質問18 「光と風をつれて」でのテノールの扱いは?
「光と風をつれて」の楽譜の前書きに書かれていること以外に、何かアドバイスみたいなものを頂けますでしょうか。特にTen.に対して頂けますか。というのは、うちのTen.事情が厳しいのが一つ。(うちのTen.には背水の陣をひきました)それと、どの曲をみてもそうなのですが、先生の曲には必ずTen.の存在が無視できないようになっています。Ten.のパートソロを作ったりするなどして、Ten.が失敗すると音楽自体が崩れてしまうような印象を受けます。先生ご自身がTen.というパートをどのように捉えていらっしゃるのか。なぜそんなにTen.を際立たせるのか。もし良かったら教えて頂けますか。 大阪府 T.F. 解答 さて今回の質問ですが、学指揮の悩みがよく伝わってきます。ただでさえテノールが少ないのに、どうしてよりによってそのテノールを目立たせるのかというお腹立ちですね。しかしそう言われましても・・。必ずTen.の存在が無視できないようになっています。Ten.のパートソロを作ったりするなどして、Ten.が失敗すると音楽自体が崩れてしまうような印象を受けます。とのことですが、アンコール・ピース用のシンプルな無伴奏合唱でもないかぎり、4部合唱である以上4声とも同格です。どの声部だってメロディを担当し、対旋律を担当し、ハーモニーの支えに回り、リズムを刻んだりもします。それが、4声で演奏する醍醐味だと思うのですが。とりわけ混声の場合、男声と女声の音色の対比が聞かせどころとも言えるわけで、高音担当のテノールが目立つ動きを担当するのは当然ともいえるのです。せっかく歌うのなら、ときどき目立ったほうが気持ちいいではありませんか。それに、「光と風をつれて」のテノールはそう音域が広くないので、他の私の混声作品よりは随分楽に歌えるはずですよ。シンプルな譜面のわりに音が取りにくいのは、木下作品の宿命ということであきらめていただくしかありません。その分コードが洒落ているということで・・。音が取りにくい時は、メロディで取るより、ハーモニーごと感じるようになさってみてください。 2001.5.30 |