ミュージカル「ローマの休日」 帝国劇場

主なキャスト

アン王女:大地真央 / ジョー・ブラットレー:山口祐一郎 / アーヴィング・ラトヴィッチ:宮川浩  / ヴィアバーグ伯爵夫人:南風洋子 / マリオ:太川陽介 / プロヴノ将軍:中丸新将 / 大使:藤堂新二 / へネシー編集局長:近藤洋介 / ジョバンニ:花房徹 / ルイザ:冨田恵子 / 警察署長:北川潤 

第1回観劇日 3月25日(土)マチネ
第2回観劇日 4月30日(日)マチネ[楽]

 

あらすじ

アン王女(大地)は自国と諸国間との緊密化を図るためにヨーロッパ歴訪の旅に出ていた。今回の訪問地はローマ。ところが、度重なる公式レセプションにほとほと嫌気の差していたアン王女は、その晩、伯爵夫人(南風)や将軍(中丸)、大使(藤堂)らの目を盗み服を着替えて大使館を抜け出す。外の街に心をときめかすアン王女だったが寝る前に打たれた安定剤の注射が効き、広場で眠ってしまう。そこに偶然通りかかったのが新聞記者のジョー(山口)。成り行きで自分の家に嫌々彼女を連れて行くのだが、翌日出社したジョーはそれがアン王女であることを知り、彼女を取材することを買って出る。そうとは知らずに翌朝ローマの街を探索し胸をときめかせるアン王女。途中、美容師のマリオ(太川)と出会い、長かった髪を短くカットしてもらう。その後、偶然を装って現われたジョーやジョーに呼び出されてやってきたカメラマンのアーヴィング(宮川)とともに丸1日ローマの街を楽しむアン王女。そしていつしか、アン王女とジョーの間には恋心が芽生えていく。しかし、時間は刻々と過ぎアン王女が戻らなければ成らない時が来る…

4月30日(日) マチネ観劇 −千秋楽− 

驚きの連続だった前回の観劇。その間にもう一度観ようかな〜と思ったら今回が千秋楽になってしまった(爆) かなりダイナミックに生まれ変わっていたローマの休日だったのにちょっと残念でした。

千秋楽というだけあって会場も盛り上がってましたっっ♪役者さんたちも熱気にあふれていて思いっきり感情移入して観てしまいました。心なしか前回よりも全体的にまとまった舞台って印象ですね。この公演をもってしばらく公演されないと噂されるローマの休日だけに、役者の皆さんの思い入れも特別だったのでしょう。楽といえば、初演のときに祐一郎さんがスクーターを爆走させて他の役者さん(とくに宮川さん(笑))をあたふたさせたことが思い出され(^_^;) 今回の千秋楽では祐一郎さんがもっと遊ぶのではと密かに楽しみにしていたのですが(爆)当てが外れ正統派のブラッドレーで通してました(笑) その代わりに遊んでくれたのは支局長を演じた近藤さんでした(笑)遅刻したジョーに説教するシーンで『クレオパトラでもない、マリーアントワネットでもない』というところを『クレオパトラでもない、カルメンでもない』と(笑) おお!これは密かに二人とも真央様が演じた人物ではないか!!(しかも、つい最近までカルメンで近藤さんは真央様と競演してたのです)初演では共演者を煙に巻いていた祐一郎さんでしたが、今回は近藤支局長にちょっとびっくりしたみたい(笑) そのあとすぐに同じ言葉で応酬してましたけどね。これには会場大喜びでした!ありがとう近藤支局長♪

遊ぶ祐一郎さんが見られなかったのですが、かなり感情が高ぶっていたのはたしか。もう声がワンオクターブ上ずってたし(テンション高かったんだろうな〜)、なんといっても芝居面ですごくグッとくるものがあった!今回の公演で祐一郎さんの芝居部分がまた1つ大きく成長したのではないでしょうか(^_^) なんてちょっと偉そうか(^_^;) あ、そう言えば千秋楽だからかしらないけど、アン王女とのキスシーンが前回よりも長かったぞ〜〜〜と、私はまた密かに秒数を数えていた(爆) でも、何度見ても一番心にジーンとくるのは宮川アーヴィングの撮った写真を泣きそうな顔して眺めているシーンですね。ここ、すぐに画像がかぶっちゃうのが本当に残念!
アン王女に完全になりきっている真央様もテンションが沸騰するくらい高かったですねえ〜。この公演でローマの休日が当分ないということが分かっているのか、後半ではもう心から泣いていたって感じでした。あそこまで涙に暮れている真央さま=アン王女を見ているとこちらも胸が熱くなりました〜(T_T) それでもしっかりとした威厳をラストで見せてくれるのはさすがっっっ!会見場から宮川アーヴィングの渡した写真を胸にしっかりと抱いて立ち去る姿は本当に感動的でした…う〜ん、それにしても真央さんのアン王女は完璧でしたね!!上から下までオードリーの案王女を忠実に表現したって感じで、改めて真央さんのすごさを感じてしまいました。
テンションの高さではまけていない宮川さんのアーヴィング!これはまあ私がファンだからかもしれないけど、やっぱり最高ですわ!!!つくづく一幕1度きりの登場がもったいない… 千秋楽とあって、このホテルの一室シーンではいつも以上に気合が入っていたと思われる宮川さん。それが顕著に見られたのがダンスシーンですね♪もう、これでもかっっ!てほどシャカリキになって動いているんですよ〜〜上手い下手というのは抜きにしても(いや、私はけっこう上手いほうだと思うんだけど…(^_^;))あれは目が行きますわ♪ここで宮川アーヴィングのソロが入ったらどれだけ良いか…。で、2幕も前半からずっと飛ばしていた宮川アーヴィングですが、今回はとくにラストのジョーとのやり取りにぐっときました…。アン王女の写真をジョーが使わないと知ってガックリきたのに親友の気持ちもわかるっていうあのハイテンションアーヴィングとは一味も二味も違った優しさが見えて感動的でした…(;_;) そして、最後にジョーの肩をぽんとたたいて退場するところも絶妙!!宮川さん、このローマの休日で演技面でもかなり大きく成長したのではないでしょうか(^_^) 贔屓目かもしれないですけど(笑)宮川アーヴィングが本当に好きでした(^。^)
その他でまたよかったのがマリオの太川さん!あのいかにもイタリア人チックな美容師は今回も健在で楽しませてくれました〜〜♪好きだったなあ〜太川さんのマリオ(^。^) 初演で順さんとダブルキャスト組んでもよかったかもしれないですね。

カーテンコールもかなりの盛り上がりでした!何回あったかな〜。客電がついても拍手が鳴り止まなくてスタンディングオベーションが何度も続きました。ラストのほうのカーテンコールでは祐一郎さんが真央さんを引き連れて登場。そのたびに常に真央さんを前面に出して自分はその影に隠れていた姿が印象的でしたねえ〜…それはまるで爺やが姫を護衛して歩いているような(笑)感じでしたわ〜。でもね、祐一郎さんだって主役の一人なんだからもう少し目立ってもいいんじゃないかなあなんて思ってしまいました。それでも常に主演女優を立てようとする山口爺やに感動しつつ歯がゆくもあり複雑な心境でしたねえ(^_^;) あ、でも、宮川さんもつれてきて欲しかったよ〜(^_^;)

 

3月25日(土) マチネ観劇

一年前に名古屋遠征して以来の久々の観劇です。今回は帝国劇場ということで料金もまたランクアップしてしまい(T_T)千秋楽オンリーの観劇にするはずだったのですが…やはりその前に一度観たい!というわけで、2週間前にチケットゲットしてしまいました(笑) ただ金銭的理由から今回はA席。帝国劇場が広すぎるのか…2階A席付近はかなり空き数がありました(^_^;)う〜ん、もったいないなあ。

劇場が広くなったということもあり、またまた新しいローマの休日が登場したって感じですね。まず、オーバーチユアがなぜかかなり濃密に長くなってる(笑)まあ、いろいろとレパートリーが楽しめていいのですがちょっと長すぎかなあ(^_^;) でもあのはじめに流れるアン王女歴訪のニュースが見易くなったのはよかったです!映像技術が帝劇のほうが優れているのでしょうか。ゆれもなかったし、はっきりとアン王女の新聞記事を見ることができました。
アン王女登場シーンは名古屋バージョンとほぼ同じ中央よりで変わっていなかったのですが、招待客の歌詞がまた少し改変されたようでした。でも基本的にはほとんど名古屋と同じ。ただ「うお〜っ!」とびっくりしたのが(ちと大げさか(笑))寝室のセット登場!!さすが帝国劇場!今までは回る盆の後ろから登場していたのになんと下からグオ〜〜〜っとせり上がってきていたんですよ〜〜(*_*) これには私も度肝抜かれました(笑) ダイナミックといえばアン王女の抜け出しシーンの時のこと…実はここの演出も大幅に変更されていて、歌の歌詞はまったく同じなのですが(ちょっとは変えてほしかったんだけど…(^_^;))いろいろな場面が登場するんです。厨房とか、屋敷の階段下とか。それはものすごくリアリティが出ていて面白い演出だったのですが、なんと、アン王女がシャンデリアの上に上るという自体まで発生(笑)自体が飲みこめなかった私は『ん?歌声だけ聞こえているけどアン王女はいったいどこに隠れたんだ?』と馬鹿みたいに下のほうをきょろきょろと探してしまいました(爆) はっと気がついたときにはすでにシャンデリアからせり上がってきた床に着地するときで…いや〜、ホント、思い切ったことしましたなあ(苦笑) もうひとつダイナミックだったのがローマの大階段!帝劇の広さを利用したようで、舞台の端から端までが段になっていたのにびっくりいたしました〜〜!ここはまさに真央さんのクライマックスシーンでもあるし迫力も満点ですごく感動的でしたね。今までの中で一番立派な大階段でした!その代償として噴水がなくなってたんですが(笑) こんなにダイナミックになったにもかかわらず、1幕唯一の宮川さんの出番であるホテルの一室(だったのね!知らなかった(爆))は以前と変わらず(笑) なんだかちょっと寂しい気がしたのは私だけなんでしょうか(^_^;) 
なんと行っても一番の変更点はアンとジョーのローマ観光シーンですね。ここはほとんど改変されたといってもいいでしょう。まず歌詞とメロディーがまったく変わりました。つまりここが新曲ってわけですね。私は新曲って言うからどこか違うシーンか、ジョーとアーヴィングに新たに書き加えられたのかと楽しみにしていたので(^^ゞ ちょっと残念…。あと、前回までの「時間よとまれ」のメロディーもけっこう好きだったのでここでもちょっとがっかりしてしまいました。が、観光案内シーンとしては素晴らしい出来になってましたよ!今までのぐるぐるミニチュアが回るというものではなく、ローマの名所が次々と大きなセットとして出てくるんです(^。^) そこでスクーターをちょっと止めるような感じで祐一郎さんが運転しているのでなかなか臨場感あふれるシーンになってました!あのミニチュアぐるぐるはちょっと疑問視していたので私はこちらの演出のほうが好きですね(^○^)←でも、ジョーのアパートの脇にはしっかりとすえつけてあったけど(苦笑)
あと細かいところではジョーに乱暴するおばあさんがかなりクローズアップされていて殴る蹴るの音がよりリアルになってたり(笑) マリオの店に後から入る女性がカットされていたり(笑) 船上パーティーでマリオが水に飛び込まなくなったり、署長さんが直接船上パーティーの乱闘騒ぎ中に現れたり…というのがありましたね。ただちょっと残念なシーンとしてジョーがアーヴィングの持ってきた写真を複雑な心境で眺めるシーンが映像でほとんど見られなくなってしまったことがあげられます…。あのときの祐一郎さんの表情が胸を打つのに…(T_T)

キャストも初演と比べてけっこうメンバーが変わりましたね。その中で初演組の大地真央さんのアン王女、祐一郎さんのジョー、宮川さんのアーヴィングの息はますますばっちり!!もう3人ともノリノリで観ていて本当に楽しかったです!
真央さんのアン王女は前回にも増してチャーミングでおてんば。だってシャンデリアにも上っちゃいますからねえ(笑) でもそれにさらに気品もすごく感じられました。やっぱり真央さんはカルメンのような激しい女性よりもアン王女のほうがしっくりくるなあ〜なんて思っちゃいますね。もう身も心もアン王女そのもの!ジョーとのラブシーンもより切なくなっていてラストシーンで涙ぐんでいる姿が胸を打ちました(T_T) 立ち去るときに写真を大切そうに胸に抱く姿がとても印象的でした…
祐一郎さん、こんなことを言っては失礼かもしれないのですが前回よりもグッと芝居がうまくなったように感じられました!いや、前回までのブラッドレーも素敵だったんですけど、今回はまたさらに大人の魅力みたいなものがすごく感じられたんですよ〜。アン王女がジョーに惹かれるのがわかるっていうくらいの。前半部分のお茶目なシーンもすごく楽しませてくれるし、特に後半部分ではアンとの別れの辛さを切々と演じられていて見るものの胸を打ちました。「君のためだったらキッチン付の部屋に引っ越してもいい」とアンを抱きしめるシーンは特にグッときましたねえ〜(;_;) 今までの中で一番好きな祐一郎さんのブラッドレーだったかも。
宮川さんのアーヴィングますますパワフルに絶好調!!1幕の唯一の出番ながら鮮烈にその存在感が印象付けられましたよ〜(って私が特にファンだからかもしれないけど(笑)) あれだけ存在感を持っている宮川アーヴィングにソロがないのは本当にもったいないよ〜〜〜「それが人生」では新しく加わったと思われるダンスを誰よりも張り切って踊っていたので目立ちに目立っておりました(笑) もうすごく生き生きしてるんです、宮川アーヴィング〜♪ 2幕ではまたテンションが一ランク上がっていて台詞が一オクターブ上がっておりました(笑) スクーターが突っ込んで署長さんに注意されている間でも脇で細かい芝居してます!で、そのあとのバカ笑いがまたすごかった!!(笑) もう見所満点でしたよ〜♪私の周囲のお客さんの受けもよかったし(^○^) 自分のファンの人がこうやってお客さんに受け入れてもらっている姿を見るのはなんだかすごくうれしいんですよね(^。^) シャキシャキにハイテンションな宮川アーヴィングもいいけど、ラストで見せるしみじみアーヴィングもまた格別でした…なんだかんだいってもやはりジョーのことは大切な親友だし、アンを売るようなことは出来なかった…あったかい人っていうのが今回すごくよく出ていて、ジョーの方に手を置くシーンでは思わず胸が熱くなってしまいました(;_;) あ、また長くなっちゃった(爆)ファンモードゆえお許しを(笑)
ほかのキャストの方も素晴らしかったのですがその中で特にあげるといえば、美容師マリオ役で初登場の太川陽介さん!いや〜、若さあふれる陽気なイタリアンって感じがものすごく出ていてよかったですよ〜♪それにすごくかわいらしい(^。^) 名古屋版の歌詞の中で一番気になっていた「チョキチョキ」がそのまま残っていたのですが(^_^;)それをしつこくなくさらりと歌ってくれたのはさすがでした!

舞台が大きくなれば芝居のスケールも大きくなりますねえ。3度目の再演作品ですが、また前回とは違った醍醐味を堪能できました!これで宮川さんのソロがあってくれれば文句はないんだけどなあ(^_^;)