6.脳天気な対立

 キーリカにすんごいお宝スフィアがあると聞いて、かつてシンに叩きつぶされた港町に参上しました。
 しかしどうやら様子が違う。村人の話を聞いたところでは、漸進的穏健派である新エボン党と、急進的改革派である青年同盟が対立し、新エボン党は寺院に、青年同盟は港町に立てこもってにらみ合っているそうです。
 その対立はスフィアの奪い合いに発展し、寺院の所有物だとする新エボン党と、人民に公開すべきだという青年同盟との間で奪い合いになっているそうな。
ユウナ「決めた! 争いの元みたいだし、あたしたちが貰っちゃお!」
 これこれ。

 この対立に一般市民も巻き込まれているようです。
 なんだか見たことのあるタカビーな色黒女がいると思ったら、あのイヤミな元召喚士、ドナでした。召喚士を廃業してバルテロの故郷にすっこんだと聞いてはいましたが、ビサイド出身でしたか。
 どうやらドナは青年同盟に共鳴し、ガードのバルテロは新エボン党のシンパ。そのため別れ話が生じ、哀れバルテロは家から叩き出された模様。
バルテロ「で、でもドナのことは愛しているのだ……ドナ、……うぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!」
 号泣しながら去るバルテロ。でも、あの、この家って、バルテロのものではないのですか?
「ま、そんなわけで、仕方がないのよ」
 淡々と語るドナ。なんだか、元召喚士の中では、あなたが一番まともなような気がします。やはりこれは、早めに召喚士を廃業したため、脳味噌が食い荒らされる度合いが少なかったからでしょうか?

 とりあえず対立紛争をよそに、というか対立している隙をねらってスフィアをかっさらおうとしているユウナご一行。
 青年同盟のヌージとかいうリーダーが扇動演説を行い、盛り上がった青年同盟は寺院へ侵攻します。余談ですがこのヌージ、大槻ケンヂに似ています。前作でシーモア老師を見て、実写でこれを演じられるのは大槻ケンヂしかいない、と思ったのですが、シーモア老師はステージの大槻、ヌージはプライベートで化粧を落として眼鏡をかけた大槻にクリソツです。
 スフィアを渡せ、いや渡さないの押し問答のあげく、ついに寺院側はゼロ式機士を持ち出してきます。これぞ横取りのチャンス。ゼロ式機士を倒し、うろたえる僧からスフィアを奪い取ります。
「われらスフィアハンター、カモメ団! ビサイドのスフィアは頂いた!」
「……はぁ?」
 あまりに脳天気な名乗りと、それ以上に脳天気な三人の決めポーズを見て、あきれかえっている両陣営を尻目に、さっさと逃げ出すユウナ様ご一行。
 ちなみにパインは後になって「あれはちょっと……やりすぎたな」と恥じておりましたが、もう後の祭りです。

 ザリガニ号に帰還してスフィアを再生してみます。
 なんだか見たことのあるティーダ似の人物が、こんどは邪神像をまつる神殿のようなところを歩いています。邪神に語りかけるティーダもどき。なんだか危なげな雰囲気です。
ティーダもどき「……おまえがレンを助けてくれるんだな」
ユウナ「レンって誰だっつーの!!」
 ユウナ様はごきげんななめです。

 再生画像を見たアニキは、「このスフィアはヤバすぎる……返そう」と決断します。ああ、アニキ、正常な理性がちっとは残っていたんだね。
 危険なスフィアを見てしまったせいで、乗組員一同、なんだか浮かない顔をしています。
ユウナ「なんかみんな暗いね……なんか、気分の引き立つようなこと、しよっか」
アニキ「ようしユウナ、踊れ! やった、ユウナの踊りが拝める!」
 ああアニキ、あんたに理性があると思った私が馬鹿だったよ。
 それにしても言われたとおり馬鹿正直に、しかも飛行中の飛空挺の甲板で踊るのはどうかと思いますよ、ユウナ。


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