一人旅のすすめ(Vol.23)
せっかくの時間、もったいない時間



VOL.23:せっかくの時間、もったいない時間


せっかくの旅行なんだから・・・
少しでも効率的に旅行を堪能しようと、理屈ありきで考えていませんか・・?


旅の中の普段

旅行の醍醐味と言えば、普段と違う景色、普段と違う環境、普段と違う自分(笑)等が挙げられると思う。
マンネリ化した日常を離れて、全く違う状況に身を置く事によって受ける刺激が、癒しになり、活力になり、
ある時は人生の指針にすらなる。そういう特別な時間が旅行にはあると思う。
故に、旅行中に過ごす時間は、普段と違う事をして過ごす事が多い。
これは当然というか必然である、が、それを頭で意識するあまり、「普段と違う事をしなければいけない」という
考えに陥りがちになったりもする。すなわち、普段と同じ事をやるのはもったいないというわけだ。
もちろん、それは正しい。時間を割き、費用を使い、労力も費やしてやってきた旅行、
そこまでしたのだから、見返りとして異環境を求めるのは当然の事だ。
だが、普段の生活と同じ行動をする事が、果たしてもったいない事なのだろうか?
いつも読んでいる本を読んだり、いつも聴いている音楽を聴く、いつも見ているテレビを見たり、
食事すらいつも食べているようなメニューを食べる(笑)。「旅行に来てまでなにやってるんだろ?」と
苦笑してしまいそうな事だが、実はそれはそれほどもったいなくないのではないだろうかと思う。
というのは、普段毎日のように取る行動というのは、生活の一部=慣れている(安心できる)行動であり、
そのリラックスさと、旅行に来たという異環境が混ざり合ったとき、何とも言えない
安心感のある新鮮さを感じる事があるからだ。

たとえば、いつも読んでいる本がある、家にいるときと同じ感じで読み進み、
ふと外に目をやると、普段と全く違う景色が広がっている・・・。
携帯やPCでいつも見るサイトを見ている、ちょっと目を休めようと画面から目を離すと、
そこにある風景は普段とは全く別のものである・・・。
端から見ると、「何も旅行に来てまでそんな事しなくても・・・」と思うような事でも、
その日常行動から離れた瞬間に感じる、非日常的な感覚を享受するだけでも、
当人にとっては十分旅行を堪能する事であったりするのである。

極端な例では、家族旅行で来た家族の子供が、旅行先でも携帯ゲーム機で遊んでいるのを
よく見かけるが、端から見ると「旅行に来てまで・・・」と思ってしまうが、当人は(旅行先の環境より、
ゲームの方が興味をそそる側面も大きいが(笑))好きなゲームをし、旅先の珍しいものに触れ、
おいしいものを食べる、という、ある意味完璧に旅行を堪能している・・・と言えなくはないかもしれない(笑)。

また、普段なかなか読めない本を旅行に持ち出したり、好きだけどなかなか聞けない音楽を
ずっと聞きながら旅行するという人も見かけるが、それは、普段の生活と旅行という非日常を
上手く融合させているのだろうと思う。


もちろん、せっかく来たのだから・・・という事で、普段やる事は意識してでも一切しないという
コンセプトも非常にいいと思う。筆者もどちらかというとそのタイプである(笑)。
ただ、普段やっているような事を普段と同じようにやるというのも、旅行中の息抜きとしては
非常に有効なのかもしれない。旅行中は気分が高揚している事もあり、気疲れすることも多いが、
ちょっと一服”もったいない時間”を過ごす事によって、新鮮な息抜き(笑)を感じてみるのもいいのではないだろうか。





少しでも体験を詰め込む旅行、
少しクールダウンしてゆとりを持って過ごす旅行、
どちらも一長一短、その時その時の、自分にあった旅行スタイルを
常に探していくのも面白いかもしれません。

これらの記事に関するご感想等を頂ければ幸いです。


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