『ノワール』 #13 の感想


粗筋
ふと買ったスケッチブック。 河辺で写生でもしようかとの絵描きは自分を外人部隊に居たと霧香に告げる。 自分には結局そこにしか居られないと、 再び戻ることを彼女に告げた。
概観
えーと、もしかして久しぶりの霧香主役? 内容もハイレベルで、ビデオがヘタってから萎えてたのが思わず感想書き再開しちまったい。 ビデオの巻き戻しがまだ恐いとかいろいろあるんで、内容が薄いのはかんべん。
コンテクスト
都合 4 本:
  1. ガレのミレイユへの復讐: どこからみても単なる脇筋。
  2. ミロシュの語り: 脇筋(にしてはちと表にでばってる感があるが)
  3. 霧香がミロシュから受け取ったもの: 主筋
  4. ミレイユの霧香への忠告: 予定調和用の骨格
なのは当然として、2. のうちのミロシュの一人芝居(霧香の絵を褒めるやつ)が笑えました、はい。 単なる修飾符だけど、なんともよく効いてた。

霧香〜ミロシュの話と、ミレイユ〜ガレの話がどう交差するかってとこで、 もうすこし平和な展開を想像してて、 ミロシュが外人部隊さんなんで、ガレに襲われても即応できるだろうというか、 即応できるのを前提としたうえで話作ってくるだろうと思ってた。 ミレイユの忠告からみてミロシュは死ぬんだろう、ってのはあったけど、 こうも無抵抗に死んじゃいますか ...

ミロシュは霧香の名前を聞かなかったんで、 霧香が反射的に出した銃をミロシュに見られて、でも、なネタはあると思ったし、 それが中心になるだろうとは思ったけど、 まあ、確かにベタに霧香が背後から狙われて、それをミロシュが気づいて突き飛ばして自分が撃たれる ── なんつーことしたらちゃぶ台ひっくりかえしたろうけども。

作話上、霧香に関して「他人の助けなしでは命が危なかった」 という状況を作ってはならないという制限(ルール)ぎりぎりをつっぱしってるわけだけど、 今回の話、このテのルールぎりぎりってのがけっこう多い。 急カーブにまがりくねった山道を駆け降りるようなシナリオであった ...

ミレイユかーさん
スケッチブック眺めてるとこで、「欲しいの? じゃ、買ってあげる」... という展開しかありえんぞ?? と思っていたりした。この場合、殺人代行の料金はミレイユがぜんぶ管理してるってことになるので、 それはそれでちとナンだが。

スケッチブック買うだけでもミレイユの後押しが要ったこの時と、 ラストでちゃんとタイル買ったことへの流れというのか、霧香の成長(でも幼児レベル ...) の表現がとても綺麗。

絵の描き方
下書きなしのぶっつけ本番 ... できなくもないこともないこともない、の?
ほめ方
「独特な絵を描くなあ、俺のはあまりうまいほうじゃないが、君のはもっとすごい ...」
なんつーか泥沼というか。

「佳い絵になったじゃないか、味があるよ。大胆な ...」
意味するところはほとんど変わらなくても、上品な(?)語り口で。 ええ人やなあ、つうか、霧香とのつき合いでなに学んでんだ ...?
反抗期
「えぇ?」
不服そうな ... 最初の一回は頷くだけは頷いたのかと思ってたんだけど、 良く聞いたらちゃんと反抗してた。どこまでも素直なやつ ...
「どうして?」
初期の「ん」と最近の「はい」しか返事の variation もなかったんだけど。 分かってても分かりたくないというか、分かる気がないというか、分からないということにしておいても ミレイユかーさんは見捨てない、呆れないという甘えもこめて、反抗期。

ミレイユも答える気はなく、すぐに話は逸れたのが親心?

チェコとスロバキア
「どっちだかわかんねーや」って、自分とこに長いこと戻ってないってのはともかく、 さすがに区別つくんでないの? それほど人的流動があったとは聞かないし ...

外人部隊さんが東ヨーロッパ出身な人が多いてのは初めて聞きました。すいません勉強不足で。
それに『エリア 88』だと西ヨーロッパ出身な方々が多かったような気がする。 空軍はまた別かな? どっかの空軍に属してないといけないし、辺境だとまともな空軍なかろーし。

タイル
ふつーにみてプレゼント ... なんでしょうねぇ。 「代わりに買っといてあげたよ」ってことはなかろう(をい)。

いまどき絶対になさそうなシーンでしたが。

外人部隊
外人部隊に居た位では日常で襲われたりするのに対応できない、というのか、 「一般人」が霧香やミレイユ達の抗争(?) のまきぞえくって死んじゃうってことはあるとして、 でも、ミロシュのようなそれなりのプロであっても霧香達の水準に遥か届かないということ ── どんな人であっても自分達の側に置いてはならない(外人部隊の人でもダメだった)ということ ... ミレイユの言う「だからダメだって...」への対抗の希望もへったくれもないような結論にしかならない。 ん、重いっす。
ED への入り
霧香の絵で BGM も止めて ... (嘆息)
なんで 2 話単位で売るんだよぉ、3-4 話単位で詰めてくれれば DVD 買うのにぃ。 13 枚も買えるかぁ!

奇数話-偶数話の組ってのもヘン。8-9, 10-11 と組んで欲しいなあ。 12-13 話の組なら買えるけど、14 話の出来次第ってか。

今回、この一言
「君の名は?」
このシーンの本筋であるところの、 自分の名がない、とりあえずの名も答えられないという アイデンティティに絡む部分がどこまでも響くというのを脇にのけておいたとしても ──

人とのかかわりの最初のとば口にくるこれに答えられない、というのは強烈だ。


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