駒止湿原と宮床湿原(福島県の湿原 2006.08 by 提灯鮟鱇)


尾瀬からさほど離れていない福島県の南部に駒止湿原と宮床湿原を訪ねた。
このあたりにはたくさんの湿原があるらしく、もしかしたら地元の人以外には
ほとんど知られていない湿原も緑深い山奥にひっそりと隠されているかもしれない。

【 駒止湿原 】

標高約1100mの山あいに広がる駒止湿原は、大谷地、白樺谷地、水無谷地の3つの湿原からなっている。もう少し早ければ満開のニッコウキスゲに出会えたはずだ。



【 アキアカネ 】

アキアカネがニッコウキスゲ(ゼンテイカ)の種の上に止まっていた。
春、麓の水田で生まれたアキアカネは、夏になると高地に移動して優雅な避暑地暮らしをする。秋になって涼しくなると再び麓に戻り卵を産む。



【 ミズギク 】

湿原の中に高山植物のウサギギクをわずかに思わせるようなミズギクが咲いていた。
名前のとおり湿地の中にたくさんの花が揺れていた。



【 ワタスゲ 】

少し盛りを過ぎてしまったがワタスゲの白い綿毛もあちこちに見られた。
前日の大雨のために綿毛がすっかり濡れて垂れてしまっていたのが残念。



【 ツルコケモモ 】

ツルコケモモも花の時期はすでに通り過ぎて青い実をつけていた。
秋になると真っ赤に熟して、高山植物のコケモモの実と同じようにジャムなどに することができるようだ。



【 ノリウツギ 】

朝露に濡れてノリウツギの白い花が湿原の深緑の中から浮上してきた。
かつて和紙を作る際に繊維をつなぐ糊として利用されたという。 ウツギの名を持つがアジサイの仲間。



【 宮床湿原 】

木道がどこまでも続くように見える宮床湿原は、駒止湿原に近く植生も似ている部分が多い。 青紫のミズギボウシの花や、食虫植物モウセンゴケの白い花が訪れる人も少ない盛夏の湿原に ひっそりと咲いていた。



【 ヒツジグサ 】

訪れたのが午前だったせいか、未の刻に花開くというヒツジグサはまだ蕾の状態だった。 もう少し余裕があったら、ここで弁当でも食べて未の刻まで待っているのもいいと思う。



【 ハッチョウトンボ 】

思いがけず日本で一番小さいといわれるハッチョウトンボに出会った。 体長は2cmにも満たないほど。
ハッチョウトンボは名古屋あたりで見られるという 思い込みがあったので、ここで見られたのは非常にラッキー。

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残暑厳しい季節ですが、高原の便りに爽やかさを感じます。 アキアカネはやがて里に下りてくるのですね。
(十三里)

 
 
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