狭山丘陵・雑魚入樹林地(2007.10)


10月の上旬、雑魚入樹林地の観察会に参加した。 さいたま緑のトラスト協会では、現在埼玉県内で7ヶ所を緑のトラスト保全地に指定しているが、 ここ狭山丘陵の雑魚入樹林地はトラスト保全第2号地となっている。
雑魚入樹林地はトトロの森1号の周辺部に位置し起伏に富んだ丘陵地で谷戸もあり多様性に 富んだ樹林地である。この丘陵地に降った雨の9割は溜まって湧いてくるそうだ。

雑魚入樹林地はいきものふれあいの里として管理されているが、 樹林地の西側には天満宮がありオオタカも生息している。
雑魚入樹林地の名の通り、樹林はコナラ、クヌギ、クサギ、ゴンズイ、リョウブ、アオハダ、 山つつじ、コウヤボウキ、シラカシ、エゴの木、アラカシなど多種の木々からなる。 点々と樹林を残したのでは多様性は保たれないが、広い面積を残すことで 生物的多様性が保たれ自然を残すことに繋がる。
セキレイやヤマガラの声も聞こえる。ヤマガラの子は9月に分散するそうだ。 近親相姦を避けるためと聞く。子孫を確実に残していく本能なのだろう。
ゲンノショウコが綺麗なピンクの花弁を見せてくれた。 絶滅種のカンアオイを見ることができた。葉はシクラメンの葉に似た形でやや暗い湿地を好む。 かつてはシュンランもたくさん咲いていたが盗まれてしまったとのことです。
起伏に富んだ地形と落葉樹と常緑樹が湧き水を生み、多様な生き物を育てているようだ。
雑魚入樹林地を出ると農家が稲刈りの季節を迎えていた。 昔ながらの天日干しが行われている。 雑魚入樹林地の豊かな水で育ち、天日干しされた米は旨いであろう。 自然の有難さ素晴らしさを感じながら帰途についた。
   
 
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