鶏肉ふたたび

 あいかわらずお盆休みに家にこもりっきりで高校野球見ているわたくしめです。みなさんバカンスを楽しんでますか? 楽しいですか? 幸せですか? ……けっ。

 さて昨年来の狂牛病騒動のあおりで豚肉が値上がりしています。牛肉は値下がりしているのですが、もとが高価なので焼け石に水。というわけで、ここんとこ鶏肉を買うことが多くなっています。
 ササミについてはもう書いたので、今回は鶏の胸肉と腿肉について。

 欧米では腿肉より胸肉のほうが上等とされているようですね。白い色が上品だからだとか。だから欧米人の晩餐などに招待されてローストチキンなどが出てくると、賓客に胸のところを切り分けるそうです。
 でも日本では腿肉のほうがありがたがられます。値段も高いです。たしかに、胸より腿のほうが脂身が多くて味がよいですからね。もっともこれは鶏の話で、女性の場合は、胸と腿、どちらを選ぶか……まろやかにしてふくよかな胸と、じっとりとしてむっちりとした腿……ううむ、どっちにしようか……迷う……<どっちも手に入らないんだからどうでもいいだろ

 だから鶏の胸肉は、脂をおぎなってやるか、逆に脂がないのを利用するか、どっちかですね。
 まず脂をおぎなう方。鶏胸肉に塩胡椒して片栗粉をまぶし、低温の油でじっくり固めに揚げる。表面がかりかりになるくらいに。いっぽうフライパンでネギ(かなり大量)と唐辛子のみじん切りを炒め、しなっとしたら醤油と酢をそそいで煮立たせ、このソースを揚げた胸肉にかけて食べる。栗原はるみの本に出ていた、「揚げ鶏のねぎソース」が好きです。
 いっぽうさっぱり派としては、2ちゃんねる料理板で有名な「鶏はむ」ですね。鶏胸肉にどっさりと塩をすりこんで、ジップロックかピチットでくるむ。なければサランラップでもいいです。これを冷蔵庫に二日ほど放置。すると肉から水分がしみ出て、肉がしまってきます。胸肉がちょうどおさまるくらいの小鍋でお湯を沸かし、沸騰したら鶏肉を放り込む。再度沸騰したら火を止め、そのままさめるまで置いておく。これはとにかく、肉をゆでるというより、余熱で肉の中心まで熱が通るようにするのが肝心です。さめたら肉を取り出して冷蔵庫で冷やし、薄く切る。外側が白っぽく、中心がピンク色だったら成功です。ぜんぶ白かったらゆですぎ。
 塩に加えて、カレー粉、豆板醤などをすりこんで味のバリエーションを変えるのも楽しいです。

 腿肉は電子レンジで調理してしまうのが簡単で好き。
 いちばん簡単なのは、軽く塩をしてネギの先っぽやショウガのかけらと一緒に深皿に入れ、日本酒をふりかけてラップをし、電子レンジで七分ほど加熱。即席の酒蒸しです。これをそのまま食べてもいいし、皿に残ったスープにマスタード、醤油、片栗粉を混ぜてソースを作り、かけてもいい。あるいはマスタードとケチャップをまぜてチキンナゲット風味にするか。ぽん酢であっさり、というのもいいよ。
 みそケチャップ風味もいけます。みそとケチャップを半々、みりん、醤油、おろししょうがを少々混ぜます。これを腿肉に塗りたくって十分ほどおいて味をしみこませ、ラップをして電子レンジで加熱七分。これも栗原はるみからのうけうり。

 独り者へうへうとして鶏を食う   虎玉


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