虎本営発表

 

 


97.8.10

 

 負け戦関川だけは何故か打ち

             虎玉

 

97.8.12

 阪神千里に旅立ちて、貯金をつつまず、横浜神宮に入ると云ひけむ、横浜銀行にすがろうと思へど思ふに任せず三連敗、風の声そぞろ寒げなり。

 独走の元凶詫びし三連敗

 浜風や秋を孕むか逆風に

 横浜のほとりを行くに、桧山なる捨て子の、哀れげにスタメン落ちがあり。打撃の急降下にて四番を任せるに耐へず。立ち直るまで使へずと、代打に置きけむ、子萩がもとの秋の風、こよひちるらん、あすやしほれむと、冷たき目投げてとほるに、

  泥沼や桧山はまりて藻掻く音

 いかにぞや、汝吉田に憎まれたるか、ファンにうとまれたるか。監督は憎むにあらじ、ファンはうとむにあらじ。只これ天にて、汝が能のつたなきをなけ。 

 されど神宮にて不思議の勝ちあり。本西の満塁本塁打とはこれいかに。さらに不思議は新庄の二発にて、

 よるべなき身は新庄に似たる哉

 今頃甲子園では炎天下高校生が働きしをおもふに、そぞろ同情を禁じ得ず。何も暑き夏に直射日光の炎天下野球をする必要あらじ。ドームといふ便利なもの、現在はあり。体こわして有為の才能一夏にて消耗するはたれのためぞ。

 青田刈るビデオカメラや甲子園嗚呼壊れしは君が肘かな

 逸材を玉と砕けし甲子園悔ひ無き夏と誰か云ふらむ

                                        虎玉

 

97.8.30

あんまりセリーグを盛り下げるなよ。


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