質問10 「二十億光年の孤独」ピアノ伴奏上の注意点は?
私は合唱部(中学です)に所属しているのですが、10月に行われる合唱の大会で「二十億光年の孤独」を歌うことになり、私はピアノ伴奏を務めることになりました。どのように弾けばいいのかよく分からない所があるので、質問させていただきます。 栃木県 C.O. 解答 質問にはありませんでしたが一応触れておくと、この曲では始めの18小節が無伴奏で 「万有引力とは」というのは88小節目、中間部で新しい展開が始まるところですね。テンポがゆれないように、一音一音固めにかっちり演奏してみてください。ペダルは使わないで。音量はあくまで小さく、しかしよく透る響きで。それだけで、かなり緊張感がでますが、精神的に心をぴんと集中させることも大切です。MDなどで演奏を聞き比べてみればわかりますが、のんびりした気持ちで弾く音と、心に緊張感をもって弾く音は、面白いくらい違った音色になります。(ちなみに「宇宙はひずんで」という部分では、ペダルを2小節ごとに踏みなおして下さい。それからピアノのタッチもやわらかくレガートに、楽想の対比を鮮明に出すことが大切です。) それから右手と左手どちらが中心か、とのことですが、楽譜をよく見てみると、右手の和音・リズムとも、合唱とほぼ同じであることがわかります。ということは合唱パートの補強の役目をはたしているわけです。一方、左手は1オクターブ跳躍でリズムを刻んでいます。もしこれがピアノ曲であったら、バランス的にやや右手を出すところですが、これは伴奏ですから、左手の刻みのほうに気持ちを持っていった方が、テンポが安定して合唱が歌いやすくなります。右手は最初は決して大きく弾かないように。合唱より1オクターブ高い音域なので、音が立ちやすいですから。それにこの「万有引力とは」の音型は、3回出てくるごとにp、mp、mfとだんだん音量が上がっていき、クライマックスに突入しますが、その息の長いクレッシェンドを支えるのが右手の和音なのです。合唱がばて気味のときなど、かなりの音量の補強になるはずです。pからffに至るクレッシェンドの幅が広ければ広いほどドラマチックに盛り上がることになりますから、そのためにも最初は音量を押さえる必要があるのです。 ほかにも言いたいことがいろいろありますが、一応今回はここまでにしておきましょう。 2000.9.21 |