"こみっくパーティ" #2 の感想

ver 2.0 (Apr 16, 2001)

粗筋
同人誌制作に誘われた和樹。〆切は近い。 ふと昔どうして絵を描いたかを思いだし ──
概観
創作に対する基本的な態度が気に入らない。以上。
オリジナルと二次創作への態度
「最近のアニメとか知らないし、オリジナルかな ...」とある意味で不用意に つぶやいた和樹に対し、二次創作を勧めること自体は構わない。 確かに要求される力量の格差は凄まじいものがあるから。 が、ここで大志が
「これ(二次創作)でよいではないか!」
と即断したことには非常に強い嫌悪を感じる。 たしかにフォローはあった。
「(オリジナルは)作者の実力、個性がモロに出る分野!」
これで何がマズいんだ? 裏を返せば、つまるところ二次創作屋さんというのは、 「作者の実力、個性は箸にも棒にもかからん連中」ってことになるが、 大志にせよ由宇にせよ、それでええわけね?
「名もないポッと出の作家が売れるもんやないでぇ〜」
裏を返して「まず売れないことには話にならない」。 そーゆー連中が多いという事実はともかくとして、 原作への愛情とか敬意とか言うのはどこへ行った?

この脚本を書いたのはオリジナルしか書いてない(訳ではなかろうが、本分はオリジナル) 人達であるということを考慮にいれて読み直せば 「オリジナル」に対する強烈なプライドを感じとることができる。 つまり、

作者の実力、個性がモロに出る分野で勝負できる力を自分達は持っている
ということであり、
その中で十分に売れるものが書けている
ということだから。

これは もう一度裏を返して、二次創作に対する痛烈な蔑視、ということでもある。

何も知らなかったとはいえ、オリジナルを志向した和樹に対していきなり

「これでよいではないか!」
と足を引っ張ってどうする? それこそ「自分の価値観を押しつけ」てないか? こと同人分野でオリジナルが二次創作と比して圧倒的少数派であることを思えば、 一般人の瑞希が由宇に対して押しつけようとした「一般的価値観」 と同じ構図が現われる。
「このようなキャッチーな絵で客を集めつつ、おのれの求める本当の作品を 書く、これぞ戦略的計算、ある意味、大人の発想よっ」
しつこいようだが、 こういう発想は否定しない。素人の和樹に対して大威張りで主張することかどうか、 という点を問題にしてる。 少なくとも大志は和樹を泥沼に引きずりこんだことについて責任があり、 その意志をあるていど尊重する義務を負うんだから、 和樹の「子供の発想」に付き合わないといけないし、 そういう描写を省略しないで欲しい。
今回、この一言
なし。
4/11 補足
こみパ #2 について。

前半あまりに腹立ったんで後半はロクに見てなかったが、 ラストの意味が ... これ、もしかして感想すべったかな。

和樹の描いたものがオリジナルか、あるいは少なくとも 「描きたいものを描く」という原理原則を押し通した、 大志の「これ(キャッチーな萌えな話)でいいじゃないか」 に対するアンチテーゼとなっているのなら、この話が語ったことはもう一度ひっくりかえる。

大志が「現実、現状」を象徴し、和樹が「本筋」ってことになるから、 脚本屋さん達の気分はつまり二次屋さんに対して

「もすこししっかりしなさいね」
ってことになる。... ん〜、こーゆー感じで押してくれるならけっこ良いなあ。 てわけで録画枠復活、次回次第。


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