天使のポポロ

 ピノン王子といっしょに旅をして数日たつ。このひとはどうやらほったらかしにされて野育ちに育ったみたいだ。見も知らぬわたしを寝床にひっぱりこんでも、チチもハハもにやにや笑って見ているだけ。ふは。ひょっとしたらヨソのムスメをひっぱりこむのが当たり前になっているのかもしれない。うひゃあ。
 そんなわけで風の聖域とやらに来てみたのですが、ここはへんなところです。石の台座の上に立つとぽーんとはじかれてわけのわからんところに飛ばされるし、犬のうんこみたいな玉がいっぱい落ちているし、移動のときの視点がわけがわかんなくて道に迷うし、やたらにモンスターが出てくるし、戦闘になったらたっぷり五秒は読み込みにかかるし。もうやだよ〜戦闘。うっとおしいんだよ。けっ。
 おまけにこの王子はノンキモノというかイナカモノというか、道に迷ってもノホホンとしていて、わたしがMPののこりはどうだ、癒しの葉の残量がこうだ、やっぱ亀さんからもっと買っておけばよかった、とあれこれ心配しててもまったく意に介さず、
「そんな気にしなくっても、妖精さんがなんとかしてくれるっぺよ〜」
 などとのたまいやがるのです。その妖精さんが頼りにならないからわたしたち助けに来てるんだろ。今回は全滅したら持ち金半分で復活というルールじゃないぞ。前回セーブしたところからやりなおしだぞ。とりかえしがつかないのだぞわかってるのかこんにゃろ。殴っていいですか。がるるるるるるる。


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