一人旅のすすめ(Vol.24)
青春18切符



VOL.24:青春18切符


一人旅をするときは18切符・・・
そう決めている人もいるほど、一人旅に似合う青春18切符(笑)。
今回はその一人旅の”友”についてです。


青春18きっぷについて


列車でいくオンシーズン一人旅のホームラン王(笑)青春18切符。
安価な事、その使いやすさもさることながら、ネーミングを含めた、この切符の持つ今まで培われてきた独特の雰囲気が、
この切符の大きな魅力の一つとなっていると思う。
しかし、そのネーミング故に(笑)名前はメジャーでも、使い方、特徴がいまいちわからないと言う人も少なくないのではないだろうか?
今回は、その一人旅の友とも言える青春18切符にスポットを当ててみよう。

利用できる列車・路線:JR全線の普通列車、快速列車の自由席、宮島航路
有効期限:1枚につき1日
販売形態:5枚一綴りセットで販売。
取り扱い箇所:みどりの窓口、主な旅行会社等

利用できない列車:特急列車・急行列車・新幹線
グリーン車の利用:普通列車・快速列車のグリーン車を使う場合は、自由席グリーン車に限り、別途グリーン券を購入すれば利用できる(指定席グリーン車の場合は不可)。
ホームライナー・乗車整理券が必要な列車の利用:別途対応チケットを購入すれば利用OK
指定席の利用:普通列車・快速列車の指定席を利用する場合は、別途指定席券を購入すれば利用OK
特急・急行列車の利用可能区間:普通列車が走っていない津軽海峡線の蟹田(青森)〜木古内(北海道)間・石勝線の新得〜新夕張(北海道)間のみ、特急・急行列車の普通車自由席に乗車できる。

5枚綴りではあるが、一人で5枚使わなければならないと言うわけではなく、グループで使うことも出来る。
有効期限について:原則当日のみ有効(日を跨ぐ場合は日付が変わった最初の停車駅まで有効)
 なので、夜行列車などで使う場合は注意が必要(例:23:58に青春18切符を1枚使って改札を通り、
 23:59発の普通列車に乗車して、次駅に0:01に到着した場合、その駅で前日付の切符は無効となる)。
 但し、東京・大阪近郊の電車特定区間内では日付が変わっても終電車まで有効。
払い戻しは、未使用有効期間内に限って、\210の手数料で払い戻しOK

JRバスの利用:不可
トレン太くんの利用:不可
子供料金:青春18と銘打つくらいなので設定無し
JRの路線のみ有効なので、第三セクターなど相互乗り入れを行っている鉄道(例:東北本線の盛岡〜八戸等)については、
別途運賃等料金が必要(一部路線では別料金なしでそのまま乗車可能なので要確認)。
○JRホテルグループ予約センター(03-3216-0489)9:30-18:00 土・日・休日休で、予約時に青春18切符利用と申告する事で、JRホテルが割引になる。
 ただし、割引は18切符利用日にチェックインする事が条件。
○名称に青春18とあるが、長寿世界一の方でもばっちり有効。

主な利用方法

大きく分けて二つの利用方法があると思う。

1.長距離移動に使う
これはもう、ある意味18切符利用法の王道だろう(笑)。
出来うる限りの距離を稼ぐ事によって、交通費を節約するという、まさにこの切符のコンセプトの一つ(貧乏旅行)である。
ダイヤをうまく繋げれば、かなりの距離を移動することができる。東京からだと、名古屋や大阪、松本などの信州、東京〜仙台程度の距離であればある意味楽勝(笑)、
糸魚川などの北陸、秋田、門司、青森(別路線を利用するための料金が18切符より高くつくが)、まで到達する事も可能と、相当な潜在力を秘めている。
のんびりとひたすら列車に乗りたい人、節約してその分他の旅行リソースに資金を回したい人、限界に挑戦したい人(笑)、等このような使い方に挑戦してみてはいかがだろうか。

2.気ままな乗車に使う
これも18切符ならでわの使い方である。目的地に直行せずに思いついた駅で途中下車する。たとえば駅に列車が入った時、目に飛び込んできたその風景が気に入ったのでふらっと降りてみる。
小腹が減ってきたので、ちょっと降りて地の物を食べてみる。通り過ぎた駅の周りの街の景色を、やはりじっくり見てみたいので(笑)、引き返してみる。
列車さえあれば、まさに自由気まま、列車の向くまま気の向くままに費用や切符購入を気にせず行ったり来たり出来るのも、18切符の大きな利点だと思う。
ただし、列車の本数が少ないところでは、途中下車をしてもその日の目的地までいけるかどうかはしっかりチェックしておく事。


テクニック

・・・というほどのことでもないが、いくつか知っておいたほうがいい点を挙げてみよう。

特急列車のようにゆったり移動
もちろん上記のように、特例として特急列車に乗車できる区間はあるが、それ以外での例である。
もちろんキセルなどをして本当に特急列車に乗るわけではない(笑)。
地方によっては、快速列車に特急列車の車両を使っている例があり、それをうまくキャッチできれば、特急列車の車両で悠々と移動が出来る。
個人的な経験では、新井から新潟まで走る快速くびき野、新潟から酒田まで走る臨時快速ジョイフルトレインきらきらうえつ(指定席料金が別途必要)など、
長距離を走る快速列車や、ジョイフルトレインに見受けられる。また、ムーンライト○○と銘打つ夜行快速列車も、そのほぼ全てが
リクライニング可能な快適な座席を採用している。別途指定席料金が必要な場合も少なくないが、\510で長時間快適なシートで移動できると
考えれば、決して高いものではないと思う(18切符によって運賃は安いし)。
更に、都市圏であれば、ホームライナーなどの通勤用列車にも特急用の車両が使われている事がほとんどなので、うまく利用すれば
混雑する都市圏を快適に移動する事ができる。

尚、ジョイフルトレインは観光用の列車、臨時快速は帰省などのため・・・という性質上、その多くが人出の多い日にピンポイントに運行される。すなわち、混雑する(笑)。
なので、もしも状況が許すのであれば、指定席を確保する事をお勧めする。自由席に乗る場合は、始発駅の場合は早めに並ぶ、
途中駅からの場合は、座れない事も多々あるのでそれなりの覚悟(笑)はしておいたほうがいいかもしれない。

また、定期列車ではないことから、その存在自体を知ることができないこともある。
なので、駅や車内などのチラシで運行情報を見つけたら、メモなどをしておいたり、ネット上の時刻表で検索する場合は、
平日だけでなく土曜、休日ダイヤもマメに見てみるようにしよう。JRの駅であれば、観光用ジョイフルトレインという性格上、パンフレットなどが置いてある場合が多い。


グリーン車を使う
上記のような特急列車の車両を使っている快速があればラッキーだが、実際は当然のごとくそのほとんどが普通の列車である(笑)。
地方の列車のボックスシートは旅情もあるし、時間帯を考慮すればそれほどの混雑もないのでそれはそれで無問題だと思うのだが、首都圏では事情が少し変わってくる(笑)。
人が多く、乗った駅や時間帯によっては座る事もできずに、混雑の中を立って移動する事になる事も少なくない。
そこで、首都圏限定になるが、自由席グリーン車の利用を考慮に入れるのもいいかもしれない。
前述の普通車指定席に比べたら割高になってしまうが、旅行中モードで遭遇する満員電車というのは、
普通のそれと比べても、尋常ではない精神的、肉体的なダメージに見舞われることが多いので(笑)、混雑の回避等、その分の価値は十分にあると思う。
東海道本線や、常磐線、東北本線、総武線など、首都圏の主な路線はほぼ網羅しているので、混みそうな時間に混みそうな場所(笑)を通る時などは、一考に十分値すると思う。
ゆったりとしたリクライニングシートに座ってビル群を眺めるのも、美しい自然の風景を眺めるのとはまた違った良さがある。
また、特筆すべきは、区間によっては列車を乗り換えても、改札口を出なければ一枚のグリーン券で複数の列車を乗り継ぐ事ができる点である。
例外区間も少なくないが、うまく使えば首都圏を快適に通り抜ける事もできるだろう。
快速列車グリーン車の詳細(乗り継ぎ区間詳細など)


時刻表シート
首都圏のような都市部の場合はほぼ不要だと思うが、地方になると、列車の本数が少ないため、
一本遅らせると、後の行程が立ち行かなくなる場合も多々ある。
なので、大まかな列車接続時刻をいくつかパターンに分けて用意しておき、それを紙などに書いて持っていくようにしよう。
その場で携帯などで調べてもいいし、メモリーに入れて持っていってもいいのだが、何が起こるかわからない旅行中(笑)、携帯の電源切れや圏外等、
不意のトラブルになる要素に不自由はないので(笑)、できれば確実に見ることの出来る物(メモ帳など)を用意しておくのがいいと思う。
目安としては、その日の行程中で一番本数の少ないところで、2,3本列車を遅らせた場合のパターンまで用意しておけば安心かもしれない。
本数が少ない=次の列車まで時間がある=その分ゆっくり見られるので乗り遅れにくい(笑)というわけである。


速さとのんびりさ
どの列車に乗ろうか検討する場合、時刻表を見ていると、時々迷うことがある。
それは、同じ目的地に行くにしても、早く出発する行き先の短い列車に乗って、乗換えを繰り返しながら行くか、多少遅い出発の長距離列車に乗って、
乗り換えなくゆったりいくか・・・である。これはそれぞれにメリットデメリットがあるのだが、
先を急ぐ場合は迷うことなく前者、乗換えがめんどくさい場合(笑)は後者と、まあ普通に考えれば明確だろう。
ただ、そこはやはり青春18切符、ちょっと考えをそれらにプラスしてみるのもいいかもしれない。
個人的には、元気がある場合(笑)のお勧めとしては、この場合は早い列車に乗ることをお勧めする。
というのは、乗換えが多い、すなわち、いろんな駅に降りる事ができるので、その街を多少見たりできる。
また、思いつきの途中下車も早い分安全に(?)する事ができる。という具合である。
もちろん、普通列車の旅は特急などのそれより疲れやすいし、休息を兼ねていたり、ひたすら車窓を楽しむなら、間違いなく後者をお勧めするが、
その時の体調、気分などによって臨機応変に対応できるのがも、18切符の大きな利点である。


一例

ひとつ参考に、筆者が以前行った18切符旅行の列車スケジュールを記してみる。
ただし、ダイヤ改正などでこの通りのダイヤではなくなっている事も多々あるので、
あくまでも時間配分的な目安程度にどうぞ。


◎一日目(新松戸-親不知)
新松戸5:15-西国分寺6:11
西国分寺6:14-高尾6:40
高尾6:42→松本10:18
松本11:07-南小谷12:57
南小谷14:21-糸魚川15:19
糸魚川16:55-親不知17:05

☆数値的に見ると結構ハードだが(笑)、朝が早いだけで、
高尾から松本まで乗り換えなしで行ける列車のおかげで、実際は楽な移動だった。
松本でコーヒーブレイク、南小谷と糸魚川で散策と、
時間的な余裕は十分にある行程だった。


◎二日目(親不知-新潟)
親不知10:46-直江津11:37
直江津12:16-適当にうろうろ(笑)-新井17:06(快速くびき野)-新潟19:27

☆風景的に好きな海沿いの駅が多かった事もあり、
いろんな駅で降りてはうろうろ散策していた。
直接向かえば2,3時間で着く新潟だが、結局着いたのは19時(笑)。


◎三日目(新潟-鳴子御殿場)
新潟10:15(きらきらうえつ)-酒田12:51
酒田14:00(快速最上川)-新庄14:51
新庄16:09-鳴子温泉17:15
鳴子温泉18:03-鳴子御殿場18:07

☆この日は車窓を楽しむための日とした。
きらきらうえつは海沿いを走るため、海の車窓がとても美しい。
また、酒田から鳴子までは、最上川や山岳の車窓が楽しめる。
さらに、宿は温泉を堪能と、ある意味一番充実した日だったかもしれない(笑)。


◎四日目(鳴子御殿場-気仙沼)
鳴子御殿場8:04-小牛田8:58
小牛田9:27(快速南三陸一号)-気仙沼10:53
気仙沼11:12-盛12:20
南リアス線をうろうろ
盛17:04-気仙沼18:03

☆北の方までいけなかったのは残念だが、
南リアス線の駅を散策し、海岸でボーっとしたりと、
のんびりと過ごす事ができた。


◎五日目(気仙沼-新松戸)
気仙沼8:18(快速南三陸2号)-仙台10:17
仙台10:24-原ノ町11:42
原ノ町12:19-いわき13:41
いわき13:46-水戸15:18
水戸15:31-柏17:03
柏17:35-新松戸17:42

☆この日は移動だけの日ではあったが、
乗り継ぎも比較的スムーズだったおかげか、
それほど疲れることもなく移動できた。


このように、一綴りフルに使えばかなり周る事ができる(笑)。
そして、これだけ使っても、交通費は\12,010(18切符\11,500+きらきらうえつの指定席料金\510)なのである。
この例では散策ありきの旅行だったが、結構な距離を移動でき、かつ散策の時間も十分にとることができた。
こういったスケジュールを自分で組み立てていくのも、一人旅の大きな楽しみの一つなのである。


2009年度発売スケジュール

夏季
発売:2009年7月1日〜8月31日
利用:2009年7月20日〜9月10日

冬季
発売:2009年12月1日〜2010年1月10日
利用:2009年12月10日〜2010年1月20日

青春18切符についての詳細はこちら





青春18切符と一人旅は
ある意味共通する部分が多いと思います。
自由に動きやすい、手軽、のんびりしている・・等(笑)。
出発する時は想像だにしなかったローカル線の無人駅で見た風景が、
その旅行で一番心に残った風景・・・そういう経験も悪くはないと思います。

これらの記事に関するご感想等を頂ければ幸いです。


一人旅トップページへ


Copyright 2009 MITSUHARU MAEDA



inthepictures_mda@hotmail.com