ふるさとの花といえばやはり桜。 それも染井吉野。 家の前の道の両側は染井吉野の桜並木で、小さい頃は よく木に登って枝を折ったり、花が散った後の葉桜に暑い日差しを 避けて学校に通ったりと、非常に身近な存在だった。 花見もしいて出かけるということもなく、窓から外を見れば それでお花見だよ、という始末。従って、お花見の雰囲気なるものは 大人になるまでは知らなかった。 |
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やがて、その道も車が走るようになり、拡張され、舗装され、
歩道ができるとついには1本残らず切られ、今では、かってそこが
桜並木だったとは想像できない姿となった。 そして。道の反対側の国立病院の門を入ったすぐ右手には それは見事な枝垂桜。確か、枝垂桜が最初に花を開き、豪華に 花を垂れるころに、染井吉野がおもむろに花を開きはじめ、 4月という新たな年度の始まりを告げていた記憶がある。 桜はやはり開始の花なのだ。 |
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【兄山女の歌】 洋花にとけ込むことなき青紫色はなの名問えば苧環(おだまき)草と 庭すみに青紫の命燃やす花おだまきの花に会う日となりぬ いにしえは染井吉野の花の宴 国立病院八重盛りなり 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・ やはり日本人にとって桜は年々歳々人生の節目の季節ですね。 (十三里) |
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