〈気になる日本語〉(2006年11月10日記事)
■先頃、パソコンメーカーの電話による指導サービスを受けているとき、担当者が「スタートのボタンをクリックしていただいて
 よろしいでしょうか
という話し方をした。他の箇所でも「***いただいてよろしいでしょうかという言い方が頻発した。
 その担当者は多分サービス教育の中で、客に対する丁寧語の一つとして覚えたものだろう。(皆さん変だと思いませんか?!)
■大変耳障りの言い方なので、余計なお節介で’その表現はおかしいよ’「***してくださいでいいんですよ、言ってしまった。
■一方、先の自民党の総裁選挙のとき、麻生大臣が「***で選挙を戦わさせていただきますという言い方をしていた。
 これも、「***で選挙を戦いますでよい!。強持ての人柄を柔らかくしたつもりのようだ。
■最近は、相手に対して丁寧語、謙譲語(らしきもの)を乱発するのが礼儀だと思い違いをしているのではないか。
 しかし現実には内容の無い、空々しさが感じられ、自分の言葉に’自信がない’’ごまかし’やに解釈してしまう。天邪鬼ですかね?
 なんとも日本語として気になる表現が多すぎる。何でも「です」を付ければよい・・など。(楽しかったです)?(未熟な日本語)
■時を同じくして、国語審議会が、日本語の正しい表現について論議をしているが、これはこれで良い。
 しかし、基本的な日本語が「話せない」「読めない」「書けない」「理解できない」等、ナイナイづくしでは困る。
■11月8日のNHKの特集で、現在の大学卒の全くこれに相当する報道があった。(「クローズアップ現代」)
 工場現場で作業中にその注意書きが理解できず(差異という日本語)工程の異常を無視し製品を全部だめにしてしまった例があった。
■最近の大学生の20%以上が、中学生程度の漢字が「読めない」「書けない」「理解できない」というデータもあるようだ。
 対策として会社では、入社後「漢字の書き取り」や文章の声を出しての読む訓練を行っている所もあるという。(情けないですね)
■世はIT時代といわれるが、携帯メールはひら仮名と絵文字だらけ。しかも一日数時間も携帯とパソコン漬けで本は全く読まない
 若者に、こんなことが続けば、外見の姿形も大変に問題であるが、考える事を失った異邦人でしかない。(日本人でなくなってしまう
漢字は日本の文化の原点であり、日本語は日本人の特徴を示す貴重なものであると思う。「奥ゆかしさ」「「繊細な心配り」
 「礼儀正しさ」
等古来世界の方々に尊敬され、親しまれてきたことの大きな財産であると思う。
■英語の勉強は必要ではあると思うが、肝心の日本語がおろそかになれば、世界に冠たる日本の科学も、経済も転落してしまう。
 日本は、教養の高さで世界に伍して来て、経済大国になった。愛国心もさることながら、自信を持って更に伸びていくためには、
 表面的ではなく、湧き出る内面的な、考える日本人が数多く出ることが望まれる。
■痛ましい子供の自殺、必須科目の未履修問題、フリーター(嫌いな言葉であるが)の氾濫の原因の一つに、貧弱な日本語力のため、
 物事の本質を「考えること」の出来ない状況などがあるように思う。もっともっと本を読み、物事を深く考える必要があると思う。
 古来賢い日本人が培ってきた日本語文化を再度見直し、対策を立てる必要があると思う。
マスコミも、ドタバタの放送で知らず知らず「国民総白痴化」を助長している責任は重い。修正の仕方は難しいが、
  何とかしなければ・・と思うこの頃である。

■生煮えの暴論を書きましたが、止むにやまれず述べたことをお許し下さい。(2006年11月10日)