山笑う小網代の森(神奈川県・三浦半島 2004.05.29 by 提灯鮟鱇)


山が萌え小動物が活動を始めた小網代の森からの画便りです。

【小網代湾】
コナラ等の落葉樹とシロダモ等の照葉樹が混在する小網代の森の春は、 新緑、深緑、薄緑、白緑と様々な緑の模様が木々によって描かれる。
山笑う緑には、鶸萌黄(ひわもえぎ)、柳染(やなぎぞめ)、萌黄(もえぎ)、 青丹(あおに)、緑青(ろくしょう)、千歳緑(せんさいみどり)、 高麗納戸(こうらいなんど)等々とそれぞれに深い趣の名前があるという。
【ジャヤナギ】
季節外れともいえる5月の台風で折れて倒れたジャヤナギの大木。
ジャヤナギは このように倒れても枯れることはない。
水平になった太い幹から何本もの芽を 天に向かって真っ直ぐに伸ばして新たな成長を続ける。
【カワトンボ】
カワトンボは水のきれいな小さな流れにすむ儚げなトンボで、森の中の木漏れ日 の中で見るオスの美しさには思わず足を止めてしまう。
羽化した後のヤゴの抜け殻を探したが、とうとう1つも見つけることができなかった。 密やかな羽化を心がけているのだろうか。
【アカテガニ】
小網代の森の中で冬眠していたアカテガニも、そろそろ夏に向かって活動を始めた。
森の中の草むらを歩いたり木に登ったりして陸上で生活しており、水の中に入るのは 脱皮の時と真夏の大潮の夜の集団産卵の時だけだが、鰓呼吸をするためには水が必要 なためいつも水を携帯している。
同じ水を循環させて空気中の酸素を溶け込ませては 呼吸に利用している。
【チゴガニ】
1センチほどの小さなチゴガニ。淡水と海水の混ざる汽水域の砂の穴の中にすんで いる。
潮が引くと巣穴から干潟に出て食事をしたり求愛ダンスを踊る。 数百から数千匹のチゴガニが一斉に白いハサミを上下に振って踊る様子は太陽の光を 反射して不思議な光景だ。
近づくとこれまた一斉に巣穴の中に隠れてしまい1匹も見え なくなってしまうのも見事。

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萌えぎ色の表現が実に豊富ですね。
生態系豊かな小網代の森。
子孫を残すための生命力や潜在的能力の凄さと神秘さを感じます。
   
 
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