『カードキャプター さくら』 #33 の感想

(Latest update: Dec. 5, 1999)

粗筋
今日はアイススケート教室だ。 昨夜泊まった雪兎と桃矢の手によるお弁当を抱えて さくらは皆と学校からバスでリンクに向かう。
インラインスケートとは少し違うアイススケートに戸惑いながらも、 昼過ぎには持ち前の運動神経でだいたい滑れるようになった頃、 ゆっくりと気温が下がっていく。そしてついに皆が氷漬けになって ──
概観
ストーリーとしてのまとまりは決して良くはないから、この話の良さを伝えるのは難しい。 ただ、こういう話こそが『CC さくら』の持ち味の生きた回なんだろう。

冒頭部分で、雪兎が泊まることになり、 夜遅く雪兎と顔を合わせるためにお茶を沸かしたところで桃矢にお茶を運ばれ、 桃矢の部屋を訪れる口実がなくなってがっくり来たところで 雪兎が部屋から顔を出して 肩を落として階段をのぼりきったさくらにお茶の礼を言う ──

この、ごくなんでもないようなシーンのさくらの感情のリズムの乗せ方が 非常に綺麗な旋律になっていた。

さくらのスケート
インラインスケートからのフィードバックがあるんだから、 「持ち前の運動神経」よりもなお早く習熟するのは分かっていた。
で、そのプロセスの描き方だけど、 ううん、苺鈴の若干手抜きな描写に比べると丁寧だなあ ... さすが主役。
BGM
さくらが氷上にでるとこで "Cathe You Catch Me" (の 2 番か 3 番?) がかかったのは ちょっと違和感があった。まだロクに滑れない段階だったから。

直後の一連のシーンは BGM に合わせてコンテが切ってあるような雰囲気で合ってないこともないんだけども、 「そりゃ違うだろ?」という感は拭えなかった。

アイキャッチ、ED に入るリズムもわずかずれた。 アイキャッチは半呼吸早いし、ED は逆に半呼吸遅いと思う。 今回の音響ヘタ。

観月歌帆と李小狼
魔力を持つ者のみが凍らされていない、と。観月が少しなりとも魔力を持つことは メイズのカードの事件の時にさくらと小狼は知っているんだから、 ここで観月先生は凍っていないことに思い至らないといけない。

もし観月先生も凍っている場合には、自分達も安全とは言えないということだし、 実際、気絶したさくらは凍りかけたんだからさほと安全ということもない。

いずれにせよ、観月が凍り付くまでには他の人達とは時間差があったはずであり、 したがって小狼は物事が終わったあとにもう少し観月の言動に注意したはずだ。 ... という訳で、もう少しそういう描写が欲しかった。 いちおー小狼はちゃんと観月をマークしながら滑ってんだし。

そういえば、小狼がさくらを眺めている(意識している)シーンがうるさいな。 今回、小狼がカード封印前後に考えなければならないことはむちゃくちゃ多い。 その中にはさくらが焦点となることもあるけど、それ以外のことも多いんだから、 ちゃんとそのへんなんとかしておくれ。

スケートの滑りにはちゃんと小狼風というか、 個人毎にそれなりの癖が描写されてるとこが芸が細かい。

上手に滑ってた観月だけど、 さくらがラストで飛ばなかったのは NHK だからいいとして、 観月の滑りのシーンでは当然ジャンプかスピンを決めるもんだと思っていた ....
観月の滑りは綺麗な滑りではあるけど、あんまり楽しそうじゃないぞ。

カードの封印
氷が風のように流れたら叩こうかと思ってたら、 いちおうちゃんとしてましたな。なんせ封印劇に入ったとたんに ふたりの滑りの描写が荒くなったからねぇ。
ケロちゃんにおまかせ
冬の体操服の紹介 ... はいいとして、 小狼とさくらが一見、手ぇ繋いでモデルやってるように見えたのがびっくりだった。
ぜーったいわざとだ、このカメラアングル。
今回、この一言
今回はセリフで魅せるシーンはない。つう訳で無し。
だからといって今話の価値が落ちる訳ではまったくないのは念のため。
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