狭山丘陵の砦・トトロの森

     

狭山丘陵は東京都と埼玉県の堺に跨る東西11キロ、南北4キロの里山や平地林の丘陵で、 空から見る狭山丘陵は緑のオアシスのように見えます。この丘陵には東京都心の水瓶としての 多摩湖と狭山湖があります。 水質保全のため人の出入りを制限しており、水辺の林は鳥獣保護区域となっています。 【写真上:狭山丘陵の多摩湖】

  それゆえに植物約1000種、哺乳類約10種、鳥類約200種の動植物が生息する自然の宝庫と なっています。もともと狭山丘陵は、里山と平地林から成り、綺麗な泉も湧く生活環境豊かな丘陵です。 水瓶としての湖は大正時代に造られたもので、丘陵に点在する多くの遺跡や神社、お寺は古代より人々の 生活の場としての豊かさを感じさせてくれます。

この狭山丘陵にナショナルトラスト活動により守られているトトロの森があります。 (ナショナルトラスト活動とは大勢の人たちが少しずつ寄付を出し合い自然や文化財を守るために 土地を買取って守っていく運動です。)【写真下:トトロの森1号】    

トトロの森1号は1991年に取得されましたが、 これにより狭山丘陵を開発から守ろうとする大きな流れが作り出されました。 現在、トトロの森は1号から4号まであり3ヶ所に点在しています。 トトロの森は1200〜1700平方メートルとプールほどの大きさで決して大きくはありませんが、 トトロの森のすぐ近くまで団地や住宅がせまっており、いわば緑のオアシス・狭山丘陵を守る砦として とても大きな意味を持つ森なのです。

狭山丘陵の落葉紅葉樹の平地林はコナラやケヤキの雑木林です。かつては薪や肥料にと生活の支えでしたが、 現在は人間にとって心のオアシスです。春は新緑の美しさを、夏は風を呼び涼しさを、 秋は紅葉の美しさを、冬は北風をさえぎり陽だまりの暖かさを楽しませてくれます。

狭山丘陵は観光地ではありません。市街地に隣接するあるがままの自然。
それゆえに貴重なのです。

   
 

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