一人旅のすすめ(Vol.13)
旅の使い分け(?)



VOL.13:一人旅とグループ旅行の使い分け

使い分けというのはちょっと語弊があるかと思いますが、
同じ旅でも一人旅とグループ旅行、を別モノとして考えてみると、
旅行の楽しみ方の幅がぐっと広がると思います。


よく頂く質問などで、「一人旅に行く人はグループ旅行にはあまり行かないのでは?(もしくはその逆)」というものがある。
もちろん一概には言えないだろうけど、筆者の経験や旅行先で会った人等に聞いた話等から判断すると、
筆者の知る限りその答えはNOに近いのではないかと思う。
もちろん、一人旅にはまった人でグループ旅行が窮屈になってしまい、殆ど行かなくなったという人や、
一人旅をしてみたものの、自分には合わないのでグループ旅行しか行かなくなった
という人もいるのだが、多くの人(筆者を含め)は一人旅とグループ旅行を
別モノとして考える傾向があるように思う。
同じ旅行という行為、更には同じ目的地であっても(笑)それらを別モノと考えてしまうのはなぜか?
それは旅行中の行動、精神的な状態が大きいのではないかと考える。
もちろんいろいろな場所を周るという行動、それを楽しむという精神的なベクトルは
同じなのだが、それの根本的な部分が一人旅とグループ旅行とではかなり違うのではないだろうか。


グループ旅行の場合

グループ旅行は多くの場合、友人、家族、恋人など良く知っていて親しい人間と行くことになるので、
精神的に相手に(肯定的な意味で)依存でき、何かのトラブル時にも信頼できる人が傍にいるという安心感を持つことが出来る。
すなわち”安心して旅行を楽しむことが出来る状態”になるのではないだろうか。
そのようにリラックスしながら楽しめる旅行という面がグループ旅行は大きいと思う。

その反面、複数で行動するということは、大まかな行程や行動はともかく、細かい部分での
行動で完全に各々の希望と一致させることは難しく、場合によってはそれがストレスになってしまうことがありうる。
また、会話やコミュニケーションはそのグループ内に集中しがちになるため、
景色は違えどコミュニケーションはマンネリという状態にも陥りやすいのではないかと思う。
もっとも、それは肯定的に見れば前出の”安心”にも繋がるものではあるのだが。

一人旅の場合

それでは一人旅の場合はどうだろうか?やはり一人旅のよさはなんと言ってもそのフットワークの軽さと
気楽さを併せ持ったやりがい(笑)にあると思う。自分の意志の通りに計画を立てられる気楽さと、
それをすべて一人でこなすやりがい、それで旅行を楽しめた時の達成感は一人旅の大きな魅力だ。
また、一人で行動するからにはある程度の緊張が求められることもあってか、周りの状況に敏感になったりして、
普段なら見過ごしてしまいそうな”色々なもの”を見つけたりして、得るものが多かったりもする。

しかしその反面、いざという時の不安は常に付きまとっており、一旦悲観的になると例えようも無く不安な状態になったり、
精神的に疲れたりしているときなどには、”何でも自分で思い通りに出来る”というメリットが、
”何でも自分でやらなければならない”というデメリットに変わってしまったりする場合もある。


そこから見えてくる両者に対する旅行者自身の気構えの違いを考えてみると、
グループ旅行と一人旅を別モノ扱いするというのは、その辺にひとつの理由があるのではないだろうか?。
同じモノであっても気持ちの持ち方ひとつで全くの別モノになってしまうというのは、旅行に限った事ではないのだが、
特に旅行というものは、メンタル的な要素の影響がとても大きいイベントなので、気持ち的な状況が変われば
その旅行に対する印象、楽しみ方などがガラリと変わってくるのだと思う。
事実旅行中に逢った人で、今は一人旅に来ているけど、帰ったらまた近いうちに友人等と旅行に行く
(もしくはその逆)というような人が結構多かった。
また、以前グループ旅行で訪れた地を改めて一人旅で周っている人も少なくなかった。
一度来てその場所が気に入り、今度はもっと深く、自分の興味のままに周ってみたいという感じで一人旅をしているのである。
またその逆、一人で来てみていい所だったので、友人を連れてきたという人も同じく多かったが、
このように同じ場所でも色々なシチュエーションで楽しめるのは素晴らしいことだと思う。



旅行は気持ちのリフレッシュという部分がとても大きいので、
なるべくその時の気分に合わせたスタイルの旅行に行きたいものです。
旅行する環境が変われば、同じ場所、同じ季節でもかなり違ったりするものですし。
一粒で何度でもおいしいという感じでしょうか。

これらの記事に関するご感想等を頂ければ幸いです。




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