3.神聖ダルマスカ王国

帝国主義がその限界を
露呈しつつある今、
人々は古き政治体制を
ふたたび望んでいる――

大いなる千年王国。
男なら誰もが夢みた
愛と徳による絶対王制。
今、歴史的実験が
一組の落ち武者により
進められようとしていた。

俺たちの理想郷。
その名も…………

ヴァン「埴輪達磨好き報告だ! 女ほと質とても屁国に這って腹痛て!」(何がダルマスカ王国だ! そんなこと一度でも帝国に勝ってから言え! と言いたかったらしい)
バッシュ「ヴァン、わしらがなぜ勝てないかと言うと……双子の弟の陰謀じゃよ!」
ヴァン「ホッピーにひまし油混ぜてんじゃねえ!」(ハッピーな生き様さらしてんじゃねえ! と言いたかったらしい)
(以下、ヴァンの台詞は字幕のみでお届けします。作者めんどくさくなった)
ヴァン「お前がここにやって来てから、俺の生活はどうなった!? ダウンタウンのこんな汚い部屋で、モブリスト掲示板の流通経路からも外されてんだぞ! 飛び石作戦かよ!」
バッシュ「フッ……あんぽんたん。ナオンあふるるダルマスカ王国の再興は、神に託された大事業なのじゃよー!!」
ヴァン「もういい、死ね!! 王国だとかそんなもん俺は知らん。俺はただ一度だけでもナオンにもててみたいだけだぁ!!」
バッシュ「お前にはまだ、ダルマスカ王国のうれしさがわかってないのじゃよー!」
ヴァン「何だと? うれしさって……何だ」
バッシュ「フッ……ナオンのナオンによるわしらのためのダルマスカ王国……それは神に託されたうれしい国……王女のナオンのみんなはわしらにキャーキャー!!」
ヴァン「目の前でビンタされたお前に、王女がなにをしてくれるというんだ?」
バッシュ「ウウッ、ウーッ!!」

(回想シーン)
 地下牢獄を楽しげに歩く看守ブタッキー。喧嘩を売ろうとしながらも生来の内気でなにもできないヴァン。
ヴァン「俺が、ブタッキーに声もかけられず、しょげかえっていたら……」
 突然空から落下する物体。爆音。破片。飛び散るブタッキーの血肉。吹き飛ばされるヴァン。
ヴァン「なっ……何なんだ……」
 大地に突き刺さる巨大な鳥かご。衝撃でねじくれた鉄格子から、半分はみだした、髭面の憔悴しきった中年男。
ヴァン「うわぁぁぁぁ!!!」
(/回想シーン)

ヴァン「あのまま何だかわからんうちに、お前のペースに乗せられて、パーティを組むはめに……いや、そんなことより、問題なのは……未だにお前が何者なのかわからないってことだ!」
バッシュ「わしの正体については諸説あるが、代表的なものをあげてみよう」

ヴァン「これじゃ何もわからない方がマシだぁ!!」


戻る