秋の西丹沢(神奈川県・西丹沢 2004.10 by 兄山女)


秋の気配を迎えた西丹沢からの画便りです。

異称「山岳探鳥会」なるものに参加し、西丹沢の畦ケ丸から 白石峠を歩いてきました。
ちょうど、台風が2度通り過ぎ、 増水が心配された時期でしたが、天気はも穏やか。何度か 靴を脱いだり履いたりを繰り返す渡渉もありましたが、 終日、秋の散策を楽しみました。

【畦ケ丸に向かう西沢の木橋】
この春には、今年は7年に 一度の実りの秋とある先生から言われた記憶がありますが、 結果的には大はずれ、山の木の実は乏しく、日本全国でも 熊出没のニュースが報じられています。ここ丹沢も同様で、 ブナの樹の下には、探してようやく見つかるほどの実、 殻だけのものも多かったようです。
スタートしてすぐに、 サルナシの実を口に含むことができ、幸先いいかなと 期待したのですが。木々の葉も、台風で落ちてしまったのか、 紅葉前にもかかわらず、見通しを良くしていました。

【立派なブナの樹】
そんな中、元気な花も咲いています。
リンドウ、イワシャジン、 白ヨメナ、キッコウハグマ、キオン、そしてツルリンドウやシキミの実。

【イワシャジン】
それにしても、西丹沢は登山客が少ないせいか、 足もとが硬く踏みしめられているということもなく、 枯葉まじりの尾根道をのんびりと散策することができます。
肝心の鳥は、残念ながらまだ冬鳥は渡ってきてなかった ようですが、十分に秋の日を満喫できた一日でした。

【シキミの実】

【右下:唯一紅葉していたコミネカエデ】
【西丹沢】

この年は山の実りの乏しきと
ブナの木の実を拾いて捨てぬ

鹿すらも見向きもせねど樒の実
朱く輝く吸いたきほどに

尾根づたい枯葉やさしき道なりき
三万日との旅路のひと日

やわらかく黒く掘られる尾根道は
猪占める畑と知るべし

丹沢を下る夕暮れ足裏に
ぬくもりひとすじ立ちのぼる秋

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