【注意】 このドキュメントは、W3CのRDFa Lite 1.1 W3C Recommendation 07 June 2012の和訳です。
このドキュメントの正式版はW3Cのサイト上にある英語版であり、このドキュメントには翻訳に起因する誤りがありえます。誤訳、誤植などのご指摘は、訳者までお願い致します。
First Update: 2012年06月26日
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このドキュメントには、勧告案との差分、ポストスクリプト版、PDF版という非規範形式もあります。
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RDFa Liteは、RDFa(Resource Description Framework in attributes)の最小サブセットで、HTML、SVGやXMLなどのウェブ・ドキュメントで機械可読データを表すために使用できる小数の属性で構成されます。これによって高度なデータ・マークアップの課題が完全に解決されるわけではありませんが、ほとんどの日常的なニーズに対応しており、ほとんどのウェブの著者は一日で習得できます。
この項は、このドキュメントの公開時のステータスについて記述しています。他のドキュメントがこのドキュメントに取って代わることがありえます。現行のW3Cの刊行物およびこの技術報告の最新の改訂版のリストは、http://www.w3.org/TR/のW3C技術報告インデックスにあります。
このドキュメントは、W3Cメンバー、ソフトウェア開発者、他のW3Cグループ、および他の利害関係者によりレビューされ、W3C勧告として管理者の協賛を得ました。これは確定済みドキュメントであり、参考資料として用いたり、別のドキュメントで引用することができます。勧告の作成におけるW3Cの役割は、仕様に注意を引き付け、広範囲な開発を促進することです。これによってウェブの機能性および相互運用性が増強されます。
このドキュメントは、RDF Web Applicationsワーキンググループ、Vocabulariesコミュニティグループ、HTMLワーキンググループ、およびGoogle、Yahoo!、Microsoft、Yandexなどのschema.orgイニシアチブのスポンサーを含むW3Cにおける一連の議論の集大成です。これらの組織の代表によるレビューを受けており、その時点で合意を得ています。勧告案期間には変更は行なわれませんでした。勧告に移行するために管理者が用いる実装報告が提供されています。
このドキュメントは、W3C RDF Web Applicationsワーキンググループによって勧告として公開されました。このドキュメントに関してコメントを行いたい場合には、public-rdfa@w3.org(購読、アーカイブ)にお送りください。どのようなフィードバックでも歓迎します。
このドキュメントは、2004年2月5日のW3C特許方針の下で活動しているグループによって作成されました。W3Cは、このグループの成果物に関連するあらゆる特許の開示の公開リストを維持し、このページには特許の開示に関する指示も含まれています。不可欠な請求権(Essential Claim(s))を含んでいると思われる特許に関して実際に知っている人は、W3C特許方針の6項に従って情報を開示しなければなりません。
この項は非規範的です。
完全なRDFa構文[RDFA-CORE]は、HTMLやXMLドキュメントで、人や場所、出来事の関係などのかなり複雑に構造化されたデータを表現できる多くの基礎的そして高度な機能を提供します。これらの一部の高度な機能のせいで、構造化されたデータに詳しくない著者がRDFaを用いることが難しくなるかも知れません。この簡略版のRDFaは、自身のウェブ・ページでシンプルなデータを表現したいと考える著者を対象とした、構造化されたデータの世界へのより易しい入門書です。著者の8割にとって、学びやすく、シンプルなデータ・マークアップを行うために役に立つ最小のサブセットを提供することを目標としています。
この項は非規範的です。
RDFa Liteは、vocab
、typeof
、property
、resource
、prefix
の5つのシンプルな属性で構成されています。RDFa 1.1 Liteは、RDFa 1.1の属性の全集合と完全に上位互換性があります。これは、著者にとってRDFa Liteが不十分であれば、既存のRDFa Liteマークアップにより強力なRDFa属性を追加するだけで完全版のRDFaへの移行が行えることを意味します。
Microformats[MICROFORMATS]やMicrodata[MICRODATA]と同じように、RDFaによって、我々が何を言っているかを機械が理解できるようにウェブ上の事物について述べることができるようになります。一般的に、事物について述べる場合には、特定の語彙を用います。例えば、人について述べたい場合には、名前や電話番号などの用語を指定できる語彙を用います。ウェブ上の事物についてマークアップしたい場合も、これと非常に似ており、どの語彙を用いるかを指定する必要があります。下記は、段落内で事物をマークアップするために用いる語彙を指定するシンプルな例です。
<p vocab="http://schema.org/">
My name is Manu Sporny and you can give me a ring via 1-800-555-0199.
</p>
この例では、用いる語彙がhttp://schema.org/
にあることを指定しています。これは、(人、場所、レビュー、レシピ、出来事などの)検索エンジンが関心を有するウェブ上の一般的な事物について述べるために主な検索エンジン会社が公表している語彙です。語彙を指定したら、次に、述べている事物の種類を指定する必要があります。この特定のケースでは、人について述べているため、次のようにマークアップできます。
<p vocab="http://schema.org/" typeof="Person">
My name is Manu Sporny and you can give me a ring via 1-800-555-0199.
</p>
これであとは、検索エンジンに指示したいその人の特性を指定するだけです。次の例では、その人の名前、電話番号とウェブ・ページをマークアップしています。RDFa Liteでは、テキストでもURLでもマークアップできます。次の例では、青色で強調している、検索エンジンに指示しているデータの種類に特に注意してください。
<p vocab="http://schema.org/" typeof="Person"> My name is <span property="name">Manu Sporny</span> and you can give me a ring via <span property="telephone">1-800-555-0199</span> or visit <a property="url" href="http://manu.sporny.org/">my homepage</a>. </p>
これで、誰かが検索エンジンで「Manu Spornyの電話番号」と入力すれば、検索エンジンは確実に質問に対する回答を直接示したり、検索者をより関連性の高いウェブ・ページに誘導したりすることができるようになります。
あなたのページ内の個々の事物について、ウェブの著者が述べられるようにしたいならば、それらの事物に対して個々に識別子を付与する必要があります。HTMLでid
属性を用いてページの部分に対して識別子を付与するのと同じように、resource
属性を用いて、ページで記述されている事物に識別子を付与できます。
<p vocab="http://schema.org/" resource="#manu" typeof="Person">
My name is
<span property="name">Manu Sporny</span>
and you can give me a ring via
<span property="telephone">1-800-555-0199</span>.
<img property="image" src="http://manu.sporny.org/images/manu.png" />
</p>
上記のマークアップがhttp://example.org/people
にあると想定すると、事物の識別子はこのアドレスにresource
属性の値を加えたものになります。したがって、ページ上の事物の識別子はhttp://example.org/people#manu
となるでしょう。この識別子は、別のウェブ・ページ上の同じ事物について話したい場合にも有用です。一意のURL(Uniform Resource Locator)を用いてウェブ上のすべての事物を識別することにより、事物のウェブ(Web of things)を構築できるようになります。ウェブ用のソフトウェアの構築を行っている企業は、この事物のウェブを用いて、「Manu Spornyの電話番号は何番で、どのような人物なのか?」というような複雑な質問に答えることができるようになります。
事物について記述する時に、著者が求める用語がすべて語彙に備わっているとは限らない場合もあります。一部の著者に必要でありえるRDFa 1.1 Liteの最後の機能は、複数の語彙を指定できることです。例えば、ある人について記述する際に、その人に好きな動物がいることを指定する必要があれば、下記のようにできます。
<p vocab="http://schema.org/" prefix="ov: http://open.vocab.org/terms/" resource="#manu" typeof="Person"> My name is <span property="name">Manu Sporny</span> and you can give me a ring via <span property="telephone">1-800-555-0199</span>. <img property="image" src="http://manu.sporny.org/images/manu.png" /> My favorite animal is the <span property="ov:preferredAnimal">Liger</span>. </p>
この例では、Open Vocabulary(ov
)に短縮形の接頭辞を割り当て、その接頭辞を用いてpreferredAnimal
という語彙の用語を指定しています。schema.orgには好きな動物を明確に表現する方法がないため、著者は、このような代替の語彙を用いて目的を果たします。
RDFa 1.1 Liteには、dc
、foaf
、schema
などの多くの有用でよく使われる接頭辞が事前に定義されています。これによって、よく使われる接頭辞を著者が宣言し忘れたとしても、構造化されたデータは機能し続けることが保障されます。事前に宣言されている接頭辞の完全なリストは、RDFa 1.1の初期コンテキスト・ドキュメントにあります。
データ・モデルへの入門を含め、RDFa Liteで何ができるかをもっと知りたい場合は、RDFa入門[RDFA-PRIMER]のRDFa Liteに関する項をお読みください。
非規範的と記している項と同じく、この仕様のすべての作成ガイドライン、図、例、注は、非規範的です。この仕様のその他の部分はすべて規範的です。
この仕様の「しなければならない(must)」、「してはならない(must not)」、「必須である/要求される(required)」、「すべきである/する必要がある(should)」、「すべきでない/する必要がない(should not)」、「推奨される(recommended)」、「することができる/してもよい(may)」、「選択できる/任意である(optional)」というキーワードは、[RFC2119]で記述されているように解釈されるべきです。
あるドキュメントを適合RDFa Lite 1.1ドキュメントと見なすためには、次のようにします。
vocab
、typeof
、property
、resource
、prefix
以外の追加のRDFa属性を用いてはならない(must not)。ただし、ホスト言語でhref
やsrc
の属性の使用が承認されていれば、これらも使用できる。しかし、ホスト言語で承認されていても、rel
とrev
の使用は、ホスト言語で定義されているとおりに、非RDFaの使用パターンに限定すべき(should)。xmlns
属性がCURIE接頭辞を宣言するために用いられていない限り、ドキュメントを適合RDFa Lite 1.1ドキュメントと見なすことができる(may)。RDFaコア1.1仕様から追加して、非RDFa Lite属性として用いた場合、そのドキュメントは、適合RDFa 1.1ドキュメントと見なさなければなりません(must)。すべての適合RDFa Lite 1.1ドキュメントは、適合RDFa 1.1ドキュメントと見なすことができます(may)。