6.12回目のおつかい

ファイナルファンタジー12をやっていてよくありがちなこと。
 ストーリーを妙に進行させると、賞金首が他の奴に倒されたり、勝手にサブストーリーが終わってしまうんじゃないかと心配で、おちおち進められないロマサガ経験者。やたらにクランレポートを読んで、モブが勝手に討伐完了になってないか確認するのが癖。

 オズモーネ平原の敵は強いので、ここらでほったらかしといたライセンス板を進め、力強化とか時間短縮だとか獲得。ついでにガンビットも整備し、ダウンタウンのボニー&クライドは「盗む」に専念。王女様に盗みをやらせるのはおそれおおいので、敵が瀕死になったら密猟に専念してもらう。北朝鮮かおのれは。
 ステータスを上げてやや強くなったようなので、賞金首のヘビとカメとカエルを撃破。あと、バッタとトンボと近所の野良猫とハゲ親爺の盆栽を倒したら、立派なガキ大将だな。
 ヘビ退治に飛空艇に乗ったら、なんかアテンダントの痴話喧嘩みたいなのがあったのですが、これにも協力せにゃならんのか。

 草原の長い行程を抜けると、そこは長老だらけの水泳大会だった。
 長老が一番偉いのかと思ったら、大長老がいて、これが最高かと思ったら最長老ってのがいた。なんなんだこいつらは。いつ超長老とかウルトラスーパーデラックス長老とか出てきても不思議じゃない。あああ。手でピストル真似て涙をのむ私(中森明菜「Fin」)。右大臣も左大臣も大納言も征夷大将軍も右大将もみんなチーフとキャプテンで済ませるアメリカみたいな訳語なのかな。
 なぜかこの村に皇帝の末息子のラーサーがいた。アルケイディアとローザリアの超大国同士の世界戦争を回避するため、ダルマスカの王となって帝国との友好を訴えてほしいとか。なんかうさんくさい。まあこれって、大国の常套手段なんですけどね。日本もその昔、占領の大義名分のために清朝元皇帝をかつぎだしたり、フランスを追っ払うためにベトナム国王をかつぎだしたり、いろいろしました。イギリスもサウジ国王を援助してドイツ友好国にぶつけたかと思うと、ドイツはユーゴスラビアの元国王を援助してチトーのゲリラと噛み合わせたり(その国王を米英も援助してたんで笑える)。アメリカはもっと節操がなく、利用できるものなら麻薬将軍でも賄賂大王でもなんでも可だもんな。
 悩むアーシェの夢枕に死んだ夫が立つ。なぜかヴァンにも見える。たぶん、催眠術とか詐欺商法にひっかかりやすいタチなんだろう。
「青人が癒えたのか」(あの人が見えたのか、と言っているらしい)
 そこから亡き兄の想い出を語るヴァン。えーと、……だれだっけ? 俺はもう忘れてしまったよ。
「匍匐アジアに死姦死体裸」(降伏間際に志願したんだ)
「貧であに釜負われたんらよ」(死んでなにが守られたんだよと言っているらしい)
「王、ミゲルの早める」(もう、逃げるのはやめると言っているらしい)
「道蹴るよ」(みつけるよ、と言っているらしい)
 なにがなんだかわからないまま説得されたアーシェは、ラーサーとともにブルオミシェイスへ旅立つ。ラーサー役に立つしな。ハイポーション無尽蔵に使ってくれるし。
 しかし、どこか腹黒いところのあるラーサーに、不信感が抜けないヴァンなのであった。
「Au、Docomoあるんらよな」(あーゆーとこもあるんだよな、と言っているらしい)

 草原の東からゴルモア大森林を抜け……ようかと思ったところ、妙なバリアみたいなのがあって先に行けない。
「拒まれているのよ」というフランの言葉に、
「悪阻、老雄こと」(つまり、どういうことかと聞いているらしい)
 どうやらこの森はヒュム(人間族)を拒んでいるので、この森とともに生きているフランの同族に許しをもらう必要があるらしい。というわけでうさぎちゃんの里へ。ミュリンというのがキーマン、いやキーヘア(キーラビット? いやでも、たぶんこいつら野生だし)らしい。
「にゃあ、乳輪って怖いだろ? 揉んできてくれよ」(なあ、ミュリンって子がいるだろ? 呼んできてくれよ、と言いたかったらしい)
 とヴァンが聞いても、答えてくれないうさぎちゃん。意味が分からなかったのかもしれんが。
 ミュリンはヘネ鉱山とやらに閉じこめられているという話なので、森を抜けてそちらへ。

 森を抜けようとして妙な光る猫(ドルバッキーか?)に瞬殺されたり、ヘネ鉱山で上から降ってくるプリンの山に虐殺されたりしながらも、ようやくミュリン発見。しかし様子がおかしい。まるでFF8の月コロニーで魔女にとっつかれたリノアのような動きだ。それもそのはず、破魔石のパワーにおかされると、心身を支配されてこうなってしまうらしい。FF7でいうところの魔洸みたいなもんか。
 それにしてもどうもこのゲーム、元ネタがわかるというか気になるというか。すれっからしになっちまった私がいかんのか、それとも見透かされるような演出をやる方がいかんのか?
 輪っかドラゴンと苔ドラゴンを倒し、ミュリンを助けてうさぎちゃんの里に戻し、ようやく先に進む許可をもらう。もうどうだっていいよ姉妹だろうがなんだろうが。ただ、フランが里を出たのは五十年前、ってのはやはり気になる。ヴァンでなくても「ファンって漫才?」(フランって何歳、と聞きたかったらしい)と訊ねてみたくなるでしょう。スルーされたけど。

 ようやく神都ブルオミフェイスに着いてアナスタシス大僧正に会ったものの、ダルマスカ再興はまかりならぬとの仰せとともに、妙なキザ野郎が登場。バルフレアが勘違い闘牛士なら、こいつは勘違い松田優作だな。まさかバルフレアよりキザなキャラが登場するとは思わんかった。これでもロザリア皇帝の一族らしい。
(この人の声、アナゴさんと同じ中の人らしい。そういえば……前に2ちゃんねるがらみで、アナゴさんがむちゃくちゃカッコいいセリフを吐くフラッシュがあったのだが……それにそっくりだ)
 なんでも老皇帝が暗殺され、その罪を元老院におっかぶせたヴェインが皇帝即位、全権把握。ブッシュのごとく力による世界征服をたくらんでいるらしい。ヌージのくせに生意気だぞ。
 優作モドキの助言で、こんどは南のミリアム遺跡へ、破魔石を断ち割るという覇王の剣を求めに行く。うろうろしたあげく、子持ち亡霊やできそこないユウナレスカを倒してやっと覇王の剣を獲得。
「おいつで穏当にママ石をおわえうか、アサツキのはんぺんではめひてみたあ」(こいつで本当に破魔石を壊せるか、暁の断片で試してみたら? と言いたかったらしい)
 というヴァンの伝言で、暁の断片を断ち割ろうとしたアーシェだったが、その瞬間にまた夫が夢枕に立って断念。

 ブルオミシェイスに戻ると、帝国の襲撃で神殿はぼろぼろ。帝国兵士は南京大虐殺なみの乱暴狼藉をくりひろげたらしい。さすがヌージ、部下の教育がなってないぜ。
 しつけの悪いガキを倒し(破魔石のせいにしていたが、たぶんこれって上官命令のせいにした日本軍将校の言い訳と同質だよな)、アーシェご一行は帝国の破魔石をぶった斬るべく、帝国領の首都アルケイディスにあるというドラクロア研究所に向かって出発。
 このへんからヴァンとパンネロの影がひじょうに薄く、セリフをいうこともまれになるとともに、ゲームのシナリオが壮大だが、しかし長ったらしいだけのお使いゲームの様相を呈してきたような気がする。気がするだけならいいのだが。


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