虎本営発表
97.9.14
懐かしき気になりたくもなし最下位近し
これがまあ終ひの棲み家か上に五位
秋の和田活き処無し夜寒かな
九月のペナントレースを盛り下げし阪神と、さらに盛り下げし巨人の戦いにいたく心痛め、水兵服月嬢の心になりて詠める
横浜よ虎に代わっておしおきよ
阪神は巨人に代わって拙攻よ
虎玉
97.9.17
かくすればかくなるものと知りながら止むに止まれぬ神宮球場
此の節は憂きことばかり神宮の左翼席に立つ君の勇気よ
此の歌、「勇気」を見せ消しにて、「無謀」とありける
腑甲斐なき限りのチームを腑甲斐なく見続けるのは未練なりけり
秋の蚊か和田の居所此処に無し
あと一歩越えずに虎の十二年
誰れ彼れを庇う気も無し秋寒し
虎玉
97.9.22
虎本営は翌年へ向けての軍再建策を協議せり。
敵国に比し我が軍が極度に劣りたるは補給なり。特に中継ぎ投手陣にそは顕著なり。伊藤が疲れたら後が居ない、葛西が倒れたら次が居ない。このやうな布陣を「後詰なし」と称して兵のもっとも忌むべきなり。伊藤の代わりに弓長、田村の代わりに郭李ありてこその布陣なり。翌年は信頼しうる中継ぎを少なくとも倍に増産することが目標なり。
我が軍は投手の補給と並びて攻撃力の不足にも悩まされたり。不足と言ふより貧弱なり。そもそもはかの緑野郎の脱走に始まりたることなれど、伸び悩みの新庄・桧山にも責任あり。和田と江藤を交換できぬか。広島にとりても正田の跡が決まりて喜ぶべきことならん。残念ながら和田は虎軍では使いこなし切れぬ逸材なり。関川と落合でもよし。(そもそもなぜ今頃ハイアットを使ふか?何故星野を使わぬ?給料分働かそうとのせこい魂胆か?来年もハイアットと契約する気か?)
盗塁の少なきは悩むにあらず。盗塁は卑怯なり。投手と打者の力を比べしが野球の本筋にて其れ以外は邪道なり。盗塁は広島、西武等田舎球団に任せるがよし。
97.9.23
元木の輩世故き技のみ身につけて後は堕ちゆくさだめなるらむ
サヨナラや夢よ哀れな夢なれど
細腕で伊藤の繋ぐ五位の座や
虎玉