一人旅のすすめ(Vol.17)
トラブルについて2



VOL.17:トラブルについて2

旅行中のトラブルでこれまた厄介なのが病気。
折角の旅行が台無しになってしまう場合も多いので、注意が必要です。
今回はそんな旅先での病気について考えてみましょう。


旅行中、忘れ物などの物的なトラブルと双璧をなすのが、旅先での病気や怪我など
身体的なトラブルだろう。特に病気の場合は、いつの間にかかかってしまっている
というような場合が多く、体調不良を自覚した時=すでに発病というパターンが殆どなので、
気をつけようと思っていても、なかなか対策を立てにくいのが実状である。
そこで、旅先でよくかかる病気の予防・対策について考えてみよう。


気候の違い

体調的に一番注意すべきは、気温、湿度の差だろう。普段の慣れた気候とかけ離れた気候の
場所に行く場合には、事前に気温、湿度などをしっかり把握してイメージトレーニング等を
しておいた方がいいだろう。
また、飛行機や列車など、現地に着くまで快適な空調の中で過ごす乗り物を使う場合には、
そこから降りた瞬間に来る気候の差でダメージを受ける事があるので、これも注意すること。
持病を持っている人の場合は、その気候の変化で持病が出てきてしまう事も
ありうるので、万一の備えをしっかりとしておこう。

冬等に旅行をする場合で電車やバスに乗る場合、短い乗車であっても、暖かい車内では
マメに防寒着等を脱ぐようにしたい。これは、暖かい車内の気温+防寒着の暖かさに対応して
体の耐寒機能がセットされてしまった場合、そのまま降車して寒い外に出た場合、
体の耐寒機能の調節が追いつかずに予想以上に体が冷えてしまう事があるのと、
厚着をしていたおかげで汗をかいてしまい、外でその汗が冷えてしまって風邪などを
ひいてしまう事があるからである。数分、数駅程度の乗車だと、面倒臭さからつい怠りがちだが、
ウィルスは、そのような隙を狙っている(笑)。特に雪国の場合は注意しよう。

風邪

旅先でかかる病気の代表選手(笑)である風邪は、軽い病気に思われがちだが、
実際のところはなかなか厄介な病気である。風邪を”すぐに治す”薬というのは存在せず、
解熱剤や喉の炎症抑え、くしゃみ鎮静など、症状に合わせて病状の悪化を抑える薬を用いつつ、
体の免疫力の高まりを待つというのが風邪を治す一般的な方法なのではないかと思う。

旅行中でも簡単に出来る予防法として、まず一番いいのがマメなうがいだと思う。
それも、水ではなく緑茶でうがいをするのが効果的である。というのは、
緑茶に含まれるカテキンという成分は、殺菌作用が優れていて、
風邪のウィルスに対してかなり有効なのである。のど飴などもいいが、
マメな水分補給も病気予防には有効なので、それを兼用できる
緑茶でのうがいはかなり効果的である。尚、紅茶にもカテキンが
含まれるが、ストレートティーはなかなか自販機等で手に入りにくいので、
緑茶でのうがいがお勧めである。就寝前、起床時、人ごみに入った後、外出後など、
マメなうがいは風邪予防に非常に効果的である。

風邪の初期症状が出てきた場合、当然のことながら、なるべくその初期レベルで治してしまうのがベストである。
無理をせず、なるべく安静に、滋養のあるものを食べ、水分補給を過剰なほど(笑)マメに
取るのが大事である。もちろん薬も併用するといいのだが、その他にも、ショウガは身体を温かくし、
発汗を促す作用があるので、市販されているチューブ式のおろしショウガを携行し、寒気や鼻詰まり等
の症状が出た場合などに、それをショウガ湯にしてを飲むのもいい。また、寒気には梅干も効果的である。
もちろん弱った身体に梅干の刺激はきついものがある(笑)ので、お湯などで割る
梅干湯がいいかもしれない。梅干は免疫力を高める効果があるので、体が温まる湯と一緒に
摂取すると、かなり効果的である。

インフルエンザ

インフルエンザは、旅先でかかってしまうと、残念ながらその後の行程を全うするのは
かなり難しくなるだろう。下手をすると入院して点滴などという事にもなりかねないので、
まず何より治す事を第一に考えなければいけない。また、感染力が強いので、
YHなどの相部屋形式の宿で発病した場合は、オーナーに相談して個室を用意してもらうか、
なるべく病院に近いビジネスホテルに移るなどの対策が必要である。

予防としては、これも風邪と同じようにマメなうがいが一番だと思う。
風邪のところで述べた緑茶(カテキン)は、インフルエンザウィルスに対しても
非常に効果的で、○○型ウィルス等といった様々な種類があるやっかいな
インフルエンザウィルスに対しても、カテキンはインフルエンザであれば
どんな型のウィルスであっても、問答無用で駆逐してしまうとても頼もしい成分である。

花粉症

2005年は花粉症の当たり年(?)だという。2004年が少なかった事もあるのだが、2005年の
スギ花粉等の飛散量は、2004年の数十倍にも達するといわれ、花粉症の人には例年になく
憂鬱な季節となってしまうだろう。花粉症というのはアレルギー症で、発症は何の前兆もなく
ある日突然なってしまうという場合が多いようである。一度なってしまうと、
根本的な治療は難しく(減感作療法と呼ばれるアレルギー物質を継続して投与する事による
アレルギー反応を不感にする治療法はあるが)、なかなか厄介な病気(?)である。
突然なってしまうという事は、当然旅行中になってしう事もありうるので、なりそうな場所
(スギ花粉が大量に飛散するような季節、場所)に行く場合には対策を取る事が大事である。

予防としては、まずニュースの花粉予報をチェックすること、花粉がたくさん飛散する地帯では
晴天&風の強い日はなるべく屋外で行動しないこと、もし行動する場合には、マスク、帽子、
めがねやサングラスなどを着用し、なるべく外気(花粉)に肌が触れないようにすること、
手洗いやうがいをマメにする事、花粉が付着してそうなもの(カバンや衣服など)をマメにはたく事、
風邪などをひいて鼻の粘膜が弱くなると、それがきっかけで花粉症になってしまうケースがあるので、
風邪には特に注意すること、タバコやアルコールは花粉の飛んでいそうな場所では控える事、などが挙げられる。




色々挙げたが、やはり病気の一番の対策は、ウィルスに付け入る隙を与えない気力、体力を付ける事だと思う。
軽い風邪などの場合、現地での観光などの楽しさから、いつの間にか治っていた(笑)等という事も
多々あるし、楽しい気分は、それだけで体調を整えるエネルギーになるものなのである。
体力は普段からの地道な体力づくりがモノを言うのだが、それは普段の生活のみならず、
旅行中の行動のアクティブさにも繋がるので、小さな積み重ねであっても、是非普段から
気にかけておきたいものである。


病気になってしまった時は

まずやはり大事なのは、悪化させないための初期治療だと思う。近くにある病院で
できるだけ早く診察してもらい、どうすればいいかのアドバイスを受けること。
うまくすれば、本格的に悪くなる前に治って、結果的に少しの停滞で旅行を再開できる
事もあるかもしれない。病院で受診するには、保険証が必要(持っていない場合は、病院で
とりあえず治療費を全額支払い、後日保険分を返金してもらう)なので、
旅行の際には保険証(もしくはコピー)を忘れずに持っていこう。また、少し具合が悪くなったなと
いう自覚が出てきた場合、速やかに近くの病院を探しておくように心がけるのが無難である。

病気になってしまうと、残念ながら旅行の行動範囲はぐっと狭くなってしまうだろう。
だが、急がば回れの言葉通り、やはりまず安静にして病気を治す事を第一に考えるのが上策だと思う。
また、どうしても行動しなければいけないような場合(予約振り替えのきかない移動や、
生活スケジュールぎりぎりの帰宅など)には、周りへの感染防止の対策を出来るだけ整え、
絶対必要な行動以外は潔く(笑)切り捨てて(土産の購入等)、とにかく目的遂行の
為に一番負担の少ない方法を躊躇なく取る事が大事である。例えば、荷物は
必要最低限な物以外は宅配便で送る(なくてもいいが、もしかしたら使うかも・・・などというような
ものは迷わず宅配荷物へ、絶対に必要なものだけを手元に残す)、列車の場合は
多少費用がかかっても、なるべく乗換が少なく、早く、出来れば寝台など横になれる列車を選ぶ、
等といった具合である。

また、病気によっては、途中で旅行を中止する勇気も必要になってくる。
実際のところ、それは非常に辛い選択なのだが、それ以上に一番辛いのは、病気のまま
旅行期間と費用、そして何より体力気力を全て無駄に消耗してしまう事である。
そうなる前に、勇気ある中止を検討するのも立派な旅行計画のひとつなのである。

車やバイク、自転車での旅行中に病気になってしまった場合などは、よほどの事がない限りは、
全ての予定を変更してでも、まず体調の回復に重点を置くべきである。
事故等の可能性が高まる病気時の自走は、本当の本当に最後の手段としてのみ考えるべきである。
万が一事故などを起こしてしまったら、病気が治った後も長くその影響は残ってしまう事を
頭に入れておかなければならない。

更に、病気を患いながらの行動というのは、自分でも驚くほどイージーミスを犯しやすい。
忘れ物や時間の計り間違いによる乗り遅れなどが多いが、普通の状態のときと違って恐ろしいのは、
ミスをしないように・・・注意しながら・・・などとちゃんと意識していながらなお、患部の煩わしさ(頭痛や発熱など)や、
突発的な精神状態の不安定さ(ボーっとしたり、悲観的になったり)からミスを犯してしまうことがあるので、
とにかく”精神的に地に足がついた状態”を常に意識しておくべきである。




旅行中に病気になってしまったら、精神的にもかなり落ち込んでしまいますが、
その経験を次回の旅行に生かせることが出来れば、決して無駄な経験にはならないと思います。
あと、極たまに、風邪などを温泉やアルコールのノリと勢い(?)等で吹っ飛ばしてしまおうとしている
人がいますが、それは絶対にやめた方がいいです(経験者談)・・・(笑)。

これらの記事に関するご感想等を頂ければ幸いです。


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