燦々会 秋季ゴルフ&懇親会の楽しみ
平成20年7月10日 
保坂 雄
●「燦々会」は年初恒例のフグ料理の新年会から始まり、年数回のウォーキング会、ゴルフ会、懇親会等々の行事が盛り沢山で、
とても70歳過ぎの高齢者の同期会行事とは思えぬ程、伝統と活気がある同期会である。
中でもゴルフ会は仙台、小山などにも遠征することもあるくらい盛んだが、毎年秋に箱根で行われる一泊旅行のゴルフ&懇親会は、
燦々会の代表的・象徴的行事であろう。
(かく言う小生も、定年間際になり時間の余裕ができてから参加させてもらったので、何時ごろから始まったのか知らずにいるが、
とにかく楽しい会であることは間違いない。)
●この秋季恒例のゴルフ&懇親会は、ゴルフは主に「富士平原ゴルフクラブ」で行われ、メンバーの遠藤 茂君と渡辺 清次君に
いろいろと便宜を図ってもらっている。ゴルフ参加者は皆熱心で、いつの年だったか運悪く台風接近中で猛烈な暴風雨にも拘らす、
参加全員が早朝定刻に集合したが、残念ながらクローズになったこともある。
またゴルフの後、箱根の温泉宿に一泊する懇親会は、幹事の遠藤 茂君の多大の労により「日立電線箱根クラブ」あるい
「シェモア仙石」など豊富な湯量を楽しめる温泉宿が選ばれ、ゴルフに出なかった仲間も参加合流して、盛大な大宴会になるのである。
●「富士平原ゴルフクラブ」は専属プロが芹澤イケメン信雄、コースレート71.7の堂々たる立派なゴルフ場だ。
面白いのは、「箱根コース」のスタートホールのティーショットでは、原則ドライバー禁止・アイアン使用だが、女性と70歳以上は
ドライバーOKなのである。若かりし昔は皆アイアンで打っていたが、最近は堂々と(?)ドライバーを使い、後続の組の
若者連中からの「前の組は年寄り達だから、今日は待たされるヨ」と言いたげな冷ややかな視線を感じつつスタートする。
若者よ明日は我が身と知れと言いたいところ。 ●また同ゴルフ場は富士の裾野に展開されているので、グリーンの芝芽は富士を背にして順芽である。
晴れた日には、富士を眺めて芝芽を判断できるが、曇った日には富士は見えない。しかしグリーン周辺の木々に富士山マークの
看板札が張ってあるのでこれを参考にできる。ところがたまたまピン近くにオンしたときなど、バーデイを焦って看板を見るのを忘れ、
距離ノーカンのパットをして結局3パットや4パットとなったりする。空気ならぬ看板を読まないKY、ゴルフはパットで決まり、
人の一生は棺を覆いて定まるとか。人生の終盤にある今こそ「場を読み空気を読んで晩節を汚すことなかれ」との教訓に満ちたコースで
ある。
●さてゴルフを終え、車で来た人に乗せてもらい箱根に向う。御殿場インターを過ぎ乙女峠のつづら折れの急な上り坂を登るのだが、
晴れた日には夕焼け富士のシルエットが鮮やかに眺められる、運転している人には申し訳ないが、この壮大なシルエットは
とても感動的で、ついつい見入ってしまう。人生たそがれの我が身と、夕暮れ富士の雄姿を重ねつつ、来し方行く末に想いをはせる
のも年齢のせいか。
●箱根の宿ではまず温泉、続いて浴衣姿で乾杯&夕食、そして一室に集まり、杯を傾けつつ情報交換から談論風発。
飲むほどに酔うほどに、そして語るほどに話題は尽きず深更に及ぶ。東北大のニュースあるいは恩師の消息などは
当然の話題としても、盛り上がる話題には一定の傾向があるようだ。
即ち、50歳代を終る頃は孫の話、60歳代になると年金の話、続いて健康の話、これは食事・薬療・病気・手術等々。
70歳代になると新しく開拓した趣味の話と、年齢相応の展開である。
話題によっては豪く詳しい人がいて、薀蓄を傾けられて、ご講義清聴の場面もある。
●そうかと言って決して堅苦しくはない。ゴルフの疲れも出て畳に寝そべり、気分はすっかり学生時代にタイムスリップ。
島津製作所の田中耕一氏(電気工学科S58年卒)のノーベル賞受賞の年には、不肖な先輩連にとっても快事慶事であり、
「電気工学科に永久に栄えあれ」と意気高揚のあげく、某君のつぶやき「通信ではこうはなるまい」に一同爆笑。
●「日立電線箱根クラブ」について一言。以前はほぼ毎年泊まったものだった。改装前のゴツゴツした溶岩で拵えた岩風呂が懐かしい。
原生林かと見紛えるほど樹木が茂る庭には夜になると猪の親子が出た。定番の献立の干物や湯豆腐などに舌鼓。
朝になれば霞たなびく金時山や明星ヶ岳を眺めて暫しの癒しを味わう。
当時の管理人さんが「燦々会の皆さんは昔と変わらず元気ですね、でも酒量はめっきり減りましたね」と笑いながら話してくれたのを
思い出す。 
●こうした秋季恒例のゴルフ&懇親会の様子は、鈴木 敬君の手作りホームページの中の燦々会コラムに毎回掲載されている。
古い写真を眺めると、このときはこんなことがあった、あんなことを喋ったとか思い出され、また幽明境を異にすることになった友には
改めて冥福を祈る次第である。 ●東北大とゴルフの組合せは、防衛庁の守屋某の例の一件があってからあまり芳しくない。
あの直後「東北大卒でゴルフ好きとは保坂さんみたいですね」とからかわれたが、原 節雄君によると「守屋は仙台一高卒だと
言い返せばよい」のだそうだ。仙台の一高対二高の敵愾心はいつまでも続くものか。
ともあれ、我が燦々会ゴルフは、東北大卒業生の健全な姿を示す好例として、誇りを持って世に語りうるものであろう。

                                  <完>


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