1.世界ずん胴教序の詞
はじめは天も地もなかった。ただ女神だけがいた。女神はずん胴だった。世界は女神だけだったから、やはりずん胴だった。
女神は我が身を容れる世界がないことを悲しみ、天と地を作った。天と地は女神の姿に似て、ずん胴だった。天と地にはやがて生き物が満ちた。
女神は我が身に凹凸がないことを悲しんだ。女神は言った。
「お胸あれ」
女神はウエストを削り、その肉で胸にふたつのでっぱりを作った。
やがて天地にもでっぱりができたため、世は乱れた。
ふたつしかでっぱりがないため安定せずに世が乱れていることを知る女神は、言った。
「おなかあれ」
女神の腹部にでっぱりができ、でっぱりは三つとなった。天地も安定し、乱れは生じなくなった。
女神はkasumi様となった。
2.世界を創る
kasumi様は地に世界を創ろうと決心され、世界を創る旅にご出立なされました。
まず自分のいる場所を日本と名づけました。
そこから東へ行き、「パンダあれ」とおっしゃると、そこにパンダが住みつき、中国になりました。kasumi様はさらに、中国の真ん中に島をこしらえ、台湾と名づけられました。
次に南へゆき、「象あれ」とおっしゃると、そこに象が住みつき、タイになりました。kasumi様はタイの首都をベトナムと定められました。
kasumi様はさらに南にゆき、「虎あれ」とおっしゃると、象と虎が住みついてインドになりました。さらに「インド人あれ」とおっしゃると、インド人が出てきてヨガのポーズでタクシーを止めました。
インド人がご飯にバタピーと水をかけて食事とされているのを見たkasumi様は、哀れに思ってインド人にカレーをお与えになりました。ところが邪神がカレーにコンデンスミルクでなくガラムマサラを入れたため、カレーが辛くなってしまいました。怒ったkasumi様は、カレーに生卵を入れてぐるぐるとかきまぜ、そのまま放っておかれると、それが固まってスリランカになりました。
kasumi様はそこから西にゆかれ、「砂漠あれ」とおっしゃいました。するとそこはアラブになりました。「石油あれ」とおっしゃいました。するとそこはテヘランになりました。テヘランの隣にいき、「ホメイニあれ」とおっしゃるとそこはイランになりました。ところが後の世にイランは軍事行動を起こしてテヘランを占領してしまい、そこをイランの首都と定めました。そしてアラブはその地域全体の総称になってしまいました。これは邪神にそそのかされて悪心を持った人間がやったことで、kasumi様はまったく関与されておりません。
kasumi様はそこからさらに西にゆかれ、「皇帝あれ」とおっしゃるとそこはローマになりました。ところがローマは邪神にそそのかされて悪心を持った人間によってイタリアやらリヒテンシュタインやらドイツやらに分割されてしまいました。kasumi様は人間のなしたことに怒り、ヨーロッパはそのまま放っておかれました。ただ北へ行って「チョコレートあれ」とおっしゃるとそこはオーストリアになり、「ワッフルあれ」とおっしゃるとそこはベルギーになりました。そこから海に向かい「ダッチコーヒーあれ」とおっしゃるとそこはオランダになりましたが、それはなんぼなんでも本末転倒だと世の批判にさらされました。
kasumi様はそこから海を渡られました。むろん神様ですから海の上をすべるように歩かれました。そこで「私に似せて像を造れ」とお命じになりました。すると女神像ができてそこはアメリカになりました。しかしアメリカ人はやがて邪神にそそのかされて傲慢になりました。kasumi様は傲慢なアメリカ人を罰するため、アーカムにミスカトニック大学をお作りになり、そこに邪神の手下どもを棲まわせたため、アメリカ人はたいそう苦しみました。
3.日本を創る
kasumi様はもといた日本にお戻りになり、「ウールゴンあれ」とおっしゃいました。するとそこは千葉になりました。「大仏あれ」とおっしゃいました。するとそこは茨城になりました。埼玉を創ろうとなさいましたが、えたいの知れない全裸の男どもがいるので、そのままにされてしまいました。そのため埼玉はドクター秩父山やクレヨンしんちゃんなど下品な人間のたまり場となってしまいました。
kasumi様はさらに「ばぁすあれ」とおっしゃいました。すると甲子園球場ができました。「むらちょーあれ」とおっしゃいました。すると川崎球場ができました。バースと村田兆冶によって野球がはじまりました。このふたりが野球の神です。よく稲尾だ八木だ川上だと神様を潜称する輩がおりますが、これらはすべて邪神にそそのかされているのです。
kasumi様はさらに「コスプレあれ」とおっしゃいました。すると幕張メッセができてコミケが始まりました。「晴海の間違いじゃないの?」と言った人間には、kasumi様の年齢をあざむく者として神罰がくだりました。
kasumi様はいろいろなものをお創りになり、疲れてしまいました。そのため、「蒲田あれ」とおっしゃいましたが、なぜか蓮田になってしまいました。「大宮あれ」とおっしゃいましたが東鷺宮になってしまいました。「本庄あれ」とおっしゃいましたが那須塩原になってしまいました。
kasumi様はいろいろなものをお創りになり、世界に秩序を与えてきたため、すっかりお疲れになりました。そのため、kasumi様の部屋だけは無秩序のケイオスのまま残されました。
4.瞑想から開眼へ
kasumi様はしばらく父神様・母神様の元で疲れを癒すことに専念なさいました。
ケイオスの中から、kasumi様は瞑想しお創りになった人間たちの世界を見守り続けました。ところが人間たちはkasumi様の平和を願う気持を無視して、争い事ばかりをするようになりました。
ついにkasumi様はコスプレによってその身をやつし、人間世界に降臨されることを決心なされました。
路上でうら若き婦女子を狙うコートメンには、教祖様は
「去れ、小さきものよ」
とおっしゃいました。するとコートメンはみずからを恥じて退散しました。
教祖様が楽しみにしておられた栗ようかんを食ってしまった無礼な上司に対しては、
「わざわいなるかな、甘きものをむさぼる者どもよ。汝は呪われるであろう。びゅびゅびゅびゅびゅびゅ」
と威嚇なさいました。すると上司は神罰で昇進が止まりました。
隠しても顕れる後光の尊さ、というわけで、人間に身をやつしてはいても、kasumi様の神性に気づく人々も増えつつありました。
邪神もkasumi様の存在に気づき、ウールゴンや納豆や激辛カレーに身を変えてkasumi様に襲いかかりました。しかしkasumi様は敢然とそれらの試練を克服されました。
5.救いの手
邪神との戦いで人間を救ったkasumi様はケイオスの世界で、再び瞑想に入られました。しかし不便を感じたkasumi様は、
「ネットあれ」
とおっしゃいました。するといんたーねっとが誕生しました。インターネットはゲイツが創ったというのは、あれは邪神の流布する邪説です。というかゲイツが邪神です。
やがてkasumi様は、世界へ御言葉をお広めになりました。世界には貧しい者不幸な者満たされない者が多くいて、救いを求めていたからです。それは珠玉の言葉として、読む者たちの心をうち、邪神をはねのける呪文ともなりました。
世界の人々がkasumi様をあがめ、多くの信者がkasumi様に一目逢いたいと押しかける事態をも迎えました。
kasumi様は、そのなかからひとりを選び、布教活動の助けとすることを決意されました。
ひとりめはにょろにょろのふにゃふにゃだったため、どうにもなりませんでした。
ふたりめはのんだくれのセクハラだったので、これもどうにもなりませんでした。
さんにんめはぼてぼてのセクハラだったので、これもだめでした。ところが、大阪からやってきた精霊が、この男をさらってゆきました。
kasumi様が諦めかかったころ、ぼろを身にまとった男が現れました。その者は肉も魚も食わず清浄を保ってはいましたが、痩せこけておりました。
kasumi様はおっしゃいました。
「服装の貧しき者はさいわいである。かれは天の衣を身にまとうだろう。うどんを食う者はさいわいである。かれは天の与えるマナを食うだろう」
kasumi様は彼を若神様として神の力をお与えになり、前の蛋白過少大臣うどん大将軍に任命されました。
こうしてkasumi教は、動きはじめました。