬ貧乏球団の両チームなれば、今年こそ悲願を叶へてやりたし。もはや優勝すれば年俸高騰で破綻、優勝せざれば観客減で破綻の生き地獄なり。せめて優勝の花道を拵へて日本シリーズ最終戦で両チーム涙の解散式も粋な計らいか。

 指折つて135超へる夜     虎玉

 

98.3.16

 坪井は最終試験合格か。山村は不合格?それにしても2安打4自責点とは、詳しきことわからぬが四球連発か?ここで抑へれば不調の竹内に取って代はる目もあったものを。

 新庄と桧山は打順下げれば打つ、上げれば打たぬ、困った奴輩なり。

 打たば迷ひ打たなくとも迷ふ起用法    虎玉

 

98.3.26

 虎軍はエンゼルス球団のダリル・メイ投手を獲得。リード獲得失敗は残念なれど、若き分将来性あらん。

 坪井は初アーチ放てど、開幕レギュラーの目消滅か。しかし1番候補・和田の元気の無さが心配なり。

 開幕投手は湯舟か中込か。実績の湯舟、好調の中込。それにつけても川尻の絶好調は皮肉なり。いはゆる「身代り懲役」にて川尻の代はりに不調の藪をやれぬか。

 開幕前借金の無き気楽さよ

 敗軍の前は気楽に兵を語り

 手合わせの前ぞ知らぬは兵力差     虎玉

 

98.3.30

 いよいよ開幕。夢を醒まし現実に戻るべき季節が来たれり。

 リベラ遂に初失点。開幕に一抹の不安か。

 新庄あわや4割の首位打者。此方は更に不安なり。

 

 春ごとに咲き乱れたる夢の花世間の風よ吹くな散らすな

 さくら花ちりぬる先ぞ口惜しやむなしき言の葉にぞなりけむ

                     虎玉

 

98.4.2

 嗚呼湯舟おまへはどうして腕を折る     虎玉

  ・・・と思ったら山崎、舩木、おまへら何をしておる!

 開幕当初から藪、中込、クリーク、竹内、古溝のローテーションかよ、トホホ。


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