"こみっくパーティ" #3 の感想


粗筋
即売会当日。和樹は由宇のアドバイスも入れて無事 7 冊を売った。
俺の話を読んでくれる人がいるんだ ── と彼は呟いた。
概観
新人さんがいきなりオリジナルで 50 部だか刷って 7 部売った。 ん、よく売れたんじゃないでしょーか。

売り手側の初歩的心構え一覧、みたいな話だったけど、でもこー、なんつーか、 「ああ、ええ話やなあ、俺も売ってみたいなー」てな感慨が出て来ないのは何故だ。
本でもなんでもいいがともかく即売会で何かを売ったことのある人種には たぶん共感するトコがあったんだと思うが、それが伝わってこんな。 細かい即物的なノウハウと原則論と両極端で、それがうまいこと繋がってない?

買い手として
即売会でオリジナルを買うのは恐いです。二次創作は最低ラインが引かれるのと、 母数が多いので上澄み狙えばそれほど大外しがない、というのにくらべれば。 数が少なく玉石混淆状態のうえに元々の敷居が高く、 下は本気でゴミだが上のほうの連中のレベルは高い ... はずなんだが jackpot に遭ったことないのがナンかも。

まー、ポンと置かれたオリジナルを手にとって見てみる気は、確かにしない ...
由宇は「売る気」として表現してたが、そも「読んでもらおう」という気が全く感じられんもん。

描きたいものが描かかれている「だけ」なら、わざわざ読む必要はまったくない、 描いたこと「だけ」に作者は満足していればよろしい。 他人が時間潰してまで(読者として)それにつきあう必要はない。 出版物として存在し、それを配布するという時点で、 「描きたいものを描く」だけでは論理の輪が閉じなくなる。それを忘れちゃだめでしょう。

和樹もハマってたが「描きたいものを描く」 を金科玉条のように掲げるのがけっこう多くてヘキエキしたりする。 ここで大志による軌道修正がかかったってあたりが、脚本屋さんの教科書的なとこかな。

次回予告
今回の話を観た時に
「そも刷る金よくあったなぁ、資金回収するつもりぜんぜんなかったようだし」
と思ったんだけど、そのへんはちゃんと次回フォローされるらしい。 なんか不思議なほど隙のない組み立てだな。これ、そのまま同人屋入門の教科書になるんじゃないか?

漫画の印刷ってきっと活字ばっかの本の印刷よりページ単価は高価くつくんでしょ? 由宇も言ってたけどトーンが潰れんよう注意せんとあかんし。 あたしゃ写真の印刷のガンマ対策用レタッチで死にました。 全ページあんなことをやってたんでは身がもたん。印刷屋は日本語が通じへんし (をい、私怨入ってるぞ ...)。

今回、この一言
「7 人も俺の漫画を読んでくれる人が居るんだな ...」
忘れちゃいかん、基本中の基本。もっとも実際にはこれをひっくり返した 「誰も読んでくれナイ ;_;」という形で記憶されることが多いため、 positive な表の形で思い出すことは少ない。はふ。

印象に残るというだけなら大志のや由宇のが上かもしらんが、 さすがにこれは避けて通ったら嘘になりそうなので。


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