デュアルコア・マシン(5号機)の製作
 
         
  いやあ、待ちました。丸四年です。やっとデュアルコア・マシンを作りました。
去年の暮れには作るつもりだったのですが、山登りが忙しいとか畑がどうとか、なにかと邪魔が入って のびのびになってしまったのです。4号機がケースを交換したら調子がよくなって、すぐアップグレードする必要性を感じなくなったのも大きいですね。
そうやって延び延びになった結果として、予算的にはずいぶんと楽になりました。半年前だったらこのスペック だと倍以上の値段になったでしょう。1年前だったら・・・考えるだけで恐ろしい。(笑)
DDR2 6400 SDRAM 1G が2万円くらいしてましたから。今では一桁違いますね。2万で買った人はむかつくでしょう。

さて、2008年5月19日の午後、秋葉原へ出かけました。
畑仕事でばてていたので、いつものように秋葉周回を楽しめません。 ソフマップ駅前店で若い店員が話しかけてきたのをいいことに、
「これをセットで欲しいんだ」
と購入予定表を見せました。すると店員はいろいろ相談にのってくれ、もう一人のベテランを呼んできて二人で相談していました。そして提案してきた内容には、多少問題がありましたが、予算的にはかなりお得だったのでオーケーしました。その内容は・・・
 
         
   CPU  アスロン64 X2 4800+ ¥7980
 マザーボード Biostar TA690G ¥7980
 memory pc6400 1Gbyte 2枚セット ¥4180
 HDD 日立 HDVLA360 320Gbyte ¥5280
 合計            ¥25420
 
         
 
   その写真。
 左端の箱は(1)手持ちの「IDE/SATA-USB接続コネクタ」
 (2)真ん中の大きな箱がマザーボード、
 (3)その上に乗っているのがバルクのHDD、
 (4)右端奥がメモリセット、
 (5)右端手前がリテールCPU。
 
         
  予算より5000円ほど安く上がったのはいいとして、問題点。

・CPU ……これって、どんな石なんだ?モデル数が多すぎてわかんないよ。
        性能は高いはずだけど、低電圧版なのだろうか?

・マザーボード ……オンボードVGAがAMD690Gというのは残念。
           790Gにしたかった。でもゲームやるわけぢゃないし・・・

・memory ……4ギガ欲しい、と言ったら「OSが64ビットじゃないと意味ないです」
       と言われたので2ギガでいいか、と考え直した。

・HDD ……500ギガの予定だったんだけど・・・電源関係がクリアできず。
       今時のHDDはSATAばっかり。古い電源には対応してないらしい。
       店員は新品500ギガの袋の上から指先で「4ピン」端子を探していましたが「ない」
       と言いました。
       なんとなく中途半端な320ギガだけど、まあしかたないか。

という感じです。

 
         
 

IDE/SATA-USB接続コネクタ」を開いてみます。
本体・電源・電源ソケット・電源変換ソケット・SATAケーブル・マニュアル・ドライバCD(古いWindows用)が 入っています。
これは近所のリサイクル店で999円で買ったもの。定価は3000円くらい、売価は2000円くらいもののようです。
なにかの役に立てば、と思っていたのですが、今回のアップグレード作業で大活躍してくれました。

 
 
         
 
  マザーボード Biostar TA690G
「バイオスター」ってどんなメーカー?っていうくらい知らない会社ですね。あとで起動時の画面を見ましたら黄緑色の派手な(かつキモイ)ものでびっくりでした。
TA690Gは、AMDがグラボメーカを買収して最初に出した本格的な内蔵GPUで、これを搭載したこのボードは ネット上で「安い・ほぼ全部入り・DVI&HDMIも付いて割安感大」という評価です。しかし、 この後さらに高性能なTA790Gが出ました。
ゲームをやらない人間なら、安いこのボードで十分だと思うけど・・・
 
         
  CPU  アスロン64 X2 4800+
リテール品を買ったのは初めてです。CPUファンが付いているのはうれしい。このファンが2500円 くらいだとしたら、CPU本体は5500円?・・・安すぎ・・・
今まで買ったバルクもの、Pentium200、セレロン500、デュロン800、セレロン2ギガ、アスロン2800+、 の5つに比べてもずっと安いです。
しかも性能ときたら・・・
まあそんなこと言っていても、すでに世の中はクアド・コアになっているから、このCPUもたちまち 陳腐になってしまうのだろうなあ。
 
 
         
 

CPUのスペックはコードバーの横に小さく小さく書いてあります。この写真もボケていて見えません。(携帯カメラで撮ったもので)よく見ると・・・

AMD ATHLON 64 X2
WITH 540KB + 540KB CACHE
OPERATES AT 2500MHZ

と書いてあります。65ワット省電力仕様・2,5ギガヘルツだけどL2キャッシュは半分の512K X2 という石なのですね。キャッシュを減らしてクロックを上げ、性能は変わらないけど安い、というもののようです。

 
 
         
 
  HDD 日立 HDVLA360 320Gbyte
実は単なるバルクではなく中古品。だから、320ギガにしても安い。
実際の話、500ギガあっても使いきれません。バックアップ用の外付けHDDが120ギガなんだから、500ギガなんか追いつけないのです。 ・・・とはいえ、CPUと同様たちまち陳腐化してしまうのがこのデバイス。
テラバイトが普通になれば、それに対応した巨大ソフトやデータがまかり通るようになるでしょう。 時代はブルーレイ・ディスクだし。
まあ、それはそれとして三年くらいはもつのでは・・・もってほしい。
 
         
  memory pc6400 1Gbyte 2枚セット
これも初めて買ったリテール品。なので少し高め。とはいえ、上で述べたように1年前には10倍したもの。
思えば1992年ころに1メガあたり1万円くらいしたRAMが、93年頃には半値に下落、さらに96年には千円くらいに下がって メモリーショックが起きたものでした。あれよりさらにひどい超特急超急降下!
・・・ほんとうにありがたい安さです。
 
 
         
 
  ソケットAM2にアスロン64 X2を取り付けます。
方向を間違わないように置き、レバーを下げると石が「ストン」という感じでソケットに落ちます。そのままレバーを締めます。
 
         
  リテールクーラーを載せます。クーラーの底にはすでにシリコングリスが塗ってあります。親切ですねえ。 圧着レバーは両側をひっかけて、梃子の原理でガチャンと回すだけです。簡単ですねえ。
昔は「コア欠けしないか」「レバーが重いけど、歪んだら圧着不足で熱暴走だ」と怖かったものです。
少しずつだけど進歩しているようです。
 
 
         
 
  メモリースロットにDRAMを刺します。
けっこう硬いです。
新マザーの組み立てはここまで。次に新HDDのデータ移植作業に移ります。
 
         
  HDDを手持ちのUSB接続コネクタで繋いで見ましたが、デバイスマネージャには 出てくるものの、マイコンピュータには出てきません。どうやらWindowsのツールで初期化しないと認識しない模様。
そこで初期化とフォーマット作業をやりました。
フォーマットはLinuxでも認識できるFAT34にしようと思ったのですが、選択肢がありません。仕方なくNTSFフォーマットにしました。外付けバックアップHDDからのデータ移植作業は、ファイルを開いてみると中身がない、などのトラブルで中断しました。
その後、knoppixで再度コピー作業をしましたがNTSFなので当然ハングアップしてしまいます。
いったん諦めて寝ました。
 
 
         
 
  二日目は別の手段を試しました。
うちで最強のノート、パナソニック・レッツノートY7にデスクトップの内容を移し、それをまた新DISKに移動すれば簡単ではないか?
さっそくその考えを実行しました。

デスクトップのHDDを外し、USB接続IDEコネクタでレッツノートに繋ぎます。
そして内容の吸出しを開始。
1時間・・・2時間・・・終わりません。30ギガだもんなあ。
暑い日なので早くプールに行きたいと思っても出かけられません。
しかたなくノートを放置して外出。

 
         
  二時間後に帰宅するとやっとコピーが終わっていました。
今度はケーブルを繋ぎなおしてそれを日立の320ギガにコピーします。
・・・終わらない・・・
夕食がすんで7時過ぎになってやっと終わりました。
恐れていたエラーは一個だけでした。

この日はいったん旧HDDを付け直して通信。
明日はマザーから交換してアップグレード作業を終了したいと思います。

 
 
         
 
  デスクトップのアップグレード作業三日目。
デスクトップを和室に運び、カバーをあけて中身を出します。あれれ?
電源を見るとSATA電源端子がついています。なんだ、だったら500ギガHDDにすればよかった。
 
         
  サウンドカードとビデオカードは使わないのではずします。
新しいハードディスクはSATAなので細いケーブルです。この結果、ずいぶんすっきりした中身になりました。
上のビデオキャプチャーカードは再使用します。・・・けど、前回も認識作業やらソフトの起動やらにさんざん 苦労したのですんなりとは使えないでしょう。
 
 
         
 
  マザーボードを交換。
このCPUファンの騒音レベルの高さ(爆音?)には泣かされました。やっとお別れできると思うと嬉しい。
しかし、水冷化したり復活したりと思い出もいろいろあります。
丸四年間使えたのもこのシステムが基本的に高性能だったからで、感謝感謝です。
 
         
  Biostar TA690Gを取り付け。ミドルタワーの中のマイクロマザーボードは小さくて可愛いですね。
驚いたのは主電源ソケット。24ピンなのに、電源側には20ピンしかありません。
「うーん」と悩んだあと、1番側に詰めてさしたら入りました。ちゃんと通電するかどうか、心配は山のようにふくらみます。しかし今から変換ソケットを買いに行く暇jはありません。
副電源ソケットもあるのでそちらにも4個口をさしました。
(セレロン2ギガでこれに気づかず、泣いたことがある)
 
 
         
 
  あとはドライブを差込み、マニュアルを見ながらケーブルを接続するだけ。けっこう細い線が交差してしまいます。CPUファンを迂回させるのに気を使います。
黒いカバーだけが取り柄のダミーのCD−ROMドライブを外し、銀塗装したDVD−RWを付けました。これで使い勝手は数倍上がります。
すべての接続を終わり、いよいよ電源オン。
 
         
  ・・・あっけなくバイオスが立ち上がりました。
CPU、HDD、メモリー、すべてのデバイスを認識しているようです。
ホッとしました。
24ピン電源を20ピンに変える必要はないんだなあ、と再認識。変換ソケットなんか買わないでいいよー。
この15インチ・アナログディスプレイはテスト用の予備ですが、出番は数年に一回くらいしかないので哀れです。かみさんに邪魔あつかいされています。
バイオスはクロックアップを考えなければほとんど触らなくてもいいようです。
 
 
         
  しかし問題はここから。HDDから起動しません。
初期化の段階でブータブル領域にしていなかったせいです。
今更元に戻すこともできず、頭を抱えます。
ウィンドウズXPインストールディスクからアクセスしてシステムのリストアをやりましたが、ブート領域の修復が出来ません。

古いHDDとの併用を考えてみます。しかしこのマザーには高速IDE端子がありません。
二台目もSATAじゃないと付けられないのです。今更マザーボードを元には戻せません。
あきらめてウィンドウズを再インストールしました。
ここからの作業が丸一日かかりまして、通信の復活、XPのSP2適用、セキュリティの確保、となってようやく元に近い形になりました。
日常使用のプログラムなどは再インストールすることもなく動いているようなので一からやり直しにはならず、考えようによってはかなり楽チンでした。前回はソフトの再インストールに二日くらいかかりましたから。

その後、使っているうちに感じるのは
「早い!」ということ。
さすがデュアルコアです。XPの起動は30秒ほど。重いソフトがあっという間に立ち上がります。SATA・HDDの効果もあるのでしょう。
そのかわり、音が小さい、テレビが見られない、などいろんな不具合があります。
おいおい修復していこう。

 
         
 
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