5.君と空を見るまでは

 またじわじわじわじわと話を進め、ようやくニーナと再会。おおおニーナ、おまえを二度とは離しはしない。許して尽くしてそばにいて。おおおニーナ、もし今なら、お前を二度とは悲しませない(ゲームのストレスが溜まったための懐メロ初期症状)。
 そこからうろうろしていると、いきなり武装ゲリラと遭遇。ミンキーモモの怪盗レッドキャットもどきのその風体、見覚えがあるぞ。主人公の乗るリフトをふっとばした犯人だな。リンというらしい。
「われわれはこの腐りきった世界を変えるために、その娘を必要としている。レンジャー、その娘を渡せ。おまえには彼女を救えない」
 といきなりなお言葉。
 しかし、「われわれ」って言っても、おまえ以外のゲリラを見たことないぞ。統率力皆無か? それとも脳内組織か?
 当然ニーナはリンよりも主人公になつく。なつくというよりも、このうさんくさいレッドキャットもどきのいつバズーカやら手榴弾やらぶっとばすかわかったもんじゃない脳内ゲリラよりは、まだしも数時間同行した主人公のほうがマシと判断したものであろう。口はきけなくても頭は明晰であるニーナ。するとリン、手のひらを返したように
「しかたない、手を結ぼう。この下層地区を出るまでは」
 とのたもう。おい、あんたんとこのゲリラ組織には方針というものがないのか。
 なんかこのリン、この高飛車な態度といい、軍事バカっぽい言動といい、なんとなくBOF4のアースラを思わせる。
 そういえばシッポがあるところも似ているかも。ううみゅ、しっぽ〜。しっぽしっぽ、しっぽよ〜、わ〜ら〜し〜の〜しっぽよ〜、好きとゆ〜う〜かわり〜に〜、しっぽが揺れるの〜(リンプー、アースラと綿々と伝わるBOFシッポ萌えの第二期症状)。

しっぽのきもち

 そのころレンジャー本部では、ボッシュがバイオ公社の積み荷を失ったことを上司に責められてぶるぶる震えていた。ざまあみろ。
 さらに上司は、ボッシュに積み荷の処分を求める。
「それがどのような姿をしているとしても……完全に処分するのです」
 やっぱりその積み荷って……。

 深い深い廃棄坑からの脱出にようやく成功し、やっとローディ(ろくでなし)とジャンク(がらくた)の街こと最下層街にたどりつく。ああよかった。なにしろ未鑑定の武器やら防具やら、モンスターから奪ったぬいぐるみやら(それにしても、ぬいぐるみを奪われて激怒するモンスターというのもいかがなものかと)を持ちすぎて、傷薬を持つスペースがすでになかったのだよ。さっそく鑑定して装備したり売り飛ばしたり。
 そこからリフトで元の街に戻ろうとしたのに、ああそこにはボッシュが。
「俺はこんなところでつまづいてるわけにはいかないんだ。俺のエリート街道を阻むな」
 ああ叱られてもなんにも変わっていない。相変わらずそうですかこの糞エリート。ニーナをかばおうとした主人公を刺しちまいました。おまえはそういう奴だよな。

 当然のむくいとして主人公確変。アジーンとやらで龍に変身しちゃいました。劫火の炎に焼かれてボッシュ瞬殺。だからよくわかっただろ世界を支配するのはお前でなくおれだってことを。
 さようなら成仏しろよボッシュ。お前の世界征服の志はちゃんと継いでやるからな。すぐに忘れるよ君のことは。もう出てくるんじゃないぞ。くれぐれもFF10の変な髪型キザ老師みたいに何回も何回もつきまとうんじゃないぞ。
 そしてわれに返り、「おれは……何だ?」とハカイダーのように悩む主人公に、リンは告げるのでした。
「ニーナのことを知りたければ、バイオ公社の研究棟に行くしかない」
「おれのことは?」
「あんたのことなんて知ったこっちゃない」


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