『ノワール』 #6 の感想


粗筋
一人の老人を殺してくれという依頼。ふとしたことから知り合ったその老人を、 ミレイユは「どうする?」と霧香に尋ねるのに、何かを振り払うように「やる」と答えた ──
概観
... 今この場所に挿れる話かぁ? というギモンのことを考えなければ、面白かった。 てのはつまり、#5 と #6 の位置を逆にしてくれってことだが ...
だって本筋がすすむんだと思ったんだもん。

それと、ある意味ふつうの、つまり感情の発達とともに相手に向けて 撃つのを躊躇するというような、定石的な造りの話を『ノワール』に対して期待はしない。 ンなもんそのへんの夕方の時間に流す話に任せればよろしい。

細部の造り込みは『ノワール』としてもピカイチだったかもしれないが。

霧香の返答
後味の悪い仕事には違いない。ミレイユの気遣いに対して、でも霧香は「やる」と答えた。 もちろん「やる」以外の答えは無いところだし、 霧香のレゾンデートルとアイデンティティの全てを賭けても「やる」としか答えられない。

したがって、どれほど後味が悪かろうと、撃つ前に躊躇しようと、 霧香の心の傷となったりはしないと思うがどうだろうか?

今回の仕事は心への負荷にはなっても、後を引くにしても、 そのすべてを引き受けるつもりで撃ったんだから、 「心の傷」というのとは違う ── と思う。うまいこと説明できないけど。

ミレイユが尋ねなければ、流れ作業的に仕事してれば、 「心の傷」というのに相応しい状態になったかもしれないが。

... 個人的には 意思の再確認という作業にあまり存在意義をみとめないタチだが、 それが命運を分けることもあると。 そのあたりの条件設定と感情の描写は実にシャープでした。

霧香とミレイユ
霧香主役の霧香しかみるとこない話にして 意外に書くことないのは、「人の子」として描写されたからだろう ...

それパリに連れてくのか? と怒ったとことか、部屋覗くとことか、ミレイユすっかり 母親になっちゃってまあ。

今回、この一言
「...」
いや、その、撃つ前の沈黙んとこだけど(^^;;
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