70年代に想像された21世紀そのものという風情を漂わせた異形の、高度成長期の亡霊である。 1階にさらされているサンプルには「黒川紀章建築・都市設計事務所」とある。 昭和46年に未来の「マンシオン」として考え出された「カプセル」だったのだ。 考えてみたら、当時のSFにはこういった「カプセルを組み合わせた巨大立体都市」がよくでてきたもんね。 パイプ椅子は愛嬌として、玄関を入って左手に簡単なカウンター。右手にユニットバスへの出入り口。 左手中央には掛け時計があり、その奥にテレビ。窓際にベッドがあり、枕元には電話とラジオ。 そして、オープンリールのテープデッキがあるのだった。いやああ、すげぇーーっ。 70年代の安手のSF映画にでてくる未来の住宅そのまんまやないけ。 でも、これを笑えないんだよな。 だって、今のラブホとワンルームマンションを合体させたらこんなのが容易にできあがるもの。 残る謎は、このカプセルを組み合わせたビルの入居者である。会社やら個人やらが入居しているのだ。 うーん。見てみたい。 |