1.脳天気な旅立ち

 そんなわけでファイナルファンタジーXの続編、ファイナルファンタジーX−2です。ええ、発売当日に買ってしまいました。しかも予約販売です。これが不惑寸前の人間のすることでしょうか。

 しかも私、ここんとこゲーム運が悪い。プレステ2になってから買ったソフトといえば、ファイナルファンタジーX、ポポロクロイスはじまりの冒険、ブレスオブファイアVドラゴンクォーターの3本ですが、結果としては1勝2敗というイメージです。いやまあ、あくまで私にとっての勝敗ですが。それにしても、ドラクォは好き嫌いの問題だけど、ポポロは許せんなあ。
 しかもゲーム日記をつけたソフトでは2連敗です。2回とも途中で挫折しております。ポポロクロイスは戦闘シーンのうっとおしさに投げだし、ドラクォは龍の力がマキシマムに達してにっちもさっちも行かなくなりました。さて今回は大丈夫なのでしょうか。

 まずはパッケージを眺めます。パッケージは前作とほとんど同じですね。間違い探しのようです。裏面をひっくりかえすと、ユウナがなぜか、ホットパンツで二丁拳銃です。前作ではおバカな女子大の卒業生みたいな恰好でしたが、今回はおバカなアイドルが演ずる脳天気な西部劇のヒロインみたいな恰好です。何が彼女をそうさせたか。
 そういえば、オマケの携帯ストラップ。ユウナが乳とへそを露出しがちな白いシャツなのはいつものことですが、なぜか延命チューブのようなものを背中にしょって、二丁拳銃をかまえ、ウエスタンカーニバルで安岡力也が履いていたようなでかいブーツといういでたちです。しかもバルタン星人のようなハカマまで穿いています。
 なんだか、水野晴男がお色気ウエスタンを監督し、しかも自分が主演だったら、きっとこんなファッションに身を包んだだろう、というような感慨にふけってしまいそうな姿です。
 絵はうまいんだけど、ファッションセンスのないデザイナーって、いるもんですね。

 いつまでもユウナの眩しすぎる姿に見とれているわけにはいきません。まずはゲームを開始してみましょう。

 いきなりブリッツボールスタジアムのようなところで、ユウナのコンサートから始まります。ユウナ、エボンの総老師を辞退したと思ったら、勘違いしてタレントデビューの道を歩んだのでしょうか。勘違い全開の衣装で唄ってくれます。それにしてもユウナ、前作より顔が変になってませんか?
 そこへリュックと、パインとかいうお姐ちゃんがコンサートに乱入し、いきなり戦闘になります。どうも声が違うので、こやつ、ユウナではないようです。ひょっとして美空ひぼりとか雪村ねずみと同じように、「コウナ」などと名乗ってドサまわりしているのでしょうか。
 それにしても今回のアクティブモードバトルとかいうシステムはせわしない。知らないうちに敵がどんどんやってきて、どんどん攻撃して、こちらもそれに反撃して、どんどんアビリティを覚えて、その合間に「どいてよ!」「うるさい!」「よっしゃー!」「ケチケチしないでさぁ」「ぎゃぁ」「ふ、まるでお遊びね」などと台詞をしゃべりまくる。ま、リュックは「盗む」一本槍と決めているからいいですが。

 ザコ敵を倒しまくって、ようやく逃げたかと思ったら、今度はメーガス三姉妹の男版みたいなふたり(ハチはいないらしい)が登場。危機一髪というところで、どうやら本物らしいユウナが登場し、二丁拳銃で蹴散らします。なんだか今回はアクション活劇のノリだな。それにしてもこの三人のユニット名、「ユリパ」というのは、あまりにもあんまりじゃないか。そのまんまやんけ。
 このふたりを倒したところで、いよいよニセユウナの登場です。よく聞くと、このニセユウナ、なんだかドロンジョ様のような喋り方だ。というと、あのふたり、トンズラとボヤッキーですか?
 で、どうやらこのドロンジョ様が盗んだリザルトプレートとやらを取り戻したところで、ドロンジョ様との戦闘。このアイテム、どうやらこの三人キャラのドレスチェンジを施す物体のようです。踊り子モードで「身体、動かそ!」などとたわけたことを言いながら舞い踊るか、戦闘モードで剣を振り回すか、二丁拳銃モードで撃ちまくるか。どっちにしろたわけた衣装に身を包むことには変わりませんが。
 ドロンジョ様、あっさり負け、「今度会ったら、泣かせてやる!」などと捨てぜりふを残して逃げていきます。やっぱドロンジョ様だ。
 戦闘に勝っても、ユウナは踊り続ける。おどれは赤い靴か。グリムか。新保信長か。「身体が勝手に踊りだして……怖かった」などとのたまうユウナ。前作とはだいぶ「怖いもの」が異なりますね。

 そうこうしているうちに、ザリガニのような脳天気なデザインの飛空挺が舞い降り、三人を乗せてどこかへ。アルベド族のアニキもいます。アニキまでも「ユウナの踊り、み、見たい!」などと脳天気なことを言っています。それに「金取るよ」と答えるユウナはさらに脳天気ですが。
 どうやらこの船、三人が属する「スフィアハンター・カモメ団」という脳天気な組織の船らしいです。自称天才少年に、ユウナがこの団員となったきっかけのスフィアとやらを見せてもらいました。
 なんだか暗くじめじめした牢獄のようなところで、ティーダが呻吟しています。「ユウナに会いてえよ!」などと訴えています。やたらと暗いです。他の脳天気な連中とのギャップが激しすぎます。

 ところで、パッケージの中に入っていたパンフレットに、このゲームのテーマソングを歌っているらしい倖田来未という人の写真が載っているのですが、ひょっとしたらこの人がリュックのモデルなのでしょうか。なんだかそっくりに思えて。失礼ながら頭の中身も含めて。
 そしてその曲の宣伝文句に「全米ビルボード誌にもチャートイン!」とあったりして、世の中、変わったところは変わったけれど、変わってないところは変わっていないなあ、などと感慨にふけってしまいました。


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