(Last update: Dec. 10, 1999)
ヴァイタルガーターに前方の機雷を掃討させていたリヴァイアスだったが、
ヴァイタルガーターからの連絡が途絶する。
たまたま傍受できたヴァイタルガーター内の言い争いから
ヴァイタルガーターチームの反乱が示唆された。
いよいよ激しくなる敵の攻撃を避けるべく、
リヴァイアスは
ヴァイタルガーターとの再会合放棄を覚悟して軌道変更を ──
ネーヤの使い方はかなり難しい。主筋に絡ませれば御都合主義扱いされることは間違いない。
前回のようにギャグ回しに使うってのもありだとして、
今回のように「耳を塞ぐ」という使い方はなかなか面白かった ... まさに『歌う船』。
それ以外の点では、「ピンチになったらネーヤが助けてくれる」といった論理に
ハマりこむこともなく(それをちらと思い浮かべさせることもなく)
マトモなストーリーになった。
人物配置も安定し、各人を描きこんできたことがようやく生き出して、
ちょっとしたしぐさがかなりの意味をもつようになり退屈しなくなったってのが
基本的には大きい。ようやくノってきましたな。
勝手に動くと怪しさ大爆発だったリヴァイアス、いつのまにか
えらく素直な船になっちゃって。
この展開ではちょっと使い辛いが、
ブルーが船の軌道を変えないよう命令を下した瞬間に
勝手に船がミサイルから逃げ出すと面白かった ── つーてもギャグにしかならんかな?
えらいっ、可愛い、格好良いっ!
昂治の進言とはいえそれを採り入れたのはブルーの責任、そこから万策つきて魚雷衝突ん時に
自決するつもりで銃を頭にあてたところは
責任というものを知っている。
ついでに眼をつぶって顔を歪めたあたりがやっぱり可愛かったりもする。
昂治の進言だけでは誰も動けず、決断を下したのはブルー。
ヴァイタルガーダーの反乱を真っ先に直視したのもブルーだし。
「艦長」ですねぇ。格好良かったっす。
クーデター演説の時の論理、文章の取りまとめはリアルタイムな処理としては上手かったが、
戦時の能力についてはけっこう脳ナシであることが判明しつつある。
万事休すな状況下でやるべきことは昂治を責めることじゃない。
それは自分の脳の無駄使いで、ついでに昂治の脳の無駄使いを誘うものでもある。
もっとも、平時でもことごとくブルーに「どうします?」と訊いてた脳ナシではあった。
ま、とりあえず官房長官としての才があれば副官はつとまるか。
ブルーの軌道維持命令への反応は一番早かった。
いいかえると躊躇なしにブルーに従えってもいいと無意識に持っているほどの
ブルーの才覚を感じている、ということでもある。
ルクスンを放り出した時にきっちりフォローし、
ついでに子供の面倒を押し付けたのは気配りな人ですねぇ。
平時なら十分に艦長できるんだろうけど。これからの成長に期待しよう。
... 実は本当にただのバカだったのですね。なんでこいつがここにいるんだ?
信じる気は毛頭なくても、祐希から見れば昂治達が頑迷に軌道を維持するのは予測がつくし、
昂治もまた祐希は信じるには値しなくても積極的に昂治を見殺しにはしないと。
なかなか難しい relationship を上手に描いてたんだけど、なにぶん
あまりにブルーが格好良かったので話が割れてしまった。
いらんしがらみがない分だけいくみはうまく祐希を操縦できてるし、祐希の抵抗感も少ない。
技術力と判断力を兼ね備えた祐希、
精練された問題解決能力をもついくみ。
こいつらたしかパイロット組の首席と次席、これがうまくコンビ組めるというのは
リヴァイアスの財産ともいえそうだ。
単なるタイコもちと化していたファイナだったが、
珍しく自分の意見というものを(ファイナにしては長々と)述べた。
内容的には昂治あたりも言いそうなことで、あんまり面白くなかったけど :-)
「わかるかよ。疑問ばかり言うなって」
疑問をもつことは大事だ。ただ、それが何の役にも立たないこともけっこうある。
疑問を投げかけることは、それが注目すべき点だと他人にアナウンスする効果をもつが
そこで思考停止するという宣言でもある。
「いま何を考えるべきか」ということに思い至れば、
何を尋ねることが意味があるか、あるいは無いか、ということも決まるだろう。
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