演劇集団キャラメルボックス
「TRUTH」
池袋・サンシャイン劇場

キャスト

弦次郎 … 岡田達也 英之助 大内厚雄 鏡吾上川隆也 隼助 菅野良一 三郎太 南塚康弘 虎太郎 … 清水誉雄 山岡 … 篠田剛 初音 … 岡田さつき / ふじ … 坂口理恵 / 美緒 … 中村亮子(6日,18日) 小川江利子(13日) / 帆平 … 西川浩幸

<あらすじ>
時は幕末。若き上田藩士たちが変わりゆく日本の行く末について熱く語り合っている。そんな中、長州征伐から無事に弦次郎
(岡田達也)が戻ってくる。仲間の中で一番信頼されている弦次郎の帰還を仲間達は手放しで喜ぶ。そんな時、隼助(菅野良一)が持ってきた鉄砲が暴発し、弦次郎は聴覚を失ってしまう。聴覚を失った弦次郎は想いを寄せていた初音(岡田さつき)への想いを断ちきり、同じく初音に恋心を抱いていた無二の親友である英之助(大内厚雄)に彼女を譲ろうと考えるのだった。徳川慶喜が朝廷に恭順の意を表した頃、幕府寄りの上田藩内部は揺れていた。横溝が新政府につくべきだという林を切腹に追い込んだのだ。この事件を知り怒りをあらわにする若き藩士たち。横溝を斬る、藩士たちの意見が一致するが、鏡吾(上川隆也)は密かにある夜、弦次郎を呼び出しその晩のうちに横溝を切ろうと持ち掛ける。横溝の斬り役を買って出た弦次郎に偵察に出掛けた鏡吾が合図を送る。その合図を見て頭巾をかぶった浪士を切り捨てた弦次郎は驚愕する…弦次郎の切り捨てた相手は横溝ではなく親友の英之助だった…混乱する弦次郎に斬りかかってきたのは仲間だと信じていた鏡吾だった。その日から弦次郎はかつての仲間から裏切り者として追われる身に…

8月18日(水)1階 通路席 D-20番 19時開演

感激度 ★★★★★★(満点)

はまってしまったらしい…ついに前日予約で見るの3回目…キャラメルでここまで通うのは始めて。とにかく、無性に観たくて観たくて仕方がなかったんですよねえ(^_^;) 仕事を早めに終わらせて池袋までダッシュ!でも多少興奮していた私は道を間違えてしまい、引き換え時間期限ギリギリに劇場に到着してしまいました(爆)引き換え券売り場には脚本を書いた(成井さんと競作)真柴あずきさんもいらっしゃって、ちょっとドキドキしてしまいました。楽が近いとあって、平日ソワレにもかかわらずロビーには人・・・人・・・また人・・・とにかく大混雑(+_+) 皆やっぱりこのお芝居が好きなんだなあ〜って実感してしまいました。自分もその一人なんですけどね(^_^;)

今回はまた皆、前回以上の高いテンションで…とにかくすごい!おっかーさんなんかは特に演技面で大きな成長が見らました。冒頭の山岡に報告するシーンでは「急がば回れ」という言葉にものすごいやりきれなさを感じているっていうのが顕著に出ていたし、長州征伐の報告を仲間にするときも「頼れる兄貴」っていうのが今回一番感じられました。初音さんへの想いも、弦次郎の辛い心のうちがすごい見え隠れしてて…なんだか切なくなったし、ラストの鏡吾との斬り合後の「生きるんだ」はなんだかとてもとても重く万感のこもったものでした。最後の英之助の言葉を聞いて慟哭するときなんてもう、顔から涙か汗か…ボタボタボタ〜〜〜〜って感じで水分が舞台に落ちて、今回のおっかーさんの熱演を改めて感じ大変感動いたしました!
あと、中村亮子さんの美緒さん、彼女も前回以上に素晴らしかったです!「弦次郎様〜)^o^(」っていうラブラブ光線がピシピシと伝わって来て…けなげな乙女心がすごい感じられました。でも、弦次郎の心はいつも初音にあって…思っても思っても届かない女心が切なかったですねえ。
上川さんはもう相変わらずの大熱演…いや、今まで以上のハイテンションか(笑)鉄砲の試し撃ちの場面に至っては英之助の額までひっぱたいてました(笑) しかし本当に楽しそうに演じてますねえ…特に前半。上川さんにとってキャラメルはやっぱり家族みたいな存在なんですね(^_^)

さて今回は登場人物の心情について色々と考えさせられました。3回も見ると、1人1人の想いみたいなものがすごく感じられますね。で、やっぱり一番感情移入してしまうのは上川さん演じる鏡吾。彼はいつ裏切りに踏み切ろうと考えたのか…これについては色々な説がありますが(しかもはっきりとした答えはありません)、私なりに感じ取ったことについて少し描いてみたいと思います。
鏡吾の身分は仲間内でも一番低い。幼いときに云われもない罪で父親が切腹させられ領地もほとんど没収。明日の米をも買えない貧乏侍だったため、自分の藩のために何の仕事も与えられなかった… こんな悪条件がそろっていて、それでも懸命に生きてきた鏡吾。道場に通うお金がなくても、必死に這い上がろうと自分なりの業を研究していた鏡吾。自分よりも身分の高い比較的安定した生活を送っている仲間を、彼はいったい今までどんな思いで見つめていたんでしょうか。いつも笑いながら、テンションを上げて(これは上川さん本人が…という可能性もあるんですけど(笑)) 他の仲間達と接していた鏡吾ですが、その心情は常に穏やかなものではなかったに違いありません。楽しそうな仲間達との歓談のなかにあっても、どこかふと複雑な表情を見せる鏡吾に私はどうしても感情移入してしまうのです。いつも皆と対等にいたいけど、いつかは自分から離れてしまうのではないかという不安… だから彼は必死についていこうと笑っていたんだと思います。私にも、そんな経験があります。身分が云々というのは抜きにしても、周りの友達と自分とはちょっと違うのではという不安がいつもあって…でも、そこから離されてしまうのがとても恐くて必死になって話についていく…。これってほんとうに辛いんですよね。鏡吾の場合は生きている時代が時代だっただけになおさら辛かったのではないでしょうか。そう考えると、なんだか他人事とは思えなくてすごく胸が痛むのです。
鏡吾は後半、自ら仲間達から離れる選択をしてしまった…つまり、裏切り行為に走ってしまいましたが、彼の真意は「父上の汚名返上ため」だけではなかったと思います。心の底では自分を哀れんでいた仲間への復讐では決してないのです。むしろその逆で、彼はとても寂しかったのです。鏡吾がほんとうに手に入れたかったものは、お役目ではなく、「本当の友達」だったのではないでしょうか。時代が時代だとはいえ、「人が人を想う気持ち」はいつの時代も同じだと思うのです。信じようとしても、どうしても仲間達を信じることができなかった…そのことが、彼を裏切り行為に走らせてしまったのではないかと私は思います。だから、鏡吾が裏切ろうと思った時期はかなり初期の頃から無意識に芽生えていたのではないでしょうか。そう考えるとなんだかとてもとても悲しくて…(T_T) 「自分にははじめからTRUTHなんてなかった」 そう叫んだ鏡吾の心の痛みをあの場にいた皆が感じ取ってくれたら…鏡吾が本当に求めていたのは心から対等に付合ってくれる仲間だったと気づいてくれれば…。でも、18日に観た時、弦次郎は鏡吾の心の寂しさを理解してくれたのかなって思ったんです。「おまえも歯を食いしばって生き抜くんだ!」の言葉がものすごく心に響きました。その言葉には「やっぱりおまえを怨むことはできない、仲間だからこそ生きていてほしい」というような意味があったように思ったんです。許したか許していないか、これは定かではないのですが、私はやっぱりあの時弦次郎は許したと思いたい…というか、あの時のおっかーさんの演技にはそう感じさせる何かがあったんです。最後の弦次郎の慟哭…今回はものすごい色々な意味合いが含まれていているような気がして、私も最後はぼろ泣きしました(T_T) 鏡吾は結果的に仲間を失ってしまうことになったかもしれませんが、その後、彼の元にまた仲間達が戻ってくるのではないか…それがいったい何年かかるか分からないけど、そうあってほしいし、そうなるだろうと今回の観劇で思いました。
キャラメル初の悲劇でしたが、根底には「人が人を思う気持ち」が感じられます。だからやっぱり私はキャラメルの舞台が大好きです。

こんなにたくさんの感動的な舞台を送ってくれたキャラメルですが、涙涙の本番とは打って変わってカーテンコールはとても楽しいものに(^○^) おかげで、涙も乾いてしまいましたわ(笑)
始めにご挨拶をしたのがダッチさん!いや〜、ダッチさんのご挨拶ってはじめて見ました〜♪「私が、和尚と山岡の2役をやりました篠田剛です」の一言に会場がオオウケ(笑) というのは、前説で加藤さんが『2役をやっている役者を勘違いしている人がいます。上川などは半分怒ってます(笑)←上川さんだと勘違いされて(^_^;)』といってたからなんですね(^_^;) 少なくともこの日に観劇した人は「2役はダッチさんだったのか」と納得されたのでは。上川さんも一安心!?(笑) で、いつものようにお客様にお礼の言葉を述べた後…「皆さん今度は全員浴衣で来てください」という話になり…「浴衣…ユタカ… この作品を書いたのはユ・タ・カ(爆)」と、なんとも誰かさんもビックリするような寒いギャグを〜(笑)約1.5秒くらいの寒い空気の後、おっかーさんが突然高熱にうなされてぶっ倒れ、横にいた上川さんが必死になって「オイ!!大丈夫か〜!!オイ〜〜〜!!!」と必死になって呼び起こそうとするというのがあって(笑) ここでもまた会場オオウケ!!!で、気を取り直したところで「気候もこんなに暑くなってきましたし、紫外線が気になりますね」というような話になり、「女性の方は長袖などを着て見にいらしていただければ」とダッチさんが言いかけたところ、「余計なお世話だ!!!」という上川さんの光速のツッコミが(笑) いやいやいや〜楽しませていただきました〜♪
その後、お辞儀だけの3回目のカーテンコールを経て、それでも拍手が鳴りやまず今回も4回目のカーテンコールが!そして挨拶したのはモモコさん!まず開口一番「もう何も出ません(笑)」とお約束の一言を述べた後、話題がグランドクロスに。「今日はグランドクロスだったんですよね」との言葉にまず始めに反応を示したのは上川さん(笑)「え??嘘?今日なの??」としきりに納得できない模様(^_^;) そうです、13日に上川さんが挨拶した時、彼は確か「12日はグランドクロスだった」と明言していたんですねえ〜(笑) あの時の上川さんを知っているだけに、最後までモモコさんの言葉に「嘘?本当に今日?」と最後まで食い下がっていた姿が異様に笑えました(笑) で、その後の挨拶で「今回は新しいキャラメルをお見せできたと思います」ということになって、最後に一言「…悲劇、感激ぃ〜♪」と、またまた誰かさんもビックリしそうな飛び切りさむ〜いギャグが(^_^;) またまた約1.5秒くらいの寒い空気の後に今度は上川さんが思いっきり胸を抑えて「グオ〜っっっ」と倒れこんだんです(^_^;) いや〜、倒れるときも迫力満点ですなあ〜上川さんは(笑) 今度は必死になって上川さんを起こそうとするおっかーさん(笑) 上川さんの逆横に立っていた西川さんは何やら涼しい顔をして無線機を取り出すリアクションを(^_^;) おっかーさんたちが「何やってんですか〜助けないんですか〜」と騒いでいると、「※スーパータカヤ●号(噂によると6号だったとか(^_^;))、応答せよ」と通信中(笑) 会場中がまたまたこれでオオウケ状態に(笑)
※注意:上川さんはどうやらアンドロイドらしく、舞台専用のタカヤ1号から13号くらいまでいるらしい…以上、冊子「同期のサクラ」(キャラメルボックス発行)を参照(笑)
その後立ち直った上川さんを見て、なお、無線を取り出して「スーパータカヤ」を呼び出そうとする西川さん「もういいって!」と光速で突っ込みを入れる上川さん(笑)尚、しつこくやろうとする西川さんに「時間ないんだから」実も蓋もない光速ツッコミを(笑) いやいやいや〜、相変わらず笑わせてくれる西川&上川コンビ!最高ですな(^○^)最後舞台袖に引っ込む間際まで西川さんが無線呼び出しをしようとしてて、それをまたまた袖を引っ張って連れ去る上川さんが更に笑いを誘ってました(^_^;)

願わくば、ぜひまたこの作品の再演を見てみたいものです!(ちなみに原作は山本周五郎の「日々平安」中にある短編小説「失蝶記」。興味のある方はご一読ください。)

 


 

8月13日(金)1階 通路席 D-22番 19時30分開演

感激度 ★★★★★★(満点)

前の週に観て想像以上に感動してしまった私は…前日予約でまたまたチケットを確保してしまいました!しかもこの日は某ミュージカルの後…つまり初はしご(爆) でも私はここで断言できる!はしごして本当によかったと!!キャラメルの舞台はいつも大好きだったのですが、ここまでこの作品が好きになるとは…はっきりいって「やられた」という感じですね。今回も階段通路席だったため後半かなり腰が辛くなったのですが(苦笑)それでも舞台から目が離せないほど夢中になってみてしまいました。通路席って腰の痛みさえ我慢できればけっこうオススメですね。前の人の頭で見えないこともないし、かなり舞台も近いです!それにしてもこの日はめちゃくちゃ混んでた…前回の倍は通路席の人たちが群がってたなあ…(@_@) (2階席にも通路席が出たらしい…!)それほどやっぱりこの作品は魅力的ということなんだなあ、と改めて実感。

今回は2回目ということと、1回目の後にキャラメルのホームページを読みふけったおかげでそれぞれの登場人物の心情が前回以上に痛いほど胸に迫って来ました。殺陣の迫力もまた更にグレードアップしていてもう目が離せない状態!!
キャラメルの舞台って「いいなあ」とは思いながらも今まで一度も涙したことなかったのですが、今回は気がついたら目から涙がぼろぼろ落ちて来てしまいました(T_T) 弦次郎が無二の親友である英之助を斬ってしまった瞬間…倒れた英之助を見て慟哭する弦次郎の哀しみが胸を突いたんですよねえ。もう、おっかーさん(岡田達也さん)の表情があまりにも悲しすぎて…私も一緒になって涙してしまったわけです。それにしても、おっかーさん、本当に役者としてレベルアップしてますよねえ。仲間達から信頼されているという設定の弦次郎が今回本当にしっくりきている!殺陣の迫力も素晴らしかったです(^○^)
西川さんも今回はテンションがかなりあがっていました!初音に剣で打たれてしまったときに「犬の唾でもつければ治る」と言った後に走り回って「ジョン、ジョン」と探しまくるアドリブには笑わせていただきました〜(笑) 西川さんがやるとめちゃくちゃ可愛いんですよ(*^○^*) でも、大事なシーンでは妙な威厳があるっていうのはやっぱりすごい!殺陣のシーンでも他の藩士たちを圧倒しているっていうのがわかりますし。(ちょっと切ないけど(笑))さすが西川さんでした!!
あつをさん(大内厚雄さん)もまた前回に磨きがかかってカッコよかった〜(^○^) 印象的なのが聴覚を失った弦次郎に「初音さんとはどうなっている」と聞かれて彼に気づかれないように「すまない」と呟くシーン。この時の英之助の心情を思うとやっぱり胸が熱くなっちゃいますねえ。初音さんの前では声のトーンが上がってしまうくらい好きなのに、初音さんの心は弦次郎にあることを知ってたんじゃないかなあ、英之助は。そんな英之助だから親友の手で命を絶たれてしまう瞬間は本当に悲しかったです。ラストの「生涯の友だ」…あつをさんのまっすぐな眼差しにやっぱり今回も涙してしまうのでした(T_T)
美緒さんは今回のキャストが小川江利子さん。彼女の舞台を観るのははじめてなのですが、可愛さの中に燐としたものを持っていてとても好印象を持ちました!声の出し方なんか、もうキャラメル役者になってるなって感じ(どんな感じかいな(爆))だし。偶然にも私の名前とまったく同じ漢字を書く小川さんなので、これからもずっと応援してあげたいです(^_^)
そして、今回ものすごいブッチぎりのハイテンションで大熱演していたのが上川さんすごいすごいすごい!!!おかげで私は前回以上にすっかり鏡吾に感情移入して見入ってしまいました。前半部分のまだ仲がよかった時代のツッコミも迫力大有り(笑)隼助役の菅野さんに全身で飛び込んでいってデコピンしていたり(笑) おもいっきり蹴っ飛ばしたり(笑)、西川さんのギャグには手の皮をひんむきそうな勢いでコケてたし、もう大ノリって感じでしたねえ。でも、そんな笑えるシーンのなかでとても印象に残る表情を見せたときがあったんです。みんなとジャレあいながらもいつも身分の低さでコンプレックスを抱いていた鏡吾が、虎之助とふじの離婚の危機(^_^;)に「別れて自分の嫁になりなさい」と言って、結局、虎太郎とふじが元鞘になったところ。前回はただ単に笑って見ていたのですが、ふじが虎太郎を選んだとき、なんだかとっても複雑な表情を見せたんです、一瞬ですが。それを見てしまった私は今回このシーンで笑えなかった…というか、逆に切なくなってしまったのでした。後半の裏切り行為のあとの上川さんの気迫はめちゃくちゃすごかった…!!殺陣のシーンなど、もう、顔中が汗と涙とでぐしょぐしょになっていて…そこにいたのは上川隆也ではなくて間違いなく長谷川鏡吾でした。「何故自分の言うことは信じてくれないんだ」「俺にははじめからTRUTHなんてなかった」 …身分の低さをずっとコンプレックスに持ってきた彼の哀しみがこのセリフに痛いほど込められていて今思い出すだけでも涙が出ますね(T_T)あの時、本当に誰か一人でいいから鏡吾の側についてほしいと思ってしまったくらい…でも、鏡吾は最後まで救われない人生を歩むのかと前回は気にかかってしまったのですが、今回の上川さんの鏡吾を見て、「鏡吾はひとりではない」と実感しました。あの舞台の上で、誰よりも鏡吾の理解者が確かに存在したから。鏡吾を演じた上川隆也さん、彼は間違いなく鏡吾の一番の理解者であったはずです。そう思うと、悲劇性のあるあのラストにもちょっと救いがあるんじゃないかなと…。キャラメルの上川さんをますます好きになった一作です。
その他の役者さん達もテンション最高潮で本当に感動的でした!!(やっぱり登場するだけで笑えたダッチさん(篠田剛さん)の和尚さんですね(笑))

カーテンコールでは、熱演の後頭がまだ真っ白な状態のはずの(かなり憔悴してましたからねえ、終わった瞬間。)上川隆也さんがご挨拶。これが実に面白かった!まず、「11日は皆既日食、12日はグランドクロス(天体であるのです)に流星群、そして今回はうら盆13日の金曜日、こんな日にtruthを選んでくださてありがとうございました。」といった感じでスタート(笑) う〜ん、いかにもマニアックと称される(笑)上川さんらしい最初のごあさつでしたねえ(^_^;) で、13日の金曜日って言った瞬間に横にいた西川さんがふらふらっと倒れそうになって、それを必死に支える上川さん「13日の金曜日の影響はここまで来ていました!」というのがまた笑えた(笑) その後、客席を見回して「今回も客席がカクノゴトク云々〜」とたどたどしい口調で言うとまたまた横で西川さんが「カクノゴトクカクノゴトク・・・」と何回もボケて繰り返し、それに対して光速で突っ込みを入れる上川さん(笑) また、次回公演が「怪傑三太丸」という宣伝をするとき、なかなか題名が出てこなくて「すみません、今ちょっと脳細胞との連携がうまく行ってないもんで…」(←あれだけの熱演した後じゃなかなか戻らないだろうと思ってしまった私)と焦ってると、またまた横で西川さんがすかさず電話のようなアクションをとり上川さんの脳細胞と通信(笑) それに対してまたまた光速で「どこに電話してるんですか〜」と突っ込みを入れる上川さん(笑) その後も約5分間くらい西川さんと上川さんのボケとツッコミ劇が繰り広げられ、めちゃくちゃ楽しかったです(^○^) まさに、あの二人のボケとツッコミは漫才状態ですね(笑)ぜひビデオ化していただきたい(笑)
その後ももう一度カーテンコールが起こって、グッチーさん(坂口理恵さん)がご挨拶。お約束の「上川隆也でございます」とのボケに「ちが〜う!」とまたまた光速で突っ込みいれる上川さん(笑) その後、「山岡と和尚の二役をやりました篠田剛でございます」との挨拶に会場大拍手!でもグッチーさんもかなり鬘の重さが辛いようで「もう何も出ませんので(笑)私の鬘ももう限界ですし、通路席の方の腰も限界だと思いますので(笑)←いや、本当に限界来てた、私の腰(爆)」とご挨拶されて終了。でも去り際、最後の最後に舞台袖に引っ込む前に端っこで乗り出して舞台に無邪気に手を振り続ける西川さんの襟を掴んで退場して行く上川さんというのもあって(笑) もう〜〜〜大感動の舞台の後にこんなにも楽しいシーンがあるとは!はっきりいって大満足でした!

上川さんはこのあとまた1年間出稼ぎに出てしまうのでしょうが、あくまでも彼のホームグラウンドはキャラメルボックスだと思います。キャラメルボックスで芝居をしている上川さんは本当に生き生きとしていて楽しそうだから。上川さんが出稼ぎに出ている間のキャラメルもまた見に行くつもりです!キャラメルボックス万歳\(^o^)/


 

8月6日(金)1階 通路席 B-20番 19時30分開演

感激度 ★★★★★★(満点)

「風を継ぐ者」で一気にキャラメルファンになった私。なので、キャラメルボックスの幕末物にはめちゃくちゃ期待を寄せています。と、いうわけで、前日予約の通路席ながら行ってまいりました!なんと、去年の夏公演(さよならノーチラス号)以来のキャラメルだったんですねえ…(^_^;) 金銭力がなくてすっかりご無沙汰してしまいました(爆)
今回は、テレビで確実にファンを増殖させている(笑)上川隆也さんが出演とあって会場がめちゃくちゃ混んでる!通路席だけでも60人くらいはいました(@_@) 通路席だと前説の後半部分くらいからの入場になるのですが、なぜか今回加藤さんの前説ではなくて真柴あずきさんのマイクのみによる前説が。どうやら加藤さんお風邪をひかれた模様で…大変なんだなあ〜と。で、実際に通路席に座ったんですが、これが案外見やすい!!後半の腰の痛みさえ我慢できれば通路席OKです!!あ〜本当に前日予約してよかった!

物語にはいる前にまずとても気に入ったのが今回のセット。いつもキャラメルの素敵なセットは大好きだったのですが、今回はもう舞台全体が純和風!!とっても清楚な感じで、脇にたくさん茂っている笹がまた趣きを増していました。それに照明がとてもキレイだし、物語が進むに連れて変化していく月の演出も最高でした(^○^) もう、あの舞台を観た瞬間から気分は幕末に〜♪流石細かいところまで気の利くキャラメルだなあと思ってしまいました。
そんなすてきなセットにますます幕末の世界の息吹を吹き込んでくれるのがいつも全速力で演じてくれる役者さん達!!幕末の志士って本当に皆常に何事に対しても熱く真剣だったんですよね。彼らの熱演はまさにその幕末の志士そのものでした。

幕末といえば、いつも凛々しい沖田総司を演じていた菅野さんが、今回は珍しくいじめられ役に(笑)特に鏡吾演じる上川さんにめちゃくちゃ突っ込まれてたじたじになってしまうのがまた可愛かった(^.^) それに剣の腕も沖田総司とは大違いなんですねえ(^_^;) なんだか見ていてとても新鮮でした。強くて凛々しい菅野さんもいいけど、こういったいじめられ役の、タジタジの菅野さんもいいなあ〜。銃が暴発してしまったときに責任を感じて落ち込む姿はもう…こちらが「大丈夫だよ」って言ってあげたいくらい可哀想で(;_;) 後半の隼助の苦悩も見ていてなんだか辛かったし、そう言った細かい心情が上手いですね、菅野さん。大学院も出たことだし(虫の研究してたらしい(^_^;))これからも色々な役で見てみたいです。
新鮮といえば、最近ずっといじめられ役に回っていたヅカッチさん(南塚さん)が今回お笑い抜きの熱く燃える若き藩士役を演じていたこと!実に「風を継ぐ者」以来じゃないかなあ〜、突っ込まれないヅカッチさんを見たのは(笑)もう、終始ハイテンションで「今を全力で駆け抜ける、融通の利かないまっすぐな藩士」って感じでとても頼もしく見えました。最後まで鏡吾の裏切りを信じようとしない三郎太はみていてなんだか痛々しい…でも、半分は鏡吾の側に最後までついてくれて嬉しかったというのはあったなあ。ただ…ちょっとあのヅラはイケテなかったかも(^_^;;;;)
グッチーさん(坂口理恵さん)、「風を継ぐ者」に続きまたまた年増(といったら失礼か(爆))の弾けたオナゴ役を熱演されていてとても楽しかったです!あの鬘ってめちゃくちゃ重いらしいのに(電話帳を頭に載乗せたくらいらしい(^_^;))あそこまでハイテンションに叫びまくっているのははっきりいってスゴイことだと思います。悲劇性の高いこの作品の休憩どころといった役回りでしたね(^.^)
燐とした女性を演じさせたらピカイチなのがモモコさん(岡田さつきさん)!袴姿も凛々しくてカッコよかったのですが、薄いピンク色の着物もとても似合ってしまうのは流石!弦次郎と英之助との間で揺れ動く微妙な女心は観ていて切なかったですね。心は弦次郎に傾いている初音さんの苦悩…う〜ん、難しい役周りだったんじゃないかな。
美緒役の中村亮子さんも可愛い女心が出ていてとてもよかったです。弦次郎さんスキスキ光線をピシピシ感じました(笑) 一途に思っているんだけど、結局は妹としか見られないんですよね、ああいうタイプって。報われない悲劇といえば、美緒さんもそうなのかもしれません。
今回お初見だったのが虎太郎役の清水さん。上川さんに憧れてこの劇団に入団したそうですが、なかなかいいです!雰囲気としては、ついこの前惜しまれながらも自分の夢に向かって退団された今井義博さんに似ていますね。まさに今井さんの後がまって感じで、ちょっと嬉しくなりました。キャラメルには必要なキャラクターですしね。グッチーさんとの歳の差カップルもなかなか楽しくてよかったですよ(^。^)
今回一番の笑いを起こしてくれたのが、ダッチさん(篠田剛さん)!山岡は別に笑えるキャラじゃないんですけど(どちらかといえば、「お代官様、おぬしも悪よの〜」って雰囲気だったな(笑)) なんといっても2役目の和尚さんは大ヒット!!!前説で2役している人がいて髪型と服装で判断できるといっていたのですが、あれはもう一目瞭然ですね(笑) 頭丸坊主のダッチさんの和尚さんが現われた瞬間、もうそれだけで笑えます!しかも、超ハイテンションで「カ〜〜〜ツ!!!」と叫ぶのなんてもう最高!次回幕末物でもぜひ和尚さんを〜(笑)

もはやキャラメルボックスのリーダーとして不思議な風格を漂わせている西川浩幸さん。出番こそ少なかったのですが、道場の師範っていうのが妙にはまってました。相変わらずの小ネタも健在で「道場かなあ〜(訳:どうしようかな〜という意味です(爆))」とか(笑) セリフひとつにしても思わずプッとしてしまうような言い回しも最高!と、一見頼りない師範って感じなんですが、いざとなると不思議なほど威厳に満ち溢れているのがまたスゴイです!殺陣のシーンでも、帆平さんが剣を構えるだけで鏡吾や弦次郎がひいてしまうほどの異様なオーラを放っていました。やっぱり西川さんはカッコイイ!でも、今回のかつら姿はちょっと…イケテなかったかも(^_^;;;;;)
「俺たちは志士じゃない」以来、またまた主役になったおっかーさん(岡田達也さん)!いいですねえ〜!個人的には「俺志士」よりも今回の弦次郎のキャラクターのほうが好きです(^○^) パンフの写真ではちょっとイケテなかった鬘も(笑) 実際の舞台ではすごく似合っててカッコよかった!聴覚を失ってもなお仲間の信頼を一身に受けていた弦次郎が、鏡吾の裏切りで一転追われる身になってしまったことへの苦しみ、そして何より無二の親友を手にかけてしまったことへの深い悔恨…「この耳が聞こえていれば」というセリフは特にこちらの胸を突きましたね。そしてラスト、英之助の言葉を聞いて慟哭する弦次郎には思わず涙腺が緩んでしまいました…(T_T) おっかーさんよかったですぅ〜〜♪
英之助を演じたあつをさん(大内厚雄さん)、いや〜、カッコイイ(*^○^*) もともと「素敵だなあ」とは思っていたのですが、今回の英之助はマジでメチャクチャカッコよかったんですよ〜!堅物で、口が重い、でもいつも真っ直ぐ前を向いていて、何よりも親友の弦次郎をとても大切に想っているというのがめちゃくちゃストレートに表現されていて素晴らしかったですねえ。弦次郎に切り捨てられてしまった後、「もう出番ないのかな」と妙な心配をしてしまったくらい(爆) ラストの「許すも許さないも、俺はおまえの生涯の友だ」というセリフがすごい胸に響きました…(T_T) この公演で、明らかにあつをさんのファンは増殖しただろうなあ(笑)
そして、また一段とハイテンションで熱演していたのが年に1度だけキャラメルに帰ってくる(笑)上川隆也さん。テレビでしか上川さんを見たことない方は、ぜひぜひ、キャラメルボックスの舞台に立っている上川さんを見てほしい!もう、キャラメルの舞台に立っていることが嬉しくて嬉しくて仕方がないっていうのが、あのハイテンションな演技からびりびり感じられるんですよねえ。始めの頃は上田藩士の若き志士達の一員ってだけだったので「まさか上川さんがここまでの役で終わるはずないよなあ」と思ってしまったのですが、中盤から後半にかけてはもう舞台全体を支配してしまうほどの迫力で!特に殺陣のシーンではもう、相手を突き刺しかねない勢いでした(^_^;) テレビでは好青年を演じることが多い上川さんですが、舞台でみせるこういったひねくれ者の役も見事にはまってます。というか、逆にこういう役柄が一番上川さんに似合うんじゃないかなあと思えるほど。ラスト、次第に孤立していく鏡吾の姿は観ていて本当に痛々しかった…彼の寂しい心のうちの叫び声がセリフから以外にも聞こえてくるような感じで…。前半では仲間達と嬉嬉としてジャレあっていただけに、なおさら悲しかったです。「何故自分のことは信じてくれないんだ」のセリフに鏡吾の言いようのない孤独感がヒシヒシと感じられてみていてもとても辛かったですね。いつもハッピーエンドで終わるキャラメルが、今回はなんだかちょっと悲劇的な形で終わってしまい、なんだか「これから鏡吾はどう生きていくんだろうか」とやたら切ない想いが残りました。

カーテンコールではグッチーさんがご挨拶。挨拶の始めに「上川隆也でございます」と近江谷太朗さんネタを持ち出して来て、すかさず上川さんに「ちが〜〜〜う」と光速で突っ込みを入れられていたのが笑えました(笑)あれだけ激しく熱演してきた上川さんなのに、ツッコミも超ハイテンションっていうのはすごい(^_^;) 彼は本当にキャラメルボックスが好きなんですね(^○^) ラストの去り際で、奥舞台中央で弦次郎役のおっかーさんと鏡吾役の上川さんが上で手を合わせるのがとても印象的でした。
とにかく、この「TRUTH」、セットもよければすべてオリジナルのBGMも素晴らしい!そして、何よりも全速力で駆け抜ける役者さん達の熱い演技が最高です!!「風を継ぐ者」ですっかり幕末の虜になった私にまたまたお気に入りの幕末のお話が一つ加わりました(^○^) ビデオが出たら絶対に買うぞ〜〜〜〜〜〜〜!!!!