子宮・卵巣摘出手術(避妊手術) 2006.11.27

〜読まれる前に、ご注意ください〜

桃っちの場合避妊や子宮系の病気の防止のためではなく、
病気のため結果的に子宮・卵巣を摘出することになりました。

とてもダラダラ長い文章になってしまいましたが、同じ手術をされる方の役に立てば。。。
と思って、記憶を頼りに覚えている範囲でできるだけ詳しく書いたつもりです。。。
その結果個人差はありますが、一部生々しく感じられる表現や写真があるかもしれません。
という訳で、そういうのが苦手な方は読むのはご遠慮くださいませ。。。
そして素人が書いていることですので、あくまで参考程度にご覧下さい。

  検査・診療代ほか
11.26
(日)
ついに一番恐れていたことが。。。すのこに初めての血尿・・・真っ赤!
この日は病院のシフト表を見ると、院長が休み。なんだかんだいって他の先生ではちと心配なので、明日連れて行って
院長に診てもらうことに。。。幸い血尿は一度限りであとは綺麗なおしっこ。本ウサは食欲もあり至って元気なので
そのまま一日様子を見る。。。
 
11.27
(月)

翌朝様子を見ると元気そうで、血尿もしていない。。。マスターを送り出し、いつものように桃っちの朝ごはん
とお世話をしようとケージを見ると、すのこの下のペットシーツにまた血だまりが。。。
もう考えてる場合じゃない。。。ということで、すぐに桃っちをキャリーに入れ、病院へ。。。

院長の診察時に血尿が出たことを説明すると、「いつもより色が濃いおしっこですか?それともおしっこに血が
混じった感じ?おしっこ持ってきてますか?」と聞かれ、素人目にも明らかに”血”だったので、「シーツに吸収
してたので持って来てないです。血尿というより、ドロドロの血でした!」と言うと院長も思わず「それはまた
はっきりしてますね・・・」とちょっと驚いてました。。。

血尿でまず疑われるのは、膀胱炎と子宮の病気だけど、桃っちの場合長く乳腺炎(乳腺過形成)だったので
私も覚悟してたし、先生も子宮を疑ってる様子。。。以下は、先生と私のやりとりです。

院長 「検査をしないとはっきり言えないけど恐らく子宮からの出血でしょう。。。その場合手術が必要です。
     膀胱炎だったら抗生物質で様子をみることもできるけど、それで出血が止まらなかったら子宮だし、
     その処置をして様子をみている時間の猶予はあまり無いと思ってもらった方がいいです。。。」
私   「もし子宮だったら、抗生物質で様子を見てる間にどうなりますか?」
院長  「子宮からの出血を止める薬は無いので、どんどん出血して貧血になります。貧血がひどくなると
     輸血しながらの手術でさらに難しくになるし、さらに貧血が進むと手術が出来ません。さらに最悪の
     場合は子宮が破裂して、即死します。。。」
私   「即死ですか・・・」

言うまでも無く、早速検査をお願いしました。術前の血液検査をしてもらい(これで数値が悪いと麻酔が
かけられないので手術できない)、次に腹部のエコーとレントゲン撮影。。。「お母さんも一緒に入って下さい」
と言われ、私も見届けたかったので放射線よけのエプロンを着せてもらい一緒にレントゲン室へ。。。
まずは腹部エコーを撮るために人間みたいにゼリーみたいなのをお腹に塗られました。私と看護士さんで
桃っちを保定。。。「はっきり写らないけど、一部水がたまった感じのちょっと嫌な感じですね。。。」と先生。
次にレントゲン撮影。。。でもレントゲンの画像でもはっきり写らない。
本当はCTスキャンがあれば即わかるらしいけど、あいにくこの病院には設備が無いのでこれ以上は正直無理。

「あとは開腹してみないとわからないですが、どうされますか?」と聞かれ、「手術お願いします。」と即答しました。
マスターに相談する間もなく自分で判断して、もし最悪の結果だったら・・・と後から考えると怖くなったけど結果的
にはこの時判断して良かったということがわかりました。。。。

血液検査の結果、麻酔はOKだったので、そのまま手術の準備。
さすがに同意書にサインする時は、手が震えました。。。
準備を待っている間、桃っちは検査が怖かったのもあって私にしがみついていて、その時着ていたGジャンに
前足の爪が引っかかりポッキリ折れて出血。。。「いや〜こんな時にゴメン!!」と凹みながら看護婦さんに
応急手当をしてもらう。。。なんだか不吉。。。手術大丈夫かな。。。??

そして桃っちに「頑張るんだよ〜!」と声を掛けて、看護婦さんの手に渡してしばしのお別れ。。。
「手術が終わったら連絡しますから、一度お家に帰ってお待ちください」ということで、トボトボ自宅へ戻りました。
何かしてないと不安なので、とにかく桃っちが帰ってきたらすぐ休ませられるようにケージなどを整えて準備してる
と意外と早く電話が鳴りました。。。
「え?なんか早すぎない?何かあったのかな?」とドキドキしながら電話に出ると院長からでした。
「今、無事に手術が終わりました。まだ麻酔が残ってるので少しフラフラしてますが、意識は戻ってます。」という
ことでホッと一息。。。

「でも、今日連れて来て下さって、即、手術という決断してもらって本当に良かったです!桃ちゃんもう
軽い貧血を起こしてたので、あと少し遅かったら手術できなかったし、本当に子宮が破裂してたかも。」

と言われ、私も足の力が抜けそうでした。。。そんなになるまで気付かなくてゴメンね桃っち。。。

で、前足から入れてた点滴を抜いちゃったようで(そりゃ目の前にチューブがあったら、じっとしてないっすよ。
桃っちの場合。。。と思いつつ)とりあえずいつも食べてるご飯と牧草を持って顔を見せてあげてくださいとうことで、
マスターに報告の電話を入れてから、また病院へとんぼ返り。。。
桃っちはケージの隅っこでかなりお怒りモードで、病院でもらったご飯にも、私が持って行ったご飯にも
見向きもしない。。。そりゃそうだわね。。。痛かったもんね。ごめんよ〜

院長は午後から分院の方へ行かないといけなくて、すでに本院にはいなかったので他の先生に引継ぎされていて
手術の結果と今後の説明を聞きました。
結果は子宮蓄膿症ということで、子宮の中に血と膿がたまってパンパンに膨らんでいたので開腹してみて
先生もびっくりだったとか。。。そして一番の元凶の卵巣も通常の数倍も腫れあがっていたので一緒に摘出
して、結果的には避妊手術になりましたとのこと。。。「摘出したものをご覧になりますか?」と聞かれたので
子宮と卵巣を見せてもらったけど、こんなものがあの小さな体の中に入っていたのか。。。と思うぐらい
の大きさでびっくり。。。どれだけしんどかったのかと思うと本当に桃っちに申し訳なかったです。

そして特に子宮は先生がメスを軽く当てただけで、ドワーッとどす黒い血が流れ出てきました。
大きさは平面で約10センチ四方ぐらいあって、通常の何倍にもなってるとか。。。牛のレバーぐらい
ありそうでした。。。帰宅後、参考まで写真を撮らせてもらえばよかったかも・・・と思ったけど、そんなの見たい人
はいないよなぁ。。。

通常の避妊手術で子宮と卵巣を摘出するだけなら、食事が取れるようになればそれでOKだけど、桃っちの
場合はあれだけの血と膿がたまっていたので、それが血液中にも流れ出ているため血を綺麗にするために
術後1週間の点滴と、注射に通ってくださいということでした。

その後は夕方まで麻酔が完全に抜けるまで様子を見ますということで、また私は自宅へ。。。
夕方、再び院長から電話がありました。
「麻酔は完全に覚めたし、もう大丈夫です。ただ病院では全くご飯を食べません。ウサギさんの場合は手術より
予後の食欲回復が一番大事なので、お家に帰っていつもの環境に戻してあげた方が食欲の戻りもいいので
お迎えにきてあげてください。ちなみにウサギさんには負担なのでエリザベスカラーはつけてません。」とのこと。。。
もちろんその方が桃っちにとっては安心だろうと思う反面、少し不安があったのでいくつか質問をしました。

・最悪、明日までご飯や水を受け付けなくても大丈夫?               回答→大丈夫!
・エリザベスカラーをつけてないと、傷口をいじって傷が開いたり出血したりしない? 回答→特殊な縫い方なので
                                                    傷が開くことはありえない!
・食糞できなかったら、拾って食べさせてあげた方がいい?               回答→無理にしないでください。

「あとは暖かくして、そっとしておいてあげて下さい。明日またお待ちしてます。。。」
・・・という訳で、不安も解消して安心して迎えに行きました。
帰ってきてからも、ご飯を食べる気配は無く野菜も無視。。。お腹を横にしてじっと痛みに耐えている感じ。。。
夜中まで様子をみていたけど、傷もいじらないしやっとチンゲンサイ1枚を食べてお水も少し飲んだ。。。
大丈夫そうなので私も寝ることに。。。

 ※その後数日の様子を詳しくメモした紙が、見つからないのであとは当時のメールの抜粋や記憶のままに書きます。

再診料     700円
留置針設置  1500円
  〃 採血  800円
腹部エコー   5000円
血液検査   1500円
血糖値検査   500円
静脈点滴   3000円
全身麻酔   5000円
子宮摘出術 30000円
皮下補液   1500円
〃薬剤追加   300円

11.28
(火)
チンゲンサイを朝から4枚ほど食べたのでホッと一息。。。でもまだ●もおしっこもほとんど出ず。。。
なるべく桃っちの負担が軽いように、本院ではなく家から近い方の分院へ午後から行き、注射と点滴をしてもらう。
(手術や検査が必要ではないので、近い分院で十分対応できるため・・・)
昨日は痛みをこらえて固まっていたけど、今日は毛づくろいをする余裕が出てきたみたい。。。
ただ、その後夕方までに結構野菜を食べて牧草も自分から数本だけど食べたのに、夜は野菜さえ食べず。。。

 (※←クリックで写真が拡大しますが、気持ち悪い方は見ないでね〜写真左が頭側)

袋縫いみたいな感じの傷口です。糸が一切外に出ていないので引っ張る心配はなし。さらにうれしい誤算で傷には
全く無関心。。。そして体内に吸収される糸のため、抜糸は必要ないとのこと。毛が黄色いのは消毒薬のせいです。
再診料     700円
皮下注射   1500円
皮下補液   2000円
11.29
(水)
昨日の夜から今日のお昼までは野菜さえ食べてくれず、水もあまり飲まないのでこのまま食べてくれないまま
だったらどうしようと心配。今朝は軟便と盲腸糞のちびっこウンチだけだったし。。。
病院からってくるなり野菜を少し食べ、夕方になってペレットと牧草を少し自分で食べてくれた〜
それからは右肩上がりに食べだした。。。自力で食べだすと●もおしっこも出始める。まだおしっこは血が
混ざってるのか色が濃いけど。。。↓
再診料     700円
皮下補液   2000円
皮下補液
(薬剤追加)  300円
皮下注射   1500円
11.30
(木)
K先生曰く、チンゲンサイは好きな子はあげるといくらでも食べちゃうので、一日1枚ぐらいに押さえて下さい。
とのこと。。。繊維が少なくて水分が多いのでお腹一杯になってしまってペレットを食べなくなってしまうらしい。
軟便の原因にもなるみたいだし。。。
院長はとにかくこの時期は食べてくれるのが一番なので、少々甘やかしてもいいから食べるものを食べるだけ
あげてくださいと言ってたけど・・・先生によって言うことが違うので少々悩む〜
再診料     700円
皮下注射   1500円
皮下補液   2000円
12.01
(金)
モリモリと今日は結構食べてる。昨日はちと下痢ぎみだったので心配だったけど今日は小さいながらコロコロウンチも
出てきたので一安心。一応今日で点滴と注射は終了!
また食欲が落ちるなどの症状がない限り、もう通院しなくていいということで一安心。。。
お部屋内でのお散歩も本人が出たがるようならOK!
院長先生に傷口を診てもらう。だいぶきれいにくっついていて、”桃ちゃん優秀だね〜”って褒めてもらった。
ただし、ちょっぴりお腹から糸の先っちょが見えていたので安全のためカットしてもらって無罪放免。。。
はぁ〜長い一週間だった。
再診料     700円
皮下補液
(薬剤追加)  900円
皮下注射   1500円
皮下補液   2000円
.12.05
(火)
今日は7歳のお誕生日。一時はどうなるかと思ったけど無事この日を
迎えられて本当に良かった〜遊び場でりんごとにんじんを食べる桃っち。。。
12.15
(水)
手術から2週間以上たちましたが、傷もきれいにふさがり桃っちは食欲全開で元気一杯。
手術前の1.5倍ぐらいのペレットを完食!悪いものを取ってしまって、お腹が軽くなったよね!
まだまだ背骨が骨ばってるから、今は一杯食べて体力つけなきゃね〜
それにしても動物の生命力ってすごい!もううっすら毛が生えてきた!!(ちなみに写真向かって右が頭側)




★手術を終えて・・・★

手術が無事成功に終わり、予後も無事乗り越えられ、こんなことならもっと早くに避妊手術をしていればと思うこともあります。
そしたら長い間通院したり、投薬したり、偽妊娠のイライラで桃っちがストレスを溜めたり苦しんだりすることもなくて済んだかも。。。
でもそれはやっぱあくまで結果ありきで、予想外に桃っちが全く傷を触らず、回復が早かったから言える事で、あのまま乳腺過形成のままだったら
まず手術には踏み切れないままだったと思います。


専門家の間でも女の子ウサギさんの避妊手術には色々意見が分かれると思うし、経験した今でもどちらがいいとは断言できません。。。
ただ個人的にはやはり、病気でどうしても切らないとダメ・・・にならないと、病気予防のためだけであの小さな身体にメスを入れる決断は
出来ないかなぁ・・・というのが正直なところです。
でも逆にどうしても切らないとダメ・・・な状態で受けるよりは、若い時期に健康体で受ける手術の方がはるかに安全なことは確かです。

私が知らないだけで関西にもウサギの名医さんはおられるのかもしれないけど、少なくとも私の近隣にはそういう病院はありません。
私が通っていた病院も、ウサギの患者さんはまだまだ少ないし、院長先生でさえかなり診察はできるけど、手術に関しては消極的です。
逆に出来ないのに出来ると言われるよりはマシだけど、あまり消極的だと患者側としてはホントにまかせて大丈夫かなと不安でした。。。

ただ今回手術をすると決めてからは腹をくくったって感じで院長も毅然として、すばやい判断で出来るだけのことをしてくださったと思います。
輸血こそしなくて済んだけど、貧血を起こしていたのでとにかく手術を短時間で終えないと危険・・・ということで
「ものすごい速さでしたよ〜!あんなの見たことないです」って看護士さんが言ってたぐらい。。。

・・・という訳で、技術的にも人間的にも信頼できる獣医さんが身近にいらっしゃって、ウサちゃんの状態も飼い主さんが看病できる環境も
整えば、予防目的や避妊目的の手術もいいのかもしれませんし、その方が長生きできるのかもしれません。。。
ただ卑怯な言い方かもしれないけど、どちらにするにせよ、最終的にはそれぞれの飼い主さん自身しかそれを決められる人はいないと思います。

※最後になりましたが、ここまで書いてきて無責任なようですが専門家ではなく何分素人が書いていることなので、間違ってる内容や記憶違いな
 部分もあるかもしれません。あくまで桃っちの時はこんな風だったよ・・・ということで参考程度にしていただければと思います。

 長々と書きましたが、ここまで読んでいただければ光栄です。。。
 もしご質問などがあれば、遠慮なく掲示板やブログの方へどうぞ。。。経験談ぐらいはできると思います。。。