Bare Knuckle 2
Bare Knuckle 2 死闘への鎮魂歌
1993年1月14日 SEGA
MegaDrive 1-2人用 Action
第一作の問題点をきっちりふまえ、その上で攻略性も増したシリーズ最高傑作。 技の種類や操作も増え、キャラクターの性能と個性が際立つ。練習すれば必ず出来る攻略法を確立し、 めりはりある敵の攻撃は遊び手をより高みの領域に導いていく。

前作をきっちり研究し、洗練されたシステム

前作では敵に挟まれるという頻繁に発生する事態に対し何も対策がなかったが、 今作ではAによる無敵技を入れることで対処できるようになった。これにより集団戦の醍醐味が増し、 敵にいかに背後を取られないように戦うかが基本スタイルとして確立された。

キャラの個性

BK2は当時流行の最前線だった「Street Fighter 2」の影響を大きく受けている。 際立ったキャラの個性と豊富な戦術がBK2に与えたものは大きい。 MaxとSammyはその中で登場したもので、4人が並んだときにもっとも輝くのはどんなキャラなのかを追求した結果、 大きくがっちりしたプロレススタイルのMaxと、「少年」という個性を前面に出したSammyが誕生した。 また二人はBK2に慣れてきた人が使う上級者向けキャラの立場もある。

多様化された技と連続技

BK2になって追加された「→→B」と「空中↓B」は連続技の多様化とキャラの個性化に大きく貢献している。 →→Bが追加されることによりBKでは戦いにくかった中間距離戦での戦術が深まり、その使い方でキャラの個性も大きく分かれた。 空中↓Bは敵が倒れない空中技で、その後地上技でつなぐことができる。今まで地上からでは攻めづらかった敵にも連続技が入るようになり、 敵も対空技を持つなど、空中戦と地上での連続技の意味が増した。

ボス攻略の確立と難易度の考え方

BKの時、ボスの攻撃は突如理不尽に襲い掛かるもので、足の遅いキャラでは抜けられなかったり、 よける手段がまったくなかったりする上、難易度を上げるととんでもないダメージになって戦略性に欠いていた。 BKの難易度の考え方は敵の数や動きではなく、敵の攻撃力が上がることにあり、 いかにダメージを受けないで敵を倒していけるかに重点を置いている。
BK2になってからは、同じ回復物資の条件の下、高速化して体力もあり、数も増えた敵をいかにうまく倒せるかに難易度の重点が置かれている。 一体の敵の攻撃力が2倍になるのではなく、敵の数が2倍になるというシステムだ。 前者の場合、戦略は攻撃力が倍でもそうでなくても同じであるが、後者の場合は戦略そのものが多様化していく。 したがってBK2では難易度の上昇がより柔軟で戦略性に満ちた戦いを要求するようになり、やりこめるシステムになっている。 またこのシステムを成立させるため、どんな敵にも練習すれば必ず対応できる対処法が用意されおり、 前作のような理不尽で何も出来ないようなことはない。すべてはプレイヤーの腕次第ということになる。

理不尽からの脱却、Aと→A

Aの根本的な狙いは挟み撃ちへの対処であるが、当たらなければ体力が減らないということの意味は大きい。 これで敵の飛び道具、仲間が投げられたときや敵が投げられてこっちに飛んできたとき、すべてAでかわすことができる。 つまりよけられない攻撃はシステム上なく、すべてはプレイヤーの腕で何とか対処できるものになっている。
→AとAがはっきり分かれているというのは、制作者がAをただの超必殺技のようなものだと考えていないことにある。 自分の体力を削ってでも大ダメージを与えたいなら→Aという別枠を用意しており、 Aはあくまでシステム上重要な役割を持っているものだと認識できる。

爽快感の演出

BK2の効果音はとても激しい。とにかくガンガン敵を殴るという表現がぴったりである。 この効果音がプレイヤーの気持ちを高揚させる。決定打を決めたときのすっきり感、逆に大ダメージを受けたときのあせり、 音の激しさによってその瞬間の不利有利が判断されるときもある。
画面演出はStreet Fighter 2にかなり近いものがあり、敵を投げたときに画面が揺れる。 たかだかこれだけの小さな演出だと思えるかもしれないが、敵に受身を取られときは画面が揺れないので、 演出の有無によって感覚がだいぶ違うことは体験できる。

激しさを増した音楽

あくまでBKのBeatを残したまま、BK2の音楽は激しさを増した。敵の攻撃が過激なところは音楽も過激になり、 すっきりノリが大切なところはそれで押してくる。さすがに「死」と「変態」がConceptというだけのことはある。 BK2に音楽は欠かせない。このノリがないと進めることは絶対不可能だ。