風のささやき

青い地球、恵みの風景・・・目にした事、感じた事、思いのままに・・・


No.075
2013.04.19

木化都市構想と林業の再生New

戦後、住宅用にと山に植林された杉などが外材に圧されて日本の森林が荒廃すると言われて久しい。 そんな中、木化都市構想が推進されている。背景には木材の強度化技術や燃えにくい技術が確立され、日本の木材を使用して公共施設などを 建設していく事業が始まっている。とにかく日本の木材の需要を増やしていけば林業の雇用の拡大に繋がり、地域の活性化にも繋がっていく。 もともと五重塔など日本建築の木材利用技術は素晴らしいものがある。日本の木材を利用することは地産地消の原点であり、日本で 育った木材は日本の気候に適合し日本人の身体にも合っている。木材利用のために伐採された場所には植林を行い、次世代に引き継ぐ。
木化都市構想により環境に優しい街作りが行われ、先祖が綿々と行ってきた持続的な森林活用を図ることが子孫への責務である。
No.074
2013.01.19

再生エネルギーの資源・技術豊かな日本

原発事故後、再生エネルギーに期待がかかっているが、まだまだ再生エネルギーの比率は低い。 現状は火力発電への依存率が高く、早急に再生エネルギーへのエネルギー改革を進め再生エネルギーの先進国となって欲しい。 日本はその可能性を秘めている。 日本は地理的にも温帯にあり、地形的にも水は急流であり海に囲まれ、地層的にも温泉に恵まれている。 それゆえ太陽光発電、風力発電、潮流発電はもとより、火山国ゆえの地熱発電、日本特有の急流を活かした多数の小水力発電が可能である。 地熱発電の日本の技術は既に火山国のアイスランドで活かされており、省電力技術も畜電技術も有効利用技術も進化しつつある。 日本は再生エネルギーの資源も技術も豊かな国でなのです。 今の日本は新しい事業による雇用を必要としている。
再生エネルギーの事業を日本再生の原動力としてエネルギーの自給率100%を目指し、 将来再生エネルギーの技術で世界をリードし、エネルギーの安定的永続的な利用を目指そう。
No.073
2012.07.22

旬の食材豊かな日本

日本には四季があり季節季節の旬の食材に恵まれており、旬の食材は安くて一番旨い。 春は「目を覚ませ」という季節で、フキノトウ、タケノコ、セリ、ウド、ワラビなどあくの強いものか緑の濃いものを食べる季節です。 昔は土手食いという習慣もありました。夏は「汗をかけ」の季節で、ウリ、キュウリ、スイカ、トマトなど水分の多い生野菜の季節です。 また、オオバ、ミョウガ、ラッキョウなどの香辛野菜も食欲負けに欠かせないですね。秋は「エネルギーを蓄える」季節で、米、麦、栗、イモ類などですね。 冬は「耐える」季節でレンコン、ニンジン、ネギ、ゴボウなど根気のつくと言われる野菜ですね。 旬の食材は安くて一番旨いばかりでなく身体にもよいのです。
便利になり四季感のない食材が出回っていますが、旬の食材を大切にし自然に感謝しましょう。
No.072
2012.04.11

日本は自然・文化遺産だ

日本の国土は、その中心部が北緯30度台に位置し、亜寒帯から亜熱帯までに位置する。 それゆえに中心部は四季の変化に富み、亜寒帯や亜熱帯の風土も楽しめる。森林も国土の7割で、黒潮・親潮に囲まれた島国で多様性に富んでいる。 湧水も飲めるほど水に恵まれている。それゆえに日本風土は多様な自然に恵まれ、地域に根ざした食の文化は多様で質の高さからも誇れるものである。 日本はかつてマルコポールが憧れた黄金の国。人の心も優しいし日本そのものを自然・文化遺産として観光日本を売りだそう。
No.071
2012.01.21

世界有数の多様性・日本近海

日本近海に生息する海洋生物は、確認できただけで33,629種に上り、全世界約23万種の14.6%にあたる。 うち固有種は1872種で世界で最も多様な海洋生物の宝庫と言われている。魚類は約3800種、海老や蟹などの甲殻類は約6200種とされる。 これは日本近海の複雑な地形や寒暖流など多彩な環境のおかげだ。さらに今は寒ブリに代表されるようにこの時期の魚は身がしまって脂が乗っていて とても旨い。こんな多様性に満ちた海を持つ日本人は幸せである。しかし魚離れが始まって久しく、価格的にも魚は肉に押されがちである。 水産国日本を取り戻し、漁業と食の魚文化を復活させませんか。
No.070
2011.10.28

自然の恵みに感謝

東日本大震災は春先のことであった。季節は巡り夏から秋となり被災地の漁港から水揚げの 知らせが届き、漁業者からは喜びの顔とともに復旧の手ごたえが伝わってきた。初夏に植え付けた稲苗も順調に育って秋には田んぼは 一面の黄金の大地となり農夫の笑顔から復旧の手ごたえを感じられた。 自然は人の命を奪うほど荒れることがあるが、大漁の秋刀魚の水揚げ、黄金の稲穂の刈り取りを見るにつけ、自然が与えてくれる恵みの恩恵は計り知れない。 被災地では多くの方が復旧・復興に力を注いでいるが、まずは先陣を切って復旧・復興の手掛かりと希望を与えてくれた自然の恵みに感謝したい。
No.069
2011.08.08

鎮魂と絆の夏祭り

東北地方では夏祭りの最盛期に入った。東日本大震災のあとだけに開催は危ぶまれたが 鎮魂と復興への強い思いから規模は小さくても人々の熱い思いと固い絆により実現にこぎつけたられた。 夏祭りはお盆のプレイベントとされ死んだ人との関わりを持つと言われるので、今年は特別な思いの夏祭りになった。 青森のねぶた、相馬野馬追、陸前高田の七夕山車、仙台の七夕、などなど見るにつけ生き残った人々の魂を感じる夏祭りになった。 夏祭りにこぎつけた人々はもちろん、夏祭りに参加した人、夏祭りを観に来た人、関わり方は違っても心は一つになって祭りを楽しみ 郷土愛を強くしたようである。夏祭りが復興への強い力になると信じた。
No.068
2011.08.05

再生エネルギーのリーダーに

3月11日の東日本大震災以降原発事故により原発による発電に疑問の声が大きくなり、世界的にも 再生エネルギーへの転換が趨勢となっている。日本は戦争で唯一原爆を受けた経験と平和利用の原発でも汚染と被爆の事故を経験した今こそ 原発の燃料の最終処理技術がないまま後世に負の遺産を残さないよう再生エネルギーへの転換を図るねばならないであろう。 再生エネルギーに関し日本は地理的地形的条件として川の流れが急であり、火山国であり、海流に囲まれた環境にありこれを活かすべきである。 例えば川の急流を利用して大きなダムは新たには不要で水車のような機能的な発電でよい。 将来の電力網スマート・グリッドは賢い電力網とのことだが、小さな発電をネットで機能的に集めて機能的に送電することになる。 日本は再生エネルギーに関する特許出願が一番多く、アイスランドやニュジーランドの地熱発電も日本の技術であり、再生エネルギーの リーダーになる要素を既に備えている。今こそ再生エネルギービジネスのリーダーを目指そうではないか。
No.067
2011.04.15

水と食料とエネルギー

3月11日の巨大地震と大津波は東北地方と関東地方に甚大な被害をもたらした。 1100年前の巨大地震を凌ぐと言われ、歴史的な三陸津波に同時にみまわれたような未曾有の災害になった。また同時に福島原発の事故が 起きてしまい、人間にとって不可欠な「水と食料とエネルギー」に不安をもたらすことになってしまった。 計画停電も経験し、我々日本人は豊かな「水と食料とエネルギー」にいかに依存してきたか思い知らされ、日本人は経済活動優先の生き方を改め 新しい生き方をすべきとの提言もある。今回の災害からの復興には経済活動が回らないことには復興の達成は難しいことですが、 1000年先を見渡せば「水と食料とエネルギー」を大切に自然と調和のある生活を目指したい。自然に優しいは人に優しいです。
No.066
2010.10.24

生物の多様性は里山から

名古屋で生物多様性の国際会議COP10が開かれている折、毎日のように熊の出現がニュースで扱われている。 熊の出現はドングリの不作が主因とも言われているが、気象変動のほかナラ枯れも遠因のようで、山林に住む動物と人間の住み分けが 崩れたことが底辺にある。ナラ枯れはコナラやミズナラが立ち枯れる現象で、ナラ枯れになるのは古木であるので木を利用せず再生されていない ことがこのような現象を引き起こしている。ナラ枯れの分布は熊の出現地域が重なっているようで森林の手入れ不足が要因と見える。 生物の多様性に人間と山林に住む動物との住み分けの接点(緩衝地帯)として里山を保全することが有効と考えられている。 里山は生き物の宝庫と言われ生物の多様性を維持することにもつながる。COP10でも「SATOYAMA」は国際用語になった。 生物の多様性は里山の保全から始めるのが有効なようだ。
No.065
2010.08.23

自然との共生とは

環境問題が問われてから久しいが、この問いの最終結論は自然との共生と言われる。 自然との共生と言っても都会に住む人々と山村に住む人々では対応できる環境が違いすぎる。自然との共生は自然に優しい生き方と 言っても良いかもしれない。高度成長時代からその代償として川や海、空、土壌の汚染を続けてきたが、 宇宙から帰還した宇宙飛行士は綺麗な地球に感動し、地球という生命体の大切さを口にするように今や地球に優しい生き方が必要になってきた。 便利な生活スタイルからレベルを落とすことはなかなか難しく、都会に多くの人が集中しすぎたことも軌道修正の課題だが、 自然の大切さと素晴らしさを認識して個々人が自然との共生の生活スタイルを模索し始める契機になって欲しい。
どの程度の生活を自然との共生というのか定かではないですが、本質は自然の恵みなくして人間の生命の存続はないとの危機感の認識からではないでしょうか。
No.064
2010.05.31

季節の移ろい

今年の春はどこへ行ったのか。桜こそ咲いたもののその後の冷え込みで桜の時期が長期に 及んだが、冷たい雨も多く花見の好機はとても限定的でした。桜が散り暖かくなるはずも季節外れの雪が降ったり、霜が降りたりと作物 作りには今年ほど難しい年はなかった。農家の長年のノウハウも通じないほどの難しさと言われた。そんな中、霜の被害に遭った ジャガイモの芽が回復して花を咲かせると季節の移ろいの有難さを痛感させられました。やはり冬は寒く、夏は暑い季節の変化が、生物の 命を支えているのでした。生命体と言われる地球。地球には健康で日本の農作に関係の深い二十四節季を永久に繰り返してもらいたい。
No.063
2010.03.23

桜の開花

3月22日東京で開花が宣言されたが、各局のニュースで上位ニュースとして伝えられ なんと平和な国であろう。開花と言えば桜。桜と言えばソメイヨシノ。開花宣言は日本人の心を和ませてくれるのは本格的な春が来ることの喜びなのであろう。 桜の開花は室内で管理していた花・木を戸外管理にできる時期でもある。ソメイヨシノの花ことばは優れた美人。 花ことばの通り近くで見る桜、遠めに眺める桜、悩ましくも神秘的な夜桜、どれも異なった美しさを魅せてくれる。 桜の季節は人生の区切りの時期でもあり日本人の生活に溶け込み入学式や入社式との思い出も多い。 開花を待ちわび散り際まで愛する日本人の感性と文化を誇りに思う。
No.062
2010.01.29

地球はだるい状態

最近、温暖化は気候変動の問題とも言われ始めている。先日マチュピチュでの豪雨が報じられていたが、 この冬の欧州や米国、日本への大寒波、かと思うとアフリカのサバンナの大干ばつなどなど異常気象の報道は頻繁になった。 生命体と言われる地球は薄皮の大気に覆われて微妙な温度の範囲で地球上の生物の命が守られている。 人間で言えば36.5℃の体温が平熱だとすれば、0.5℃の上昇は微熱状態だ。人によっては体がだるい状態である。 気候は穏やかに一定の変化が好ましいが、現状以上の温暖化は更なる気候変動を引き起こすことになるだろう。
温暖化は人類も含めた生物の生命に関わる問題と考えねばならないであろう。
No.061
2009.11.24

農作業の難しさ

20坪ほどの畑を借りて畑作業を始めて17年になるが、毎年気候条件の違いなどで 未だに試行錯誤の連続である。異常な暑さが続く時も、異常に雨が多い時も、異常に晴れ間が少ない時も、気温が高すぎる時も、 低温が続く時も、毎年の気候条件は千差万別である。それでも繰り返される暦と季節。農作業と陰暦の関係は深く、気候条件は 変わってもやはり農作業時期は変わらない。そこに農作業の難しさがある。有難いことに今年も秋に蒔いた秋冬野菜が収穫できる時期になった。 しかし63円で買ったブロッコリーの苗だったが、八百屋では50円でブロッコリーが売られている。売るつもりはないが苗代にもならない。 農家の収入はあるのだろうか。日本の食糧自給率を支える農家だが、農家が潤わないと食の安定供給は得られない。
No.060
2009.09.19

25%削減の重み

民主党鳩山総理が発表した温室効果ガス25%削減は大きな反響を呼んでいる。 温室効果ガス削減は人類のまた子々孫々への義務だと思いますが、25%削減は1970年代前半の状況に相当するとのことで、 右肩上がりで繁栄する前との40年程の環境的ギャップはあまりにも大きい。 この間給料は10倍となりコンビニ、エアコン、パソコン、携帯電話、高速道路網や高層ビルによる都市化などなど生活環境のギャップは 戻しようがない。なんとしてでも米国や中国、インドを取り込みたいとの意図が見えますが、40年の垢を10年で落とすには 日本として環境技術を駆使しても企業も国民も意識の変革なくしてなしえないであろう。それにしても1970年代前半と社会的幸福感に 大差はないのに温室効果ガスを25%も増やしてしまったことを驚いている。
No.059
2009.07.19

温暖化の限界

先日北海道の大雪山連峰で夏山ツアーが遭難し10人が死亡する事故がありました。 夏山とはいえ北国の山の気候は急変するものだと実感させられましたが、この10人の死亡原因が初めて聞く低体温症でした。 人間の体温は36度前後3度の範囲を超え続けると異常をきたし生命の危機に及んできます。生命体と言われる地球も温暖化が 問題になっていますが、海水温度が1度上がっただけで海洋生物に大きな影響を与えています。 今回の遭難事故から地球温暖化にも限界があり、その限界はこのままでは遠くないと感じた次第です。 CO2の80%削減などと言われていますが、温暖化防止は急がねばならないことですね。
No.058
2009.06.09

エコビレッジ

世界中で15,000ヶ所あるといわれるエコビレッジが日本でも生まれつつあります。 エコビレッジとは、「お互いが支え合う社会づくり」と「環境に負荷の少ない暮らし方」を追い求める人々が作るコミュニティのことです。 エコビレッジの特徴として@環境に優しい建築A自然エネルギーの利用B雨水や排水の循環再生で水の循環利用など自然と共生した 生活様式があります。また、生活様式ばかりでなく住民がお互いに助け合い、お互いが強い絆で結ばれ、支え合う地域経済を実践 しているいるのも大きな特徴です。 エコビレッジは国連の選ぶ持続可能なライフスタイルのすばらしいモデルとして推挙されたもので、古来の生活様式の現代版と言えよう。 エコビレッジは人間が生延びるための究極の生活様式かもしれない。
No.057
2009.04.09

農業再生の息吹

”60年代、高度成長に伴い働き盛りの男性が出稼ぎに出て、じいちゃん、ばあちゃん、かあちゃんが農業を行う 三ちゃん農業と叫ばれて久しい。その後、農業は衰退の一途をたどり、休耕地は38万haに、食料自給率も40%に低下した。 農業の再生は政治的課題にもなっているが、そんな中、若者が就農しようとする嬉しい動きが出ている。1つは都会に働きに出ている農家の息子たちが、 家業の農家に魅力を見出しUターンする「こせがれネットワーク」。もう一つは農業プロジェクト「ノギャル」を秋田で始めると発表し、 八郎潟でのシブヤ米作りを通して若者が農業に携わるきっかけづくりを目指す元ギャル系女性社長。 既に販売の契約も進み、米袋のデザインもあるようで女性目線でのビジネス経験と新潟の農家育ちをどのように活かすのか楽しみである。 農業への思いだけで生業が成立つほど易しいものではないが、若者が農村に回帰するうねりが今後の農業の再生に期待を抱かされる。
No.056
2009.03.03

生活必需品

生活必需品とは?と聞いたら若い人は、携帯電話、車、テレビやお金などと答えるだろうか。 生活とは生きるための日々の活動で、その活動に必要な物が生活必需品でという意味である。根源的には、水、火(エネルギー)、食料である。 我々は経済社会の中で高度な生活を享受しているが、大昔原始生活を営んでいた人間のことを思い出せば、理解して頂けると思います。 資源枯渇の中で、水はともかく、エネルギー自給率4%、食料自給率40% の日本は、その自給率の向上を目指さないと生きていけなくなるが、水、火(エネルギー)、食料とも大元は自然の恵みであることを忘れてはならない。
No.055
2009.02.07

一次産業への期待

一次産業である農林漁業は人々の生活を基礎から支えているにも関わらず 久しく日の当たらない産業で、その就業者は年々減少傾向にある。一次産業に魅力がない理由の一つは厳しい労働の割りに収入が少ないことであった。 市場優先の考えから農林漁業者が取引価格の主導権を持つことができなかった。先の原油高騰から農林漁業者は販売者と直接取引するなど 新たな動きが出ている。一次産業も伝統を生かしつつも新たなビジネスモデルの創成が必要となっている。 未曾有の経済不況により派遣社員等の打切りによる雇用が問題になっていますが、その中で農林漁業への就職の希望者が増えている のは一次産業の復興に向けて明るい兆しである。若い労働者の一次産業への参入は、一次産業の活性化ばかりでなく地域の活性化に繋がると期待する。
No.054
2009.01.07

日本の素晴らしき食材

今日は七草。一昨年ミシュラン東京版で三星〜一星の店が150店とパリやニューヨーク よりも格段に多っかたが、これは東京というより日本の食材の素晴らしさを示すものである。優秀なシェフでも優良な素材なくては 腕が振るえない。素材の良さ・豊富さは日本の農業・酪農の技術や日本近海の漁業資源の豊かさを示すものである。 七草粥は質素な味だが、自然と溶け込んだ日本人の食文化の繊細さを現すもので、この日本人の感性が多くの優秀な食材を育ててきました。
環境問題は人類の生存をかけた問題となってきていますが、自然と共生してきた日本人の生き方をもう一度見直してみたいものです。
No.053
2008.10.18

食への感謝

人々が日々生活する中で食事は楽しみばかりでなく生命の維持になくてはならない。 その食べ物は、もとは自然の恵みなくしては有りえないが、自給自足か自然の物を採って食べる以外は、 その食べ物に関わる人々の努力なくしては得ることができない。米という字は八十八と書き、 米ができるまでにお百姓さんの八十八回の手間が掛かっていると教えられた。 昨今の食料自給率や食の安全問題を考えると、食事の際の「いただきます」「ごちそうさま」という言葉に、 自然の恵みと食事を作ってくれた人に、またさらに食に関わってくれた多くの人に感謝の気持ちが強くなる。
No.052
2008.09.18

食の安全は図れるか

ミニマムアクセスという国際的な約束の中で中国から輸入した米がメタミドホスで 汚染されているという事故米が明るみになった。なぜ農水省は事故米をチェックできなかったのか、なぜ事故米を返却できないのか、 なぜ事故米の転売が繰り替えされたのか。事故米と知らずに買い取り濡れ衣をかけられている業者や何も知らずに事故米の 給食を食べた弱者は被害者だが、ことの問題は輸入元の農水省の無責任さと儲かるためなら悪を行う業者がいることだ。 農水大臣は陳謝しているが、農水省幹部からは陳謝の声は聞こえない。 中国の粉ミルク問題は対岸の火事で済まされない。環境問題と同様に食の安全に国境はない、また性善説の規制緩和は通用しないと考えなくてはならないのは悲しい。
No.051
2008.08.12

桃源郷の世界を

8月8日北京オリンピックが開幕した。開幕式は中国4000年の歴史を表わす悠久の歴史絵巻であった。 紙の発明に始まる壮大な文明の歴史で活版印刷では「和」を表現した。最後は未来絵巻となり子供達が絵巻に水色を塗るとやがて花や鳥が舞う中国人が 理想とする桃源郷の世界になった。そして鳥の巣の中央から球体が現れたのは青い地球。 無数のLEDで宇宙を体現し、宇宙の中の青い星地球に住む人類はOne World One Dreamを表現した。 この開幕を演出した監督は環境問題を非常に重視していると思われる。
環境問題が山積の中国だが、これを機に本当の桃源郷の世界を目指して欲しい。
No.050
2008.07.17

漁業の死活問題

日本全国の漁業団体が15日、燃料価格の高騰による漁業者の苦境を訴えるため、一斉休漁に入った。 現在、漁民は20万人と減少し、しかも65歳以上が40%と漁民は減少傾向にあり、日本の漁業が衰退の道を歩んでいる。 そこに原油高騰の大パンチ。漁民が潤わない理由に価格が販売価格で決まってしまう問題もある。 スーパー・小売が売値を100円と決めると、卸業者は40円、漁民のセリは24円と上限が決まってしまう。魚に限らず電化製品でも今は大口の店舗が 価格の実権を握っている。原油の高騰で苦しんでいるのは漁民だけではないが、漁業は農業と同様に人間が生きていく上で最も大事な食の問題である。 欧州では既に政府が漁民の保護対策を行っている。長期的には省エネのハイブリッド漁船やエマルジョンという効率の良い燃料もあり、 漁民にも省エネの工夫が必要であるが、死活問題と訴える猟師の悲鳴に政府は救済策を早急に行って頂きたい。 水産国日本の底辺を守ることが国民のためになるのだから。
No.049
2008.04.08

自然とともに生きる上勝町

葉っぱビジネスで有名な徳島県上勝町。人口1800人程の町は環境に優しい。 葉っぱビジネスの主役はおばあちゃんだが、パソコンで市場調査や売上げ管理も怠り無い。木を植える、木を育てる、木を活用する。 林業に必要なことを実践している。現在は「木の活用」が難しいのだが、バイオマス利活用も積極的で、育てた木はお風呂の燃料であり、練炭を使っての料理や練炭で沸くお湯を湯たんぽに使う。 湯たんぽは、毛布に包んでコタツに入れるとぽかぽかと暖かい。エコ活動など意識することなく環境に優しい暮らしをしている。 また、この町では「ゴミゼロ運動」を展開しており全国の注目の的になっているが、I/Uターンも進み若い人が主役で活動している。 特産品も葉っぱビジネスのつまもの「彩(いりどり)」の他に、阿波番茶、神田茶、ゆこう、ゆず、すだち、しいたけ、やこめ(焼米)と自然を活かした外貨獲得が進んでいる。
活き活きと自立した生活を営み、自然とともに生きる上勝町に学ぶことは多い。
No.048
2008.03.10

風呂の有り難味

今では家の風呂はボタン1つで設定温度にて適量に20分ほどで自動的に沸く。 しかし小生が小学生の頃、風呂焚きは私の仕事であった。父が木の電柱をもらってくるので私が30cmほどの長さに長いノコギリで切り、 マサカリでこれを割る。パカッと割れるのが気持ちよい。更に燃しつけ用に割り箸ほどの細さにナタで割っておく。 水は半分に割った竹トヨを通して木の風呂に井戸水を漕いで入れる。古新聞に火をつけて細く割った燃しつけ用の木を燃やし 次に太めの薪をくべていく。湯加減を見て沸きあがりを確認する。湯が冷めればまた木をくべてお湯を沸かす。寝る間際は 釜の火を消し、消えたのを確認する。日々湯に入るだけでも多くの労力が必要だった。
今では「湯加減はどう?」と聞くこともなくなり、人の心の温もりも消えてしまった。
便利になった今日だが、水や燃料の恵みの有り難味は忘れないようにしたいものです。
No.047
2008.02.06

食の自給確保を

バイオガソリン(エタノール)の問題で食品が相次いで値上げされているが、 今回の中国製毒ギョウザ問題は、日本の食糧自給率の低さを露呈した。いずれは表面化する問題と思っていた。 戦争、災害、テロ、人口増などで食料の供給が絶たれれば問題化するのだ。毒ギョウザ問題はその原因が究明されても本質は解決されたわけでない。 食料問題は生命の根幹に関わるものであり、日本の農業、いや一次産業の育成・復興が課題である。 販売業などの三次産業が主導権を握っている構造を改め、一次産業(農業・林業・漁業)が潤うよう公共事業としては如何だろうか。 若い後継者を増やすことに繋がり、また環境問題も緩和することと思う。
No.046
2008.01.17

都会にもせせらぎを

幼少のころ川に魚釣りに行った帰りに弁天様と呼ばれる清水が湧き出る水場で 魚籠を洗ったりして遊んだものです。清水は高台から5m程下がったところに湧き出ていた。しかし今は住宅地となり ただの水路でしかなく当時の面影はなくなってしまいました。地下の水脈は今も生きているのに都市化で清水の良さが見られなくなってしまった。 そんな折、嬉しいことに都会のヒートアイランド緩和が目的だが、東京・新宿御苑に玉川上水が復活することになり、 都会にせせらぎが復活するのも夢ではなくなった。春の小川の歌のモデルは渋谷にあった。 人の思いがあれば自然も蘇るのだと思う。
No.045
2007.12.15

お奨め烏賊の塩辛

烏賊が安くて旨い季節である。私が作る醤油ベースの烏賊の塩辛の作り方を紹介しましょう。
【材料】@生のするめ烏賊2杯、A醤油、B味の素、C鷹の爪1本、D塩小さじ1杯、E柚子
【作り方】@生烏賊のはらわたを取り出し、ボールにはらわたを絞り出す。A絞り出したはらわたに塩小さじ1杯、醤油適量、味の素を 入れて掻き混ぜておく。B生烏賊の身の皮を剥く(氷水につけておくと剥がれやすい)C生烏賊の身、足、耳を食べごろの大きさに切り たれに入れて掻き混ぜる。D鷹の爪1本をはさみで1mm幅で切って入れる(種は入れすぎると辛いので少々でよい) E柚子の皮を2mm幅に切り混ぜる。(9月ならシソの実も良い)柚子の汁を少し入れるとまろやかになります。 Fたれを随時掻き混ぜたれの味加減を見て醤油を加える
1〜2日寝かせておくとまろやかできりっとした烏賊の塩辛の出来上がりです。お試し下さい。
No.044
2007.10.15

瑞穂の国の行方

新米が美味しい季節だが、今「日本の米」は大きな問題を抱えている。米作農家の減少と海外産 「コシヒカリ」などの安くて旨い米が日本に入りかけていることだ。農村の高齢化と米消費の減少による米価の引き下げに加え、 給食センターやレストラン、菓子メーカーが米国や中国からの安い「コシヒカリ」を使うようになってきている。価格が日本米の1/6〜1/10なのだ。 激しい競争に生き残るには背は腹にかえられないということのようだ。日本の食料自給率は現在39%と先進国のなかで非常に低い状態だ。オーストラリア237%、米国128%、 フランス122%、英国70%などと比べ極端に低い。農業は環境保護など多面的な役割があり、農家の崩壊は食料自給率の低下ばかりか 環境の崩壊にもつながる。外材に頼って衰退した林業の道を歩まないことを望みます。
No.043
2007.09.18

幻想の湖

奥日光の湿原、小田代原に湖が3年ぶりに姿を表わしたと新聞が報じた。 9月7日に関東から東北地方を直撃した台風9号の雨によるもので、湖は「小田代湖」とも呼ばれるそうだ。 「貴婦人」と呼ばれるシラカバがあり周囲の紅葉したカラマツ林と相まって朝霧が旭日にベールを脱ぐ風景は写真家のシャッターアングルと なっている。このカラマツ林と白い姿で立つ「貴婦人」の間に現れたのがこの「小田代湖」であった。 台風の被害は困ったものだが、こんないたずらは歓迎したい。それにしても自然の作り出す風景は素晴らしい。
No.042
2007.08.09

消えた水田

来年の2008年8月8日北京五輪が開催される。しかし今中国では五輪で選手団や 観光客を呼ぶにあたり大きな環境的問題を抱えている。 人間の命ともいうべき水、空気、食べ物に関する問題である。水は資質汚染と水不足。空気は自動車や工場の排気ガスによるスモッグ。 食べ物はその安全性である。五輪に際し水不足は深刻な問題となっており、長江(揚子江)から 取水し黄河を通って北京や天津に送り込む3本の水路の計画が進められている。その総延長は3000`に及ぶ。また北京の 水源の1つである密雲ダムの上流100`にある河北省豊寧県では大量の水が必要な稲作をやめさせ、乾燥に強い作物への強制転換が 行われトウモロコシが栽培されているが強制転作は6667haに及ぶ。しかも2年間の試験的措置とのことだ。心配なのは広大な転作により 水田で生命を営んでいた生き物が絶滅し、生態系が破壊されてしまうこと。また砂漠化の道を歩まないことを願うばかりです。
No.041
2007.07.10

オオタカの効用

埼玉県所沢駅の東1.2Kmほどの所に武蔵野の林がある。市の自然環境調査の結果、 オオタカの営巣が確認されたと報告があった。オオタカは自然生態系において食物連鎖の頂点に立ち、 広範囲にわたって多様性に富む動植物の存在がオオタカの生息には必要なことから生態系保護のシンボル的存在とされている。 私が住むこの地域は畑地も多く、近くには川も流れており、自然環境豊かである。しかしながら20年程前からこの地域にまちづくり調整事業で 道路と住宅化の計画が進められている。小子化と環境保全の動向からこの調整事業も意味が薄れてきているが、今回のオオタカの営巣確認により事態は変わた。 オオタカを守るということは武蔵野の林ばかりか周辺の畑や川も保護していく必要がある。 オオタカを守っていくことで逆に農家も潤い住民の7割が望んでいる環境保全が実現されるのを願っている。
No.040
2007.06.12

花暦

「豊かな自然は、この風土の自然人に永遠の暦を与えた。自然は四季を象徴する植物を 与え、月々を暗示する花々や果実を決めてくれた。日本人はそこから花暦を造り出した。」江戸時代末期に日本を訪れたシーボルトは 著書「日本」の中で花暦を紹介した。四季折々豊かな自然と、その自然の移ろいと共に生きる日本人の特性をよく表わしている。 今季節は梅雨に。梅が実り、紫陽花、ノハナショウブを愛でる。憂いな梅雨も稲作にはなくてはならない。 温暖化のためだろうか。梅雨入りが遅れているが、花暦が永久の暦であることを願っています。
No.039
2007.04.18

食料事情の憂いU

昨年12月に「食料事情の憂い」でエタノール問題を掲載しましたが、ことは急展開している。 トウモロコシを米国に輸出しているメキシコでは主食が急騰し生活を圧迫している。トウモロコシの9割を米国から 輸入している日本では酪農や養鶏の飼料が既に2割上がっている。米国の農家も害虫に強く収穫も多い遺伝子組替えのトウモロコシに切替えようと しており、非遺伝子組替えのトウモロコシの入荷はますます困難になろうとしている。また大豆より儲かるトウモロコシを作付けの計画する農家が 多く大豆も高騰しそうな雲行きである。欧州の菜種油も需要が逼迫しており、日本でも105円のカレーパンが120円になる影響が出ている。 エタノールが注目されてたった1年でこのありさまだが、エタノールが本格的に利用されるようになった時、また天災で穀物の収穫が減収すると 穀物は世界規模での奪い合いとなる。食料自給率40%の日本に北朝鮮の食糧不足を対岸の火事と見る余裕はない。
No.038
2007.03.10

気の流れ、水の流れ

漢方医学では『気の流れ』と『水の流れ』が重要視されている。『気の流れ』は気持ちが滞ると 体の異変に繋がる。精神的な病はまさに『気の流れ』の滞りである。『水の流れ』は血液の流れも含め体内の水の流れが滞ることにより体内の機能が 低下し、最悪死に至ってしまう。体は『気の流れ』と『水の流れ』のいずれかが滞っても異常を来たす。地球は生命体と言われるが、地球にもこの 『気の流れ』と『水の流れ』の説明が実によくあてはまる。『気の流れ』は空気の流れ。すなわち高気圧、低気圧のバランスだ。このバランスが異常になると 温暖化や異常気象を引き起こしす。『水の流れ』は、雲、雨、川、海の循環であり、この循環が異常になると水害や干ばつを引き起こし、時には 地上の生物の命を奪いかねない。 『気の流れ』と『水の流れ』は相互に関係しあっていることは体も地球も同じである。地球が生命体と言われる所以である。
No.037
2006.12.16

食料事情の憂い

日本では飽食の時代が続いていますが、世界の飢餓人口は増えており2002年の調査では世界で 8億5200万人が飢えている。一方で世界の肥満人口が10億人を超えて、ついに飢餓人口を上回りました。日本の食糧自給率40%は 世界の先進国のなかでも最も低い数値です。日本は世界中から食べ物をかき集めている状態です。しかし、日本は毎年2180万トンの 残飯を排出しており、金額に換算すると11兆円となるそうです。今後の食料事情の行方は、中国とインドにかかっています。 両国は今は自給自足していますが食料消費量が増えて輸入量が増えると大変です。中国が欧州並みの消費国になると世界の穀物の 40%を中国が独り占めすることになります。食料事情はさらに自動車の燃料問題がからんでいます。ガソリンに代わる燃料として救世主のように言われている自動車のエタノール燃料問題です。 欧州では菜種油を、米国ではトウモロコシをエタノールにしている。しかし世界の食料の増産は既に限界に来ています。残飯問題とエタノール問題、そして 更に最近では漁業資源問題も浮上しており日本は食料事情をきちんと見つめなおす必要がありそうです。 
No.036
2006.11.16

お山の杉の子

戦後幼少の頃、『お山の杉の子』という歌が流れていたのを記憶している。確か2番の歌詞は「まるまる坊主の 禿山はいつでもみんなの笑いもの〜♪これこれ杉の子起きなさい〜♪・・・」だったと覚えている。ただこの歌に乗って杉がたくさん植樹されていたとは 思いもしなかった。住宅事情を鑑み杉を植えたようである。それから半世紀。花粉症の元と騒がれている。安い外材を使ってきたので日本の杉が使われずに残って しまったのである。杉ばかりのいわば単層林が日本中に広がっていることと昨今熊が里に出没することとつながってきている。 杉を積極的に建材等に使うことで林業業者を潤し、荒廃した山林が手入れされ、多様な木々の複層林に戻すことが自然界の摂理にかなうものではないでしょうか。 
No.035
2006.08.06

世界の合言葉へ

『MOTTAINAI THANKS BAND』を購入しましたら「MOTTAINAIは世界のアイコトバ」と書かれていました。 この商品はすべてケニア産の天然素材を使ったケニアの女性たちによる手作り商品で、ひもの部分は丈夫なザイザル麻、鮮やかなビーズは ケニア・ニエリ地区の天然粘土でできています。販売価格の10%が植樹活動「グリーンベルト運動」に寄付されます。 そして「もったいない」は環境活動の3Rをひとことで言い表す日本の言葉であり、ヒト・モノ・コトへの感謝の気持ちと大切に使う心と紹介されていました。 日本で育まれた「もったいない」は世界の合言葉になろうとしています。日本の生活文化に誇りを持ち大切にしていきたい。 
No.034
2006.05.01

水俣の猫

私が水俣病の状況を知ったのは水銀に汚染された魚を食べた猫が苦しがっている様子だった。 5月1日は公害の原点・水俣病の公式認定から50年の節目。今なお病気に苦しむ人が多い。 ことの起りは74年前の1932年、原因企業のチッソがアセトアルデヒドの製造に触媒として水銀を使い始めたことに始まる。 魚介類が水銀で汚染されたことで生活の糧まで奪われてしまった。 経済の高度成長とともにイタイイタイ病、川崎病、瀬戸内海の赤潮等々、多くの人々が公害に見舞われた。 「魚わく海」「不知火の海」と呼ばれた豊穣の海・水俣湾は幸いにも徐々に再生されつつあるようだが、 今は世界規模でコイヘルペス、トリインフルエンザやBSE問題など不気味な様相を呈している。 水俣の猫は経済優先社会への警鐘であり自然環境の尊さを教えてくれたと今でも思っている。 
No.033
2006.04.18

食育基本法まで?

この飽食の時代に食育の必要性が叫ばれている。朝食抜きによる子供の体力・気力の低下、偏食・過食による摂取区障害、 食事マナーの乱れなどから食育が注目されている。動物であれば食べることは生命維持の不可欠要素であるはずだが食べることが軽視されている証なのであろう。 自然の本物の味を忘れ、ファーストフードの便利さに頼り過ぎたこともあろう。そして『食育基本法』という法までできたと聞いてその深刻さに驚かされる。 人間にとって食べることは本能のはずが、後世、飽食の時代には食べ方まで指導しなければいけなかったと語り草になるのか。
No.032
2006.02.04

食の安全

米国からの牛肉がBSE問題で輸入開始後1ヶ月で停止となった。日本の安全基準は 世界の安全基準と比べて厳しすぎると米国は言う。公害問題を経験してきた日本人は低農薬の野菜や有機野菜を求めるように 今環境問題に敏感になってきている。青森のりんごが中国では1ヶ1000円で売れるという。日本ではブランド米が好評だが、低価格の日本米でも海外では好評である。 味もさることながら安全性も大きい。漢方薬と言えば中国だが、中国人の中には安全面から漢方薬を日本から取り寄せる人もいるという。 日本は風土の特質を活かし、品質とともに安全を売りに食料輸出を差別化するのも生きる道の1つでもあるように思える。
No.031
2006.01.07

流氷の効用

まもなく流氷の季節がやってくる。かつて網走の流氷は無用の長物だった。漁業には出られないし氷を渡る風は非常に冷たくやっかいものであった。 しかし網走の流氷は人が住む場所から一番近くから見られる流氷ということもあって今では冬季に210万人の観光客で賑わい地域にとってなくてはならないものとなった。 流氷の効用はそればかりではなかった。冬季に漁業を休業することで業漁業資源の保護になることが判った。 また氷に太陽が当たると植物プランクトンが増えて漁業資源が豊かになることも判った。やっかいものが実は大切な意味を持っていたのだ。 自然の恵みは適度に利用することでいつまでも自然の恩恵を受けることができることを教えてくれた。
No.030
2005.10.29

コウノトリ野生復帰計画の意義

コウノトリの野生復帰計画が兵庫県豊岡市で開始された。この計画の意味するところは大きい。 コウノトリが自然の中で生きるということはコウノトリが生息できる環境を整えることを意味するからだ。棚田や湿地をしっかりと保存するのは勿論のこと 豊岡市ではコウノトリの餌場となるよう農家の常識では考えられなかった冬場の田圃に水を張った。野生復帰は、人間中心の利益追求から絶滅に追い込んだ コウノトリとの共生関係を結び直す取り組みである。コウノトリで飯がくえるかという問題ではない。コウノトリのために整えた自然環境が今までがそうであったように やがて自然が人間に豊かさをもたらしてくれるのだ。意識改革の成果が問われる。
コウノトリが人間に幸せを運んでくれるようになることを期待したい。
No.029
2005.08.21

ロハスな生活

環境活動というととかく専門的であったり義務的な感じがするが、自然生活そのものを楽しむ、あるいは 昔からの道具を積極的に生かしたライフスタイルが人気だ。すなわち受動的な環境活動でなく庶民レベルでの能動的で 環境に優しい生活と言えよう。このようなライフスタイルを”ロハス(LOHAS)”という。ココロとカラダ、地球に優しいライフスタイルである。 ロハスはLifestyles of Heaith Sustainability の頭文字をとった造語である。 自然と共存した生活を伝えるTV番組も増え、 買って嬉しくなるエコロジー通販誌も爆発的な売れ行きと聞く。
食の安全問題もあり環境保護への意識が庶民レベルに広がり始めた証ではないだろうか。 
No.028
2005.07.16

地域活性化は特産から

今朝なぜか日本農業新聞が入ってきた。紙面から地域の特産を目玉に地域の活性化を図ろうとする 記事が目に付いた。もともと『土産』とは地域の特産だが、最近は手軽に手に入るので珍しさも薄らいでいる。特産を辿れば農業・林業・漁業の 地域の自然の恵みが基でそれを人間の知恵で活かしたものだ。地域の活性化はとかく商業からアプローチしがちだが、 「地域の一次産業を活性化しないと二次産業(製造業)や三次産業(商業)は成り立たない」とあたり前のことを再認識させられた。  
No.027
2005.04.29

みどりの日

4月29日はみどりの日。緑を楽しめる時期であり最近は緑を考える日にもなった。 おりしも愛地球博が開催中だ。 マータイさんのノーベル平和賞受賞は30年近く植林運動「グリーンベルト運動」を続けた結果だが、薪を探しに遠くまで行かなくてもよくすることで 女性の生活を改善するためであった。これにはケニアでは国土の1.7%しか森林がないという事情があった。「グリーンベルト運動」はこれを 10%にすることを目標とされた。一方日本では国土の70%が森林であり非常に恵まれた環境にある。 しかし、現在は森林の荒廃が心配されている。生活環境が変わってしまい薪を使うこともなくなったが、恵まれた環境をどのように維持するかが大きな課題である。  
No.026
2005.03.13

もったいない!

環境分野でノーベル平和賞を受賞したマータイさんが来日して非常に感動した言葉『もったいない』は 『MOTTAINAI』との表現で世界に発信された。日本での反響は大きかった。yahooで「もったいない マータイ」で検索すると凡そ6600件にもおよぶ。 4R運動(リデュース、リユース、リサイクル、リペア)の精神として広めたいという。 『もったいない』は『尊い』の意味である。すなわち『尊い自然の恵み』との意味になる。 その精神は禅の心に見られる。禅寺での食事では箸をつけた器の料理は綺麗に全て頂くように言われる。また懐石料理とは茶の湯で 茶を出す前に出す簡単な食事のことだが、温石で腹を暖め空腹をしのぐほどの粗末な食べ物のことである。
日本人の忘れていた日本文化の美徳の精神を見直すよいきっかけになったようです。  
No.025
2005.02.19

京都議定書の重み

2月16日、京都議定書が発効した。環境と経済の両立に向けた歴史的な一歩を踏出したが、 人類の生存をかけた行動と言っても過言ではない。温暖化が人間活動に起因していることは言うまでもない。温暖化が進むと、赤道域の熱を 北半球に運ぶ海洋循環が狂う。それに起因して温暖化、寒冷化、干ばつが多発し、食料や水供給の紛争が起きる。日本は世界CO2排出量の 5.2%であるが、温室効果ガスを1990年比で14%も削減しなければならない。これは、一週間に一日全国民がエネルギーを使わないということに 相当する。容易な目標ではない。改めて人工的なエネルギー環境の生活基盤の中で生活していることを思い知った。 来日して京都・清水寺を訪れたノーベル賞受賞のマータイさん(No.20参照)は、清水寺を取り巻く環境に驚嘆していた。そして日本から『もったいない』 という言葉を学んだという。世界に広めたいともいう。
京都は日本のシンボルだが、京都が世界の環境の聖地になったら素晴らしいことだ。  
No.024
2005.02.05

生きる力とは

昨年の大雨と地震、そして19年ぶりの豪雪の中越。自然は非常なまでに気ままである。 そんな中、仮設住宅に住む半蔵金の77歳のおばあさんが自足自給の生活をしているのを見た。春になったら畑をやると 笑顔で話していた。顔の色艶も表情も素晴らしかった。3mを越える雪の中の暮らしでどうして自足自給の生活ができるのか不思議であった。その様子を 見た後、8円だけしかなくなって飢え死にした若い都会生活者のニュースが流れた。都会生活の非力さを感じるとともに 自然の力の大きさを感じさせられた。  
No.023
2005.01.08

自然と人間の心

未曽有の被害のスマトラ沖地震がありましたが中越地震から2ヶ月半が経った。早いもので阪神大震災から10年になるが、今でも鮮明に覚えている。 阪神大震災の時に印象的だったのは女性が明日の生活のために市場を素早く立ち上げたことと孤老死であった。中越地震で印象的だったのは地域の人達の絆の 強さと感謝の気持ちの大きさだった。『誰にもらったのか判らんではないか』と苛立つ老人から『将来恩返ししたい』という子供まで の言葉に驚いた。本来の山古志村の美しさ、村をこよなく愛する気持ちも新鮮だった。阪神大震災は都会の震災、中越地震は山村の震災 と言えるが、人々の心は自然との関わりが深いのではないかと思えた。  
No.022
2004.12.14

人間の身勝手

東京都奥多摩町と神奈川県丹沢で山林での砂漠化が進行しているという。いづれも杉林と 鹿と過疎化が絡んだ問題である。奥多摩では植樹した杉の苗が膨れ上がった鹿に食べ尽くされた。 丹沢の放置された下草もない杉林は昼でも真夜中のように暗く『ちょうちん山』と呼ばれる。エサもなく鹿も住めない。とても健全な山とは言えない。 「山林は、人が一度手を入れたら最後まで面倒をみないとおかしくなる」のだが過疎化で手が届かない。鹿やイノシシなどが山から里に運んだヤマビルによる吸血被害が深刻化している。人間の都合で山に起きた異変の連鎖は、 自然の発する悲鳴にも聞こえる。熊や猿の被害も根源は同じだ。奥多摩や丹沢だけの問題でない。山は恵みの源でもある。 一時も早く混合林の健全な山林に戻す施策が必要なのでないか。  
No.021
2004.11.27

日本人の心像風景・紅葉

春は桜、そして秋と言えば紅葉。♪秋の夕日に〜照る山もみ〜じ♪の歌は明治に作られた文部省唱歌『紅葉(もみじ)』。広葉樹の葉が赤や黄色に 変色する現象を広く『紅葉(こうよう)』と呼ぶ。紅葉の代表歌に『ちはやぶる神代も聞かず竜田川 から紅に水くくるとは』(在原業平)がある。 「さまざまな不思議があったという神代の時代でさえ聞いたことがない。竜田川が、紅葉の紅でくくり染め上げられるとは」との意味だ。 紅葉で京都を訪れる人も多いが紅葉の美しさだけではなさそうである。紅葉とマッチする風景もあるようで心の旅でもあるようだ。 『床紅葉』という鑑賞もある。紅葉の風景は、千年も前から日本人の遺伝子に組み込まれた自然を愛でる日本人の心像風景である。 日本人であることを誇り、感謝したい。  
No.020
2004.10.09

環境分野に初のノーベル平和賞

ノーベル平和賞が環境保護運動家に初めて贈られた。ケニアの環境保護運動家ワンガリ・マータイさん。 アフリカ人女性としても初めてのノーベル平和賞の受賞だ。30年で3000万本におよぶ植林活動は、砂漠化の防止だけでなく、 貧しい女性を動員し女性の地位向上も目指すもので、貧困や紛争の解決にも大きな影響を及ぼした。 「地球上の平和は我々が安全な生活環境を維持できるかどうかにかかっている」と受賞理由が説明された。
マータイさんは繰り返し訴える。「木を植えることは、貧困や飢餓を解決することだ」と。
森の恵みと、今年、異常に出没する熊と人間の格闘がダブって見えた。  
No.019
2004.09.20

心の文化

日本は経済大国から文化観光国に移行し始めた。四季の自然あり、温泉、歴史的建造物に加え、 文化遺産がある。華道、民芸、食文化など日本の自然との係わりから生まれた文化である。それに日本人の自然観からくる心の文化もある。 優しいもてなし、小さな気配り。心に残る日本滞在は日本の自然を満喫してまた来たくなることであろう。文化立国フランスとは一味違う 文化国家が築けることでしょう。それがまた日本人が日本の自然を見直すことになる。 
No.018
2004.08.09

再生への動き

不老川は、東京都瑞穂町に源を発し、入間市・所沢市・狭山市を経て川越市で新河岸川に合流する 流路延長17.0kmの一級河川です。昭和40年代から西武池袋線、西武新宿線を中心とした宅地化が急激に進行した ことから元来自流の少ない川に生活排水が流入する状況となり、全国水質調査でワースト1の汚名を受ける汚濁河川となってしまいました。 また不老川は増水により浸水被害も起こしていました。悪化した水環境の改善を行うために、清流ルネッサンス21が策定され官民一体となり水環境改善に取組んできました。 河川工事では川幅も広くなり、この夏、子供達が川で遊ぶ姿が見られるようになりました。新聞には近隣の人たちが河川の清掃を行ったことや、蛍のえさとなるカワニナも放流するとの記事が載っていました。
川に足を入れた子供達の感想・・・『気持ちがいい』は何よりの成果である。 
No.017
2004.07.04

温暖化の行方

地球温暖化が騒がれて久しい。最近、このまま温暖化が進んだ場合の日本のシュミレーション 結果を目にすることが多い。リンゴの産地は北海道に移り青森は特産地でなくなるとも。2070には黒潮が知床半島まで北上し、親潮とぶつかる 「潮目」は現在の三陸沖から北方4島沖に移るという結果も。こうなると、鮭もニシンも取れなくなり水産業は大きな影響を受ける。 当然のことながら日本近海の生態系も陸地の生態系も変わってしまう恐れがある。とりわけ東北地方や北海道特有の四季、海山川の幸が 消えることになりそうである。 
No.016
2004.06.18

バーチャルウォーター

『日本は世界一の水輸入国』と言われる。 それは今の豊かな日本を支えている輸入品の生産が海外の大量の水に依存しているからである。 日本の食料自給率は40%に過ぎず、穀物の自給率に至っては28%だ。 例えば牛肉300gのために6000gの水が、鶏の卵1ヶにお風呂1杯分の水190gが必要とされる。 食料の60%を輸入していることは、それだけの水を輸入していることになる。 ちなみに日本の食料の大半は米国と中国からの輸入に頼っている。しかし、米国の穀倉地帯は地下水の汲み上げ過ぎで水不足の危機に瀕している。 また、中国は人口増加と国内使用量の増加で水不足に陥っている。黄河では1972年から河口まで水が届かない「断流」現象が おきており、農業用水が激減している。中国は世界一の食料輸入国になりかねない。
日本は食料自給率をもっともっと上げなければいけない時期にきている。  
No.015
2004.06.11

軟水の妙味

欧州の水は硬水、日本の水は軟水。 これには地形的な要素が絡んでいる。欧州は地形がなだらかゆえに地下水がゆっくり流れる。 一方、日本の地形は急峻なため地下水にマグネシウムやカルシウムが含みにくいためだ。日本食の豆腐、ご飯やお茶。 これには日本の水が軟水であることと関係が深い。 豆腐は硬水では硬くなってしまう。軟水でご飯を炊き上げた時の甘み、美しさの秘密は程よい水分量が関係する。日本茶が 美味いのも軟水ゆえにタンニンが上手く溶出ることで渋み苦味のバランスがよいことによる。 究極は秋田県の「さしまんま」や福島県の「水そば」。日本は地形がもたらす恩恵にも恵まれている。  
No.014
2004.05.22

四季の仕組み

日本列島は北緯35度を中心に凡そ+−10度の範囲に位置している。 日の出の時間は夏は、札幌−仙台−東京の順となるが、逆に冬は東京−仙台−札幌の順となる。 また、福岡−那覇の順序も冬と夏では逆になる。これは地軸が傾いていることによる。 地軸が傾いた地球の自転と公転。これが昼夜・四季の発生要因となり熱の対流を産む。 熱の対流が雲を呼び、雨を降らせる。雨が地上を潤おし、太陽が生命を育む。 なんとも自然の仕組みは壮大である。 
No.013
2004.04.10

食の感性

人間の味覚には、辛い、酸っぱい、甘い、苦いの4種の基礎味覚がある。 しかし、食の感性を表す日本語には、『コクがある』『まろみがある』『舌触りがいい』『歯応えがいい』『とろけるよう』『シコシコする』 『口当りがいい』『弾力がある』などなどがある。更に『香りがいい』『目を楽しませてくれる』などの要素が加わる。 これらは、食べ物を形容する言葉である。 単に『うまい』でなく、食の感性を表す言葉をこれほど使いこなす日本人。これも豊かな自然に溶け込んで きた日本人ならではの感性ではないかと思う。 
No.012
2004.04.04

温帯のマングローブ・葦

かつて日本各地にあった葦原は、いつの間にかコンクリートの護岸の下に消えてしまった。 屋根の材料や簾に使われていた葦だが70年代以降、新建材の普及で葦の需要は減り、無用の葦原は消える羽目になった。 しかし、葦は川の流れを緩め、デンプンや窒素を吸って水をきれいにする一方で、 アシハラガニは葦の根元でその栄養をもらい、根元の微生物も汚れを分解していた。 葦原の川ではウナギやシジミ、ワカサギ、スズキ、ボラなど豊富だったと聞く。 干潟に生える葦は、海水を浄化し、生き物を育むマングローブと同じ役割をしていたのだ。
一見無用に見える植物にも大きな役割があり自然界を保っている。 
No.011
2004.01.10

村がこければ・・・

日本の食料自給率はついに40%を切ってしまいました。 水産物も多くは輸入品とか。まして木材は海外に依存してきました。『三ちゃん農業』と言われて久しいですが、 各地でますます過疎地が増えています。山の荒廃、田畑の放置、寂れる漁村。山村、農村、漁村から街に人が移動してしまったためです。 このままでは日本の食料自給率は下がるばかりです。
『村がこければ街こける』と言われますが、近い将来おきても不思議はないです。
戦時中、街場の人々は、農村への『疎開』により生活を支えたという事実を思い出して下さい。
山村・農村・漁村が潤う仕組みを考えませんか。 
No.010
2004.01.04

穏やかに新年

満点の星、今年も近所の神社で新年を迎えました。 元旦も晴れて穏やかな日和となりました。
明けましておめでとうございます。本年も『風土の恵み』宜しくお願い致します。
元旦のテレビに日本各地の風景が映し出されていましたが、なんと美しい風景なのかと改めて日本の自然の素晴らしさに感動 致しました。元旦の毎日新聞に『よみがえれ ふるさとの森』『スローフード・スローライフ』の別冊特集記事が入って いましたが、自然の恵みと先人の知恵は素晴らしいですね。今年もその心をお伝えできるよう頑張ります。 
No.009
2003.10.28

自然の蘇生

多摩川に100万匹の鮎が復活したとテレビで報じていた。 昭和40年代、洗剤で多摩川は汚れ、泡の川であった。あれから35年程、川が蘇った。 下水道の整備が進んだことも大きいが、川が自然のまま残されたのが大きい。 河岸の草、深みやせせらぎ、穏やかな流れなど魚が住みやすい多様な 環境が残されたことが蘇生の大きな要因であった。東京湾が綺麗になったこと、堰が整備されて溯上しやすく なったことも大きい。また鮎の復活につれて多様な生物も復活した。
多摩川は自然のままなら蘇生することを示してくれた。『風土の恵み』の望むところです。 
No.008
2003.09.28

地球は生命体

『地球はそれ自体が大きな生命体であり、すべての生命、空気、水、土などが有機的につながって生きている』 というガイア理論。理論はともかく、太陽エネルギーのもとで動物、植物、バクテリアによる有機物・無機物の循環とその 循環を支える大気・水・土壌がある。土壌は地球の体だろう。その体を潤おす多くの水。川は養分を運ぶ血管や葉脈に見える。
異常気象や砂漠化を聞くにつけ地球も微妙なバランスの上になりたっていると実感する。
No.007
2003.09.28

長い目でみれば

木更津市の小櫃川河口に広がる干潟。ここに干潟の防人がいる。 『干潟のアシはデンプンや窒素を吸って水をきれいにする。アシハラガニはアシの根元でその栄養をもうらうんだ。』 『干潟が死ねば漁業も死ぬ』と地元漁師として海を守る活動の先頭に立ち続けている。アクアラインを当てこんで ケタ違いのお金が地域に流れこんだ。逮捕者や自殺者も出たそうだ。防人は言う。『観光や地上げなど考えず、農業や漁業で暮らす方が長い目でみればずっといい』
海、干潟の大切さを知るひとの言葉は重い。
No.006
2003.09.01

感じる観光へ

北海道の然別湖では自然に手をつけない大自然が人気を呼んでいるそうだ。 岩手県の遠野や青森県・秋田県に跨る白神山地も人気だ。中央の時代から地域への時代の変革に伴い 各地で地域の特性を活かした村造りが行われていることも拍車をかけている。地域の自然の恵みを味わい、人の優しさに触れ、 大自然を肌で感じる旅行。
名所・名跡を『見る観光』から癒しを『感じる観光』へと変わりつつあるようだ。
No.005
2003.08.12

環境に国境なし

最近、キンメダイの水銀問題が騒がれている。マグロやカジキ、鯨にも多いのに何故か。 どうやら一度に食べる量が問題のようだ。食物連鎖の世界では最後は人間への問題となる。日本の川や近海の水質はかなり良くなったが 結局は大海原で薄められただけだ。今、中国で山峡ダムが完成しようとしているが、長江の水質汚染が深刻のようである。長江の汚染は やがて黒潮に乗って日本列島の海域におよびかねない。環境に国境はない。中国のためにも水俣病の教訓を生かせないものか。
No.004
2003.08.09

ブランド野菜

商品の付加価値による差別化が盛んだが、農業分野でもブランド化という差別化が始まってきた。 魚沼産の米、丹波の黒豆のようなブランド化。 JBAC(日本ブランド農業事業共同組合)も発足している。自主的な経済活動を促進し、経済的地位の向上を図ることを目的としているという。 もともと『お土産』という地域のブランド品があったが、いつのまにか全国均一化が進んでしまった。 『お土産』とはその地特有の産物であるから貴重であったのだが・・・。 農業のブランド化とともに背景にある自然の保護と文化や知恵の継承・育成も忘れないで欲しい。
No.003
2003.07.01

電気という恵み

先月22日夏至の夜、日本各地で夜景スポットでライトダウンが実施された。東京タワー、 道頓堀の江崎グリコのネオン、札幌時計台、名古屋城、首里城・・・・・。せわしない現代につかの間の「暗闇」が生まれ、人々はエネルギーの 大切さや自らのライフスタイルなどにゆったりと思いをめぐらせた、と新聞が報じた。原発の相次ぐ不祥事で原発が殆ど停止状態のため 夏の電力不足が危惧されている。一方、ヨーロッパでは熱波が襲っており、連日のように35度を越え、イタリアではクーラーの使いすぎで 3日間ほど全国的な規模の停電が起きたという。対岸の火事では済まされない。環境問題から原発やダムが見直されているが、電気の有り難味をもう一度見直す時期が 来たと思う。一過性の問題で終わらせてはいけない。
No.002
2003.06.21

食の原点

雪解け水が豊かなブナの森を抜け最上川に注ぐ。その合流点にあたる山形県朝日町は 肥沃な土地にリンゴ畑と棚田が連なる美しい町とのこと。小さなあぜは曲線を描く。そこに米作りを大切に考えている人がいた。 25アール余りの田から穫れる米は15〜16俵。全部売ったとしても、隣の休耕田に泳ぐニシキゴイ1匹の値段にもならないそうだ。 それでも米を作る。「人間、米と燃料があれば大丈夫だ」との言葉は戦時中食べられなかった経験から、米作りを大切に考えている とのこと。日本の今の食料自給率は40%でしかない。米は供給過剰とは言え、不甲斐ない農政に対し、本当に頭が下がる思いがした。
No.001
2003.06.14

森の地産地消

林業の荒廃が叫ばれていますが、本当に必要なのは林業の自立 のはずです。山で生活の営みが可能になれば、人と金は巡り回ってきます。公共施設や住宅を作るのに地元の森林の木を使う 「地産地消」が岩手県や高知県で始まったとの記事を見てこうでなきゃと。安いからと外材に依存せず意識的に 日本の木材を使うことが林業再生の王道だと思います。「地産地消」は農業分野で見直されてきていますが、 韓国にも「身土不二(シンドフジ)」という考えがあります。体と土は一体の意味で、韓国での自国生産・自国消費 運動で食文化を守る意味もあるそうです。「森の地産地消」には地元経済を潤す効果もありますが、木の文化を見直す機会にもなるでしょう。
   

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