自然豊かな寒中の狭山湖(2005.01)


埼玉県所沢市の西外れに位置する狭山湖。すぐ南側には東京都に位置する多摩湖がある。 いずれも東京都の貴重な水瓶である。
東京都と山梨県にわたる水源林から湧き出た水は、いったん小河内ダムに蓄えられて、 多摩川に設置した「小作取水堰」及び「羽村取水堰」で取水し、狭山湖(山口貯水池)や 隣の多摩湖(村山貯水池)に導水しています。 狭山湖は、都民の水道使用量の約4日分を貯めておくことができ、都民の重要な水瓶としての役割を果たしています。

狭山湖からは秩父連山の後ろに富士山がくっきりと見える。

狭山湖周辺の森林は、昭和9年の貯水池完成以来、水源涵養林として管理・保全されており、 現在は貯水池と一体となった豊かな狭山丘陵の自然が創出されています。
ここではカワセミやミズナラなどの水辺の生き物やオオタカなどの森林性の生き物が育成・生息し、 豊かな自然が維持されています。
オオタカは主に他の鳥類を捕食していて食物連鎖の上位に位置することから、森林の豊かな生態系を 指標する存在といわれています。
狭山湖周辺はコナラやクヌギの武蔵野の雑木林で、 冬枯れの雑木林は葉を落とし春の芽吹きを待っています。

ちょっと見えにくいですが、狭山湖に冬鳥として飛来したカンムリカイツブリの群れです。
ここで11月から3月を過ごし春には繁殖地へ旅発ちます。
カンムリカイツブリの主な餌は魚で、水中に潜って捕まえ丸飲みします。
狭山湖にはコイやハゼの仲間のトウヨシノボリが生息しています。
また、カルガモが一年中生息しており、巣は草地に作るので初夏には子ガモ連れが見られることもあります。

遠くに見える山々は秩父連山でこのところの雪がかなり残っているようです。
大寒に入り今が一番寒い時期である。
狭山湖の周辺は自然豊かゆえにやはり冷え込みが厳しいです。 晴れてはいたが冷たい北風が吹き抜けていました。
狭山湖周辺の丘に登ると、霜柱が朝陽を受けて透明な銀色の輝きを見せてくれました。 真に自然が織り成す芸術です。

   
 
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