いまだにダイナマイトの使い方がわかってないのにここまで来た自分を誉めてあげたい。
イヤボーンの後遺症か、咳き込みよろめくニーナを連れてバイオ公社へ。
もう何も驚きますまい。教えたガールが当たり前のように公社の中で店を開いていることも。書類が散乱したりガラスが割れたりモンスターがうろついたりの殺伐とした環境で当たり前のように従業員やガードマンが執務していることも。主任研究員とやらが「や、何かありましたか……」と、前作ＢＯＦ４でニーナ王女の姉さんにおぞましい改造手術を施した博士に口調が似ていることも。
しかしニーナの秘密には驚きました。主任研究員いわく、
「や、その試作品はすでに出荷したはずですが……や、なにか動作不良でも？ ……や、いけませんね。換気肺がこんなに汚れている」
なんとニーナは、大気汚染を食い止めるべくバイオ公社が総力をあげて開発した改造人間だったのです。バイオテクノロジーの力で肺細胞を極限まで増殖した換気肺をとりつけ、あまった換気肺が背中から露出している大気浄化人間。そう、翼が退化したように見える背中のアレは、じつは体外に露出した肺だったのです。
体外に露出した呼吸器官……たしかそんな生物が実在したような気が。そう、昔ブームをまきおこした、あの両棲類……。
主任研究員の話によると、ニーナは試作品なので、ガスでいちど汚れた換気肺はもう元へ戻らないそうです。ううむ、改造人間のうえに使い捨てであったか。うちの千八百円の換気扇だって、フィルターの交換や換気扇の洗濯くらいできるぞ。
そんなわけで、これ以上汚れた大気のもとにいるとニーナは死んでしまう。この地下世界を抜け出すしかニーナの生きる道はない。
「君を、空へ……」
そんなわけでうねうねと上昇する。
バイオ公社の上はなぜか氷結通路になっており、それを越えてさらに工業区へ。ところがそこで邪魔が入った。
「まだ死んでないの、お前」
その言葉そっくりそのまま返すぞ、ボッシュ。てめえ、龍の力で瞬殺されたんと違うのか。
「お前、もう終わってるよ……頭の中に変な声が聞こえたりするんだろ？」
たしかに龍とか妖精さんとかと仲良しで、ふつうに歩いているだけでもＤカウンターとかいう龍の力が増大して命を削っている（約二十時間後には窮死する計算）主人公だけど、お前に言われたくないわいこの糞ボッシュ。ああ、ああ、どうでもいいところで登場してご託宣を垂れるところなんか、ＦＦ８のサイファーやＦＦ１０のシーモア老師にそっくりだぜ。うっとおしくてナルシーで弱い馬鹿ボス。
ボッシュの後には女上司はじめ、レンジャーの精鋭がずらり。おまけに変な巨大ロボットまで繰り出してくるが、苦労しまくってなんとか全部倒す。苦労したのは龍のせいだ。なんか語りかけてくるだけで、ぜんぜん助けになりゃしねえ。せめて変身させろよ使えないな龍。
そんなわけでレンジャー組織は壊滅したが、当のボッシュは恐怖にかられ、かつての部下に斬り殺される女上司をも見捨てて逃走。経験値にもなりゃしねえ糞ボッシュ。そういうところはサイファーにそっくりだな。
とりあえず女上司がご臨終あそばしているので、退職金代わりに持っている剣をぶんどる。最強絶命剣とかいうスキルがついていてけっこう使える。紫音剣というらしいが、「しおん日々想」とはあまり関係がないものと思う。この剣の説明で、あなたに名前があること初めて知りました、ゼノ隊長。もう死んでるけど。
さらにうねうねと上へ上へ。工業区から商業区、さらに水没商業区を越えて反政府ゲリラ組織「トリニティ」のアジトへ。
反政府組織って、リンの脳内組織じゃなかったんだね。リン以外のメンバーって、はじめて見たよ。はじめて見たその時が貴様らの最期だったけどな（凶悪）。
だって向こうが悪いんだもん。ニーナを奪おうと襲ってきたんだもん。正当防衛だもん。というわけで反政府ゲリラ組織壊滅。
われわれ主人公に逆らう組織はすべて壊滅する。ゲリラとレンジャーがそろって壊滅したので、地下都市はずいぶんとアナーキーになったことでしょうな。
ひとりだけ生き残ったボスを脅迫してキーを奪い、さらに上層のライフラインへ。ニーナを空へ。そしてニーナを助ける。ニーナの命を救うためだったら、レンジャーやゲリラや罪もない住民を皆殺しにして悔いることなし。これでこそＲＰＧの主人公。
そういえばここまで来る途中でレンジャーでもゲリラでもない、変な野郎も何人か殺したっけ。弱いんでよく覚えてないや。なんでも非合法活動専門の「ネガティブ」とかいう組織だそうだが。ひょおぉぉぉえぇぇぇぃとか妙な叫び声をあげながらふらふらと揺れていたあの姿は、ネガティブというよりアブノーマル。ＢＯＦ３に登場する龍の神様にも似ていたような気がするのだが、ま、あんなのにとっつかれたらそら命も削られるわな。