一人旅のすすめ(Vol.25)
非日常の中の日常



VOL.25:非日常の中の日常


普段の生活のリフレッシュとして行く旅行、
その中で出会う”普段の生活”について考えてみます。


日常からの脱出と遭遇

旅先での風景は、普段ほとんど見る事のできない風景が多い。
普段の身の周りには、TVや写真などで簡単に見られる世界中の美しい画像や映像が溢れ、
名産グルメもネットで手軽に注文できるような今日のような状況でも、
目で見るのと五感で感じるのとではまさに天と地、酒と水、宝くじ前後賞と二番違い、
得体の知れない、しかし確実な違いがあり、その違いを求めるからこそ、
旅行そのものは廃れないのだと思う。


普段の生活=日常、旅行=非日常という図式は当たり前の事であり、
旅行というのはそれを求めるものだと言うのも、いうまでもないことなのだが、
その非日常な環境のおかげで、日常が見えてくるという事も多々あると思う。
以前の記事でも書いたが、普段考えないような事をふと考えてしまったり、
考えないようにしている事(笑)にまで、普通に考えが至る事も珍しくない。
どのような時にそうなるのだろうか?

新鮮さと安心感

まず旅先で一番感じる事は新鮮さだと思う。
見た事のない景色、珍しい食べ物、土地の雰囲気、色々な(ポジティブな)慣れていない事に触れ、
気持ちも高揚してエネルギッシュに過ごすようになる。
ただ、やはり人間、いつまでもそのテンションを維持するのも難しく、
疲労も普段よりはるかにたまりやすい。
その中で、ふと息抜き的、安心を求めて無意識に普段の日常と目の前の非日常を比べる事がある。
一人旅の場合は、自分で旅行中の行動や雑事を仕事的に色々考える事が多い分、
気分的な息抜きとして、なんとなく普段思い慣れた日常の事を思い返す事も少なくないのではないかと思う。

その多くは、「旅行中くらいは日常のことを思い出したくない」という思いから
すぐに打ち消されてしまうのだが(笑)、それらを思い出す事は、決して悪かったり、
もったいない事ではないのではないだろうか。

普通を実感してみよう

普通ではないような状況で考える普通の事は、普段では思いつかないような(笑)アイデアや決断が出てくる事も少なくないし、
気分が高揚している分、ポジティブに捉えることができ、いい意味での人生の転換点の
きっかけになったりする事もあるかもしれない。
また、非日常の中に入る事によって、”日常”を客観的に、改めて実感するというチャンスでもある。
ちょっと変な話になるが、自分の生を実感するのは、身近な人の死に触れた時という。
旅自体も大なり小なり同じで、身近な非日常、それに触れた時に、当たり前にある日常を実感して、
感謝すべき事、修正すべき事、なかった事にする事(笑)などをよく整理したりするチャンスなのかもしれない。


普通ではないものを求めて旅をするということは、
普通を改めて見据えたいからなのかもしれない。





普段の人生、今までの普通が突然普通でなくなったり、
その逆もまた然り。
めまぐるしい人生の中(笑)では、
その時の普通というものを実感する事も大事なのかもしれませんね。

これらの記事に関するご感想等を頂ければ幸いです。


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