36 朝食のこだわり

 今日朝食で食べたヨーグルトがとても奇妙な味で大半残してしまったため、一日のスタートが今ひとつ冴えなかった私である。何気なく買ってきたカップヨーグルトだが、よく見ると豆乳ヨーグルト、アロエ、ライチ入りなんて書いてある。うむ、奇妙な味がするわけだ。個性的な味を三つもブレンドしないでいただきたい。

 小さな事ではあるが、私朝食には案外こだわる。たくさん食べるわけでも豪華なものを食べる訳でもないが、とにかく自分流にこだわる。家で食べるときは、大きいマグカップにいっぱいのミルク・ティー(紅茶の葉っぱにもこだわる。ティーバッグはもちろん×)と美味しいパン。パンは適度に塩味の効いたホテルパンか、ワッフルやマフィン、ドーナッツ、クロワッサンなどのやや甘みのあるものが好ましくて、それをオーブンでカリッとさせて食べる。たまにチーズケーキを食べることもある。そしてもう一つ欠かせないのがヨーグルト。桃や洋梨などフルーツのシロップ漬け(パイナップルは甘いので生で)の上にプレーン・ヨーグルトをかけるというのが一番好きな食べ方だが、カップ入りのヨーグルトなら北海道乳業の「フルーツサラダヨーグルト」というのがおいしい。こうして書くとかなりカロリー高い朝食で今後改良の余地がありそうだが、今のところこれを食べないと、なんとなく一日がはじまった気がしない。

 コーヒー豆をごりごり挽いて飲むのも好きだが、起き抜けの胃にはやや強いので、朝食のお供はミルクティーと決まっている。

 もちろん旅先のホテルでも朝食のチェックはきびしい私だ。家ではコンチネンタル系なのに、ホテルの朝食はどういう訳かアメリカン・スタイルにこだわる。(もっとも我が家でもお客様に出す朝食はアメリカン系になるが)。搾りたて生オレンジジュースにはじまって、取れたての甘いトマトとレタスのシンプルなサラダ(ドレッシングはさっぱり薄味のフレンチ)、なめらかなスクランブル・エッグに本格派ベーコンはほどよくカリカリ、というのがよいですねえ。このときのパンは、シンプルなトーストにバターをたっぷり塗ったものか、さくさくのクロワッサン。フルーツヨーグルトが付くとなおよいなあ。最後はいれたてのおいしいコーヒー(旅先ではどういうわけか朝コーヒーが飲みたい)。自分でも簡単に作れそうなメニューだが、シンプルゆえにものすごく素材や調理の腕の差がはっきり出る。理想的な朝食に出会うとその日一日幸せな気分だ。

 でも最近はかなり名の通ったホテルでも、バイキング形式が多くて、本当においしいアメリカン・ブレックファーストが食べられるところって少ない気がするな。部屋が立派でも朝食は(高い割に)貧弱ってことが多い。それに比べると和朝食は時々本当においしいものに当たることがある。一階のカフェで出す和食なんていうのはまずだめだが、割烹系の名店で出される朝食には、ちょっとびっくりするほどおいしく品数も多いものがある。感動して、次はこの店で夜ちゃんとした夕食を、と思うのだがまだ実行したことはない。和食のちゃんとした店はイタリアンなどよりはるかに高級なので・・。

 そういえば子供の頃は、朝食は和食と決まっていた。あったかいごはんに、焼きたての旬の魚、お味噌汁、おいしい糠漬け、ひじきや蕗などの常備菜にのり、納豆、卵など、今考えると、毎日毎日よくあんなきっちりした朝食を作ってくれたものだと思う。離れてわかる親の恩!私もそろそろバターたっぷり系朝食を止めて、ああいうヘルシー和朝食を作ったほうがいいかもしれない。

2002.9.14