『機動天使エンジェリックレイヤー』 #15 の感想


粗筋
白姫と鈴鹿の試合は一瞬の攻防でケリがついた。ごく僅かの射程の違いが、ポイントの僅かな差、 そして致命的な差となって結果に現れることになった ──
概観
あうぅ、なんか絵がすごくヘンになって行く、しかも動いてない ...
ついでに中身もない。ラストの最の言葉くらい?
城之内最と斉藤楓
楓に比べ最のキャラ造りが薄い ... つーか楓が贔屓されてんのかな? なにかが変わる時にみさきを除く他の人の助けを借りたキャラは無い。 助けになったほうのキャラもそんなに多いわけでもなく、楓は久しぶりにそういうキャラの仲間入り。

で、最のほーだが、妹を亡くしたってのとレイヤーで「強くなりたい」って、 約束のたぐいだったら嫌だなあ。代償としてもかなり嫌だけど、 ええと、そういえばまだそういうキャラは出てきてないのか ... いまさらそういうありがちな展開つくってもと思うんだが ...

白姫 vs 鈴鹿
どーせスローで再生すんなら本番は見えなくていいとは前にも書いたな。 本番で動きが見えてしまってるので、解説者や観客の「え? 何がどうなったの?」に感情移入できないっす。

ふたりとも全国有数の使い手みたいな描かれ方なんだけど、 したら、しょっちゅう戦ってる間柄じゃないの? なんか初手合みたいな試合になってる。

関東大会から何人全国に行けるのか知らないけど 鳩子は前回ん時に全国大会準優勝ってことなんだから、 最が別の誰かに負けたんでなければ関東大会か全国かはともかくどこかで鳩子に負けたことがあるわけで、 その手の会話がゲーム前にあってもよかったと思う。

達人同士の試合は短い
... という話は良く聞くが、ほんとかなぁ?

たとえば柔道の全国大会の TV 見てても技の掛け合いが異様に短いという印象はない。 力量差がせってんだから、ポイント差勝負にしようと非常に細かい(かつ長い)勝負になってると思うし、 他の二人ゲームもおおむねそういう傾向にあると思う。 大味な一発勝負なんてど素人の世界にしかないんでないかな。

そもそもですね、上達すればするほど直接対決時間が短くなる、が普遍的な真理だとすると、 二人ゲーム(ボクシング、レスリング、テニス、将棋、囲碁 etc.) でのプロの興行なんてものが存在できないです。

友達の三箇条
  1. 嬉しいときも悲しいときもなんとなく一緒にいること
  2. たまにはガツンと言うこと
  3. 迷ってる友達の後押しをすること
前二つはともかく、ラストへつなげる流れが強引すぎる ... 萩子さん素直でええです。
直前の流れからしてみさきと会わせる方向にもってこうとしてるのは分かるのに、 そんなのも気にせず素直な御言葉。どーも撫子さん@CCさくら と少しかぶるっつーか、 健康だった時代より精神的に若くなってるような気がする ...
ヒカルの弱点
みさき本人がのたまうように、ヤマほどありえるのでどれだかわからん。

近接戦闘での攻撃パターンの少なさ (拳は顔面を横殴りに払うコースしかないし脚も腹直撃コース位) とかディフェンスが大きい(攻撃への移りが遠い) など色々あれど、戦闘場面での癖は なにしろ絵も脚本もへたれてるのでヒカルの弱点なのか脚本の弱点なのかよーわからん。

みさき本人の資質という点では、アイデアレベルと実行レベルはそこそこでも 戦術の流れのコントロールがほとんどないのが目につく ... けど、 全員似たようなもんなのでこれもちゃうやろ。

自分がみさきと試合をすることを想定するとしてどう戦うかとすると ── みさきは精神的にわりと脆いが粘りが出始めると恐ろしいほど粘る (わりと二人ゲーム系の物語の主人公にありがちな性格ですな) ので、 「がんばろう」という気を出させないようにゲームを設計することになる。

ん〜最初から飛ばして圧倒してビビらす、てのが方針になるか? 五分五分のゲーム、と思わせると極めて煩いことになるから、 五分に見えるくらいなら負けてるふりをするほうがいい。楓のゲームの中盤までのように。

要はですね、ヒカルは恐くないです。恐いのはみさきのハイパーモード ... :-)

最の言葉
「弱点だらけで勝ってこれたなんて」
気づけよ? みさきの脆さは自信の無さに由来する。
直後にみさきが答えたような、「一所懸命がんばる」だけでは ── とどかない領域というものがある。 自分自身の心が反乱を起こしたとき、それを押え込むのに エネルギーを食われないことがどれほど力を上乗せするか。 準決勝を楓に支えてもらってようやく戦っているようでは、最に叩かれても仕方ない。
今回、この一言
「勝ったよ。りん」
呟いた妹の名前がよく聞こえんかったが、たぶん「りん」?
最の戦う理由が「強くなること」ではないことを明示した、たぶん唯一の ...
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