4 ストレッチ作曲やホームページ作りや原稿書きでパソコンを打ちまくる上に、ピアノを人前で弾く機会が増えて、ほとんど慢性腱鞘炎(けんしょうえん)の私であるが、なんとか大事に至らずに今日まで来たのは、ピアノの練習時間短縮と効率アップに加えて、アフター・ケアをしっかり心掛けてきたからだと思う。たとえ1時間だけでもピアノを弾いた後は、必ず入浴、ストレッチ、マッサージ、湿布をかかさない。とりわけ首、肩、腕のストレッチ。 ストレッチの効果を最初に知ったのはスキーに出掛けたときだ。ふつう一年ぶりに滑ると、初日の夜には体じゅうの筋肉が痛くなり、翌朝はさらに固まってつらいものだが、ある年一緒に出掛けた友人が、そのままベッドに潜り込もうとした私を引きずり出して、無理矢理ストレッチさせたのだ。体じゅうの筋肉を少しずつ丁寧に引き延ばしていく、といった感じで20〜30分くらい。眠くて痛かった私は友人を呪ったが、翌朝起きてびっくり。筋肉の痛みは取れ、凝りもほぐれているではないか。 車の事故でむち打ちになった後も、ストレッチは有効である。 サラ・パレツキーの探偵小説では、主役の女探偵ウオーショースキーがぼこぼこに殴られて家まで這って帰るシーンがよく出てくるが、そのあと彼女はバスタブにお湯をなみなみ入れてゆっくりつかり、ウイスキーをのんで血行をよくし、睡魔と戦いながら部屋じゅう歩き回るのだ。外傷や骨折がない限り、筋肉の硬直を早めにほぐすことが重要なのだ。 それで、次に事故を起こしたときは私もやりましたね、入浴してウイスキーを飲んで、 歩き回る代わりにごく軽いストレッチを30分くらい。そして翌日は全く平常どおりに体を動かすことができたのである。お医者様より探偵小説の方が役に立つ場合もあるということで・・。 2000.7.5 |