7.脳天気な潜入

 昨日のスフィアのせいか、踊り子の衣装のまま寝てしまったせいか、ティーダとユウナが逃げまどいついに撃たれるという最悪な夢を見てしまったユウナ。
 ところで、瀕死のユウナが涙を流すシーン、ひょっとしてこれはFFXの世界史上、初の涙ではないでしょうか。どんなに悲しいシーンでも涙だけは流さず、おかげでどんな感動的シーンでも、「サルでも描けるまんが入門」で、「こんな場面で主人公が無表情だったら」という実験をしているのを思い出してしまっていましたが。

 とりあえずスフィアを、新エボン党首パラライに返しにいきます。エボンのものはエボンに返せというし、なによりも青年同盟の大槻ケンヂは信用できないし。
 元大召喚士ということもあり、ユウナは歓迎されているようです。そこでパラライは、驚くべきことを教えてくれました。あの邪神像みたいなのは、千年前に開発された究極兵器、ヴェグナガンだそうです。千年前というと……ティーダが生きていた時代。

 そこまではよかったのですが、エボン寺院に参上している間に、ドロンジョ様一味がザリガニ号に潜入。これまで集めたスフィアを盗まれてしまいました。
アニキ「盗られたものは盗りかえす! それがカモメ団の掟!」
ユウナ「そだよね! 殺られたものは殺りかえす!」
リュック「ユウナん、字が違うよ……」
パイン「ドロンジョは、かつてシーモアが棲んでいた悪趣味な邸宅をアジトにしているそうだ」
ユウナ「ばばーんと正面突破しますか」
アニキ「いい、それいい! ユウナの作戦、すばらしい!!!」
リュック「正面突破もキツそうだし……なんとか誤魔化して入れないかな」
ユウナ「ドロンジョの手下に化けていくってのはどう?」
アニキ「いい、それいい!! ユウナの作戦、すんばらしい!!!」
リュック「あんたは黙っててよ!!」
パイン「手下の制服を手に入れる必要があるな」

 というわけで始まったミッションが、「ドロンジョ様の女子分の制服ひんむき大作戦」。スピラのあちこちで活動するドロンジョ様の女子団員を倒し、制服をひんむくという、頭が痛くなるような作戦です。
 まず砂漠に一味がいるという情報を受け、ビーカネルへ直行。そこで砂漠発掘のミッションの手始めとして、オアシスへ行くと、そこでトンズラと女子団員を発見。
リュック「あ、出た出た」
パイン「じゃ、シメてひんむくか」
 ……どっちが極悪非道なのかわからないんだ、母さん。

 めでたくシメてひんむいて一着めの制服を手に入れたのはいいんですが、実はそのあと、砂漠の発掘にハマってしまいました。機械部品やらコインやらポーションやらアルベド語辞書やらを掘り返すこと数時間。砂漠に出る魔物たちとの戦闘で、みんなすっかり強くなってしまいました。パインなどは戦士を極めてしまったくらいです。
 発掘すること六十回。そうして発掘マスターになっても、なぜか砂漠の奥は発掘させてくれません。どうやら話が進まないと奥には入れてくれないらしいとようやく気づき、しぶしぶ砂漠から出ます。

 それからジョゼ街道でスフィアを落として困っている女子団員をシメてひんむき、二着目の制服ゲット。さらにガガゼトの山奥の温泉でのんびりお湯に使っている女子団員の制服を盗もうとする。ところで敵の行動がマヌケなのは、ファイナルファンタジーシリーズのお約束なのでしょうか。このシリーズで的確な行動をとる敵を見たことがありません。まあ味方もですが。
女子団員「きゃっ、誰?!」
ユウナ「カモメ団、参上!」
女子団員「てゆーか、のぞき団?」
パイン「失礼な!」
 ……失礼な、ってあんた、さっきのぞきより極悪な泥棒をしようとしていたのですが。たしか水浴中の衣服を盗む行為は、中世ヨーロッパでは殺人と同じ罪だったと思います。

 トンズラとボヤッキーが女子団員の加勢をしますが、いかんせんカモメ団の敵ではない。なにしろ砂漠での数時間で、無駄にレベルが上がっています。
 ふつうに戦っても強いが、いつのまにかリュックとユウナが手に入れたスペシャルドレス、これが強い。召喚獣なみです。
 リュックは装甲騎兵ボトムズみたいなのに身を包み、ユウナはなんだか罪深そうな花に包まれて(シーモアの第三形態に似ています)戦うのですが、やたら強力な魔法やらミサイルやらをふっとばし、もはやトンズラもボヤッキーも一撃死です。
 こうしてめでたく女子団員をシメまくって三着の制服をひんむき、いよいよドロンジョ様の悪趣味な邸宅へと進むのでした。


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