幼稚園その3

もうひとつは、たったひとつだけ覚えている自分の記憶です。
黒板に一人で絵を描いていました。
絵は女の子とか動物とかそんなのではなくて、家を立体的に描いて周りに庭とか門とか植物とか、こんな家いいなあと 夢想している事をどんどんひたすら増殖していく・・という類のものでした。
描き上げてトイレ(だったか)に行き戻ってくると先生の「この絵描いたのだれ??」という大きな声が聞こえました。
黒板に描いてしまった私は「まずい」と狼狽え「怒られる・・」と身を固くしました。
でもちゃんと言わないと・・・とドキドキしながら小さく手を上げたのです。
すると先生は
「本当??すごい〜〜!!上手ねえ」
と何度もおっしゃったのです。
私は怒られなかった事にほっとしたと同時に
「絵上手なんだ・・・」
とその時はっきりと自信と自覚を持ったのでした。
もちろん先生はほんのお世辞のつもりだったのかもしれませんが、おかげで臆することなくのほほんと絵を描き続ける事ができたような気がします。
そんな訳で
「やっぱうまくないじゃん」
という厳しい現実にぶち当たるのは、大人になってからの事でした(遅・・)

おしまい

戻る