一人旅のすすめ(Vol.18)
自分探しの一人旅?



VOL.18:自分探しの一人旅?

最近よく耳にする「自分探しの旅」
これはいったいどのようなものなのでしょう。


よく巷で”自分探しの一人旅”という言葉を目にする。
自分を探すというのはいったいどういうことなのだろう?
何も”自分”に隠された出生の秘密や、恐るべき正体があるわけでもないのだが(笑)、
そのいわゆる自分探しというものについて考えてみよう。


二つの探しもの

自分探しという言葉は非常に抽象的ではあるが、大きく分けて二つの
探しもの(笑)があるのではないかと思う。

ひとつは、自分の本音に対する探しものである。
以前、VOL10でも書いたが、一人旅では自分ひとりでいろいろな物事を考える分、
自分の本音と向き合うことが多い。それは自分にとって都合のいいものばかりではなく、
普段自分が否定している(目をそらしている)ものについても考えが及ぶことが多くなる
のではないだろうか。それが結果的に、自分を改めてよく知るということになり、
そのよく知るということは、それがポジティブな結果であれ、ネガティブな結果であれ、
まったく見ない(自分が判らなくなる)状態よりは、はるかに気分的にいい状態(知ることによる安心)
でいられるようになると思うのである。つまり、自分が”改めて見つかる”という事か。

もう一つは、自分の知らない面に対する探しものである。
予想外の事態に、自分がまったく予想外の行動をとってしまって自分に驚いた(笑)ことはないだろうか?
いくら自分自身を判っているつもりでも、経験したことのない事柄に対しての
自分が持つであろう考えやとるであろう行動を、”本音レベル”で的確に予想できる人は、
あまりいないのではないだろうか。よくドラマなどである、それまでまったく興味のなかった
事を時間つぶし程度に体験したら、「これだ!!」と体中に電撃が走った・・・とかいうあれである(笑)。
まあ電撃というのは大げさではあるが、いろいろな体験をするということは、
それに対して自分がどう思うかということの経験を積むということでもある。
それまでの価値観を、某頑固おやじのちゃぶ台のようにドカンとひっくり返してしまうような体験が、
旅行先に控えているかもしれない。それは、何かの体験(陶芸や牧場体験)かもしれないし、
訪れた場所そのものかもしれない。私の知人も、旅行先の場所に惚れ込み移住した人が何人もいるし、
旅行先で体験した衝撃(笑)から、その業種に転職してしまった人もいる。
そのような”自分が知らない自分”が見つかるというのは、とてもすばらしいことなのではないだろうか。
なので、少しでも興味を持ったりしたものがあったら、あまり深く考えずにどんどん体験してみよう。
まさに百聞は一見にしかずである。

自分の発見方法(笑)。

最初から”自分を見つけるぞ!!”と気合を入れて(笑)旅行に出ても
なかなか見つけられるものではないと思う。というのは、旅先で出会ったものに対して、
やたらと”自分を見つける!”などというフィルターを通してみる事自体、
すでに自分を見失っているからである(笑)。
まず一番大事なのは、自然体になること、自分の本音のみに忠実になることである。
もちろん、一般的なマナーは持つべきだが、それ以外の部分、気持ち的な面では、
自分以外に何も遠慮をすることはない。自分の自分による自分のための一人旅なのだから、
自分の気持ちが全て…というスタンスで物事を考えていこう。

そうした状態で体験したいろいろなことを、旅行から帰ったり、帰途のような、ある程度
クールダウンした状態で振り返ってみる。すると、自分のとった行動や、そのときふと考えた
本音などから、自分の思わぬ一面が見えてくるかもしれないのである。


見つかった自分に

思わぬ自分の一面を見つけた時、それが歓迎すべきものであるか、
見つけなかったことにしたくなるようなもの(笑)であるかはその時までわからない。
しかしそれがどんなものであれ、意識的に構えたりせず、そっと何気なく寄り添うような気分で
「まあそういう面もあるか・・・」という程度に意識の中にとどめておくのがベストだろうと思う。
それが原因で生き方や人生が変わるのであれば、自然に行動を起こして変わるものだし、
「よし!発見したぞ!」などと構えて自発的に豹変したりしても、おそらくそれは長続きしないだろう。
新しい自分の発見は、インパクトは大きいかもしれないが、無数にある人生の経験のなかの、
ただの一つに過ぎないのである。




意外な自分の一面や、人生の転換期というものは、
実際にはその時にはなかなかわからないものだと思います。
自分の生き方や考え方が自分でも意識しないほど少しずつ変わって行き、
後からふと振り返ったときに、「あの時がそうだったのか・・・」と
いう感じで気付くことが殆どではないでしょうか。

これらの記事に関するご感想等を頂ければ幸いです。


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