2.脳天気なインタビュー

「今回は特別ゲストをお迎えしてお送りします」
「はぁーい! リュックだよ」
「相変わらず脳天気なリュックさんですね」
「なんかあんた、あたしをマリベルにするつもりじゃないの?」
「いえ、そ、そんなわけは。マリベルとリュックさんでは、キャラクターが違いますし」
「そうそう、あたしはニギヤカ担当、マリベルは鬼畜担当、そこんとこ間違えないでよね」
「で、今回のテーマはですね、『どうしてあんなんなっちゃったのか? ユウナ?』ということで」
「ああ、ユウナんのことね」
「まず、ユウナさんがカモメ団に入団するきっかけからお話しいただきたいのですが」
「ええとね、半年くらい前だったかな。キマリの村へ行ったの」
「ガガゼトのロンゾ一族は、前作でシーモアに全滅させられたそうですね」
「そうそう、で、キマリと、ルカにいたブリッツ選手しか生き残らなかったの。ま、ガタイの割には弱っちいからしゃあないね、あいつら」
「弱いですか、ロンゾ族は?」
「ぜーんぜん。一族きってのツワモノとかいうエンケとビランが、ふたりがかりで、あたしより弱いキマリにも勝てないくらいだもんね」
「ええと、まあ、キマリが弱いことについては、チョウ捕りを断念してロンギヌスをパワーアップしなかった私にも責任があるわけですが」
「そゆう可哀想な一族だから、エンジョしに行ったのよね。そしたら、お山で拾ったとかいうスフィアをもらって」
「ああ、それが問題の、ティーダとおぼしき人物の撮影されたスフィアですね」
「そうそう。それで、ユウナんに見せにいったの。ユウナん、あれからビサイドでヒッキーやってて、なんかヤバそうだったから」
「そんなに精神的に危ない状況だったんですか、ユウナさんは」
「うんうん! あたしが行ったときも、すんごかったよー。なんかね、いちんちじゅう虚空をじっと見つめてね、『ああ、あたしのヴァルファーレはどこ? シヴァは、バハムートは、メイガスは?! あたしの召還獣、あたしの力、スピラを支配するあたしの夢は?!』ってね。怖かったよー」
「ははあ、ティーダではなく、自分の力が失われたのがショックだったんですか」
「まあ、召還士は、召還してナンボの職業だもんね」
「それで更正のために誘ったわけですか」
「ま、いっときとはいえ、仲間だったもんね」
「そういうわけでカモメ団に入団されたわけですね」
「でもユウナん、まだヘンなんだよ。ひとりでにやつきながら踊ってたり、『あたしと同じ顔をした敵が見える……』とかつぶやいたり」
「そのへんは、リザルトプレートのせいで、他人の思念と同調するせいだという話でしたが」
「ウソだってばー。ユウナんよりヘンな人なんて、このスピラにいないよー」
「ところで、あなたと、ユウナさんと、パインさんの三人のユニット名なんですが」
「あ、『ユリパ』ってやつね」
「あれは、あまりにもそのまんまじゃないですか?」
「そっかなー。いいユニット名だと思うんだけどなー」
「そこで私が、みなさんのユニット名を考えてみました」
「ヘンなんじゃないでしょうねー」
「まずはカモメ団にちなんで、『セーラーズ』ってのはどうでしょう」
「なんか、時代遅れのダサいブティックみたーい」
「そうですか、ではやはりカモメにちなんで、『マリーンズ』ってのは?」
「弱そうだからやだー。だって、あそこ、四番新外人に逃げられたんでしょ。四番新外人ってだけでよわよわなのに、それに逃げられたんだもん」
「なにを言ってるんですか。マリーンズの四番は昔から初芝と決まってるんです」
「それって、初芝が四番を打つようなら最下位確定って、アレじゃないの? 阪神のショートが沖原なら、Bクラスは決まったようなもの、ってのと同じで。どーでもいーけどー、ムリヤリ野球の話にしないでよねー」


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