New York Special '99


○ 7/18(Tokyo→NYC)

けつきよく寝ないで家を出る。カバンが重たいぞくそ。成田は遠いぞくそ。空港はやたら混んでいて、あらゆるところで長蛇の列。その間、iモードのリモートメールでメールのやりとり。出発ゲートはD91だというのでシャトルに乗って奥へいったら、B71に変更になったといわれむかつく。疲れたああ。なんか、予定の飛行機に不具合が発生して急遽機材を変えたんだそーな。
たいした差ではないが、UNITEDのエコノミーよりは座席が広くてすこしほっとする。スチュワーデスのおねえさんがやたらあいそよくてびつくり。そういえば日本の航空会社はひさしぶりなのであった。映画の選択はかなりとほほ。機内食はかなり退屈。異国情緒がない←当たり前だってば。
NYで入国審査を受けて荷物をうけとってイエローキャブにのっかってマンハッタンへ向かう。なぜか18日に飛行機に乗ったのについたのも18日でしかも真っ昼間であった。ナゾである。初日と2日目はマリオットマーキーズに予約してみた。サマーキャンペーンだかなんだか知らないけどちょっと安かったからである。誰だ、ニューヨークのホテルは一泊$300以上するなんていったヤツは。
ロビーは8階にある。1000室以上ある割にはロビーはそんなに広くなくて、部屋は広いしホテル自体はでかいんだが、人でごったがえしてて大変。部屋からちょうどブロードウエイが見える。23階と高層階ではなかったのが残念だが、この眺めならヨシとしよう。
それにしてもまあNYは「アメリカくさい」。クルマも空気もテイストもアバウトさもほこりっぽさもだだっぴろさもアメリカくさい。NYはアメリカじゃないと人はいうけれども、外国人から見たら「文明の国としてのアメリカ」がNYなんである。サンフランシスコがなんて田舎ののんびりした街であることか。
午後1時。PowerBookの設置と動作確認は済んだので着替えて散歩に出る。スターバックスでキャラメルフラペチーノ。まだ街に馴染んでなくて緊張する。馴染むための散歩である。MoMAから五番街へと歩いてナイキタウンでサンダル買って帰ってくる。飯食いそびれた。仕方ないのでホテルのカフェレストランでクラムチャウダーとグリルドチキンサンドを食う。あまりにでかいので残す。ああ、デリへ行って水とジュースでも買わなきゃ、と思いつつ眠くて寝る。

○ 7/19(NYC)

 三脚と各種デジカメをカメラバッグに入れ、重たい思いをしながらワールドトレードセンターまで地下鉄。フルトン通りを歩いてピア16へ。サーモンのパスタを食う。でかくて味がない。うーむ。屋外の席だったのでタバコが吸えるのだが暑い。室内だとイヤというほど冷房ガンガンガンガンガンとかけてくれるから温度差が激しくてかなわん。アイスコーヒーを飲む。でもガムシロップがない。そういうものらしい。いやはや
CircleLineのシーポートクルーズに乗っかってロウワーマンハッタンを船でめぐる。なんともはや雲が出てきて曇天な感じで思ったような絵が撮れずに悲しむ。でも天候がなんだろが、自由の女神はさすがだね。長いこと立ってるだけあって、オーラっつーか、念のこもりを感じる。えらいもんである。やはり必見のようだ。
ふたたびフルトン通りを歩いてワールドトレードセンターへ向かう。のどが渇いたので、てきとーなジュースバーでキャロットとリンゴのジュースを買う。目の前で人参をジューサーに無造作につっこんでジュースを作ってくれる。さすがにこういうのは旨い。ちょっと幸せ。
ワールドトレードセンターの噴水で人だかり。ナニカと思ったらテレビだかビデオだかの撮影らしい。巨乳のきれいなおねえさんが何度もリハしてる。人だかりから漏れてくる声によると、ミュージックビデオの撮影をしてるらしい。ほんまか。
ワールドトレードセンターはひどい混雑で、延々と行列で待たされる。 持ち物チェックが厳しい。まあ当然か。でも107階へ上ったら人はそれほどいなかった。なるほど。雲がますます出てきて視界は最悪。よい作例は撮れず。さらにエスカレーターで屋上へ出る。文字通りの屋上である。風が弱いので緊張感はあまりない。ここで三脚をたててVRを撮りたかったのだが、視界最悪で、その上小雨が降ってきたために屋上は即座に閉鎖。係員に追い出される。なんてこった。
とぼとぼと歩いてJ&Rコンピュータワールドへ行き、奥にあるというMacintoshコーナーをちょいと見学して、シティホール駅から地下鉄でホテルに戻る。てきとーなデリに入ってサラダバーでいろいろ買い込んで部屋で食べる。なかなかよい。眠くてぼーっとしながら写真の整理をしていたら、MacPowerのM嬢からヒマだというメール。
一緒にマリオットの47階にある「回転する」ラウンジでビールを飲む。いまどき「回転」である。わはははは。「回転」だあ。わはははははは。なにかんがえてんだか。もうちょっと見通しがよければ外に向けてCP-800でもインターバル撮影モードで置いておけば勝手にVR素材を作れたかも。実際には回転ラウンジの外側にもういっちょ窓があるので、なかなかうまくはいかないんであるがね。
マリオットマーキーズってば巨大な吹き抜けを上り下りする電飾きらきらのエレベーターといい、回転する展望ラウンヂといいミョウに「お上りさん感覚てんこもり」って感じでおもろい。窓からの眺めもお上りさん度が高くてなかなかだったしね。

○ 7/20(NY)

朝、だらだらと目覚めてだらだらと荷物の整理。意を決して、ダッフィースクエアでVR撮影。朝とはいえ、タイムズスクエアのど真ん中でVR撮影ってのはさすがにきんちおするね。ダッフィー公像の前で黒人のおにいちゃんが昼寝してた。それはきっとよいことだ。その後ちょっと散歩して朝飯を食って部屋へ戻る。マリオット・マーキーズったら趣味がいいホテルとはいえなかったが、部屋だけはそれなりに広くて机にデータポートもついていて仕事もできるしくつろぎもできたなあ。
チェックアウトして歩道をゴロゴロとスーツケース押して3,4分歩き、MacWIRE Labsの濱田氏の部屋へ乱入。リッツプラザっていう高級アパートメントの2室をホテルとして貸し出してる日本人がいて、そのひとつにあたしとへんしうちおで泊まり、もうひとつに濱田氏が泊まっているのである。泊まるというか、仮眠機能付移動編集部やね。とほほほ。で、濱田氏の部屋でへんしうちおの到着を待つ。遠くにハドソン川が見える。
松尾へんしうちおが到着して、みんなでハドソン川の近くにあるジャビッツコンベンションセンターまで地下鉄+徒歩。マジソンスクエアガーデンのとこで地下鉄を降り、一目散にハドソン川に向かって歩くべし。でも意外に遠かったす。うだうだとプレス登録して名前入りのプレートを貰い、コンベンションセンターを入ったとこでVR撮影。
夜、へんしうちおらはナンカ2400ユーザーのオフへ出かけたのであたしはひとりでデリで買ってきた飯を食いながらお仕事。NYで撮影した写真を作例として2枚送り、そのあと日本カメラの連載を書いてFinePix2900Zで撮った写真を作例として送信。回線の状態が悪くて時間がかかる。まあしゃあないか。送信してる間、ベランダへ出てブロードウエイ方面を撮影してひまつぶし。

○ 7/21(NY)

6時半に起きてタクシーでコンベンションセンターへ。一般ユーザーの列はすでに長蛇。7時過ぎに到着してプレス用の列で基調講演がはじまるのを待つ。P1が登場する(はず)なのでみんな気合いが入っている。
ステージ前に三脚を立て、COOLPIX 950+テレコンとFinePix 2900zを持ってジョブズ登場を待つ。無事P1が「iBook」として登場。いやはや、よかったよかった。これで4つの枠がちゃんと埋まったね。MacOS9も出たな。これは名前が正式に「MacOS 9」に決まったってことが大事。MacOS Xの話はなし。
会場で飯を食いながら写真の整理をしてへんしうちおに渡し、アップルブースへ行ってiBookの撮影。その後プレス向けのカンファレンスやら何やらがあり、あたしは一足先にホテルへ戻って写真を整理して原稿を書いて日本へ送信。 そのあと、チェルシーのはじっこ(治安がわるそー)にある有名なシャレっちー店で懇親会。原田社長とか石井めぐみ嬢とかとビール飲みながら談笑。
深夜、日経クリックのエキスポレポートを書いてメール。そのあとVRのオーサリングをしてちょっとコメントをつけてメール。

○ 7/22(NY)

根性で早起きしてMacWIREのコラム書いて送信。11時頃タクシーでコンベンションセンター。iBookコーナーでディテールの撮影に興じたあと、濱田氏とそれぞれ担当のホールを決め、別れる。プレスルームで使えそうな写真を日本へメールし、そのあと担当ホールにて取材。細かいブースが多くてたくさん見損ねる。NECのブースで、DOS/Vマガジンの連載で取材したK氏に会う。「をを、こんなところでお会いするとは」。プチスキャンをJobsが気に入ったらしい。
帰り際、Kaidan社の小さなブースでCOOLPIX900/950用のKiWiを発見。汎用のKiWiに比べて小さいため、衝動的に「これを今買いたいのだが、どこで売っているのだ?」「あっちの奥にあるDEPOTってショップのブースで扱っているはずだ」「よし、行って来る」ってなもんで、買いに行き、会場のVRを撮影する。また予定外のものを買ってしまった。でもVR撮影の問題がひとつ解決した(ようにみえる)のはうれしい。
ホテルにて。回線の調子が悪くて全然データを送信できず閉口。22時過ぎ、いったん仕事をあきらめて遊びにきていたインターネットマガジンのA嬢を含めてみなで深夜のエンパイアステートメントビルへ。中は昔「HELL CAB」で見たのと同じ風景。いったん地下へ降りて、視界ゼロだけどいいかとしつこく聞かれたが、かまわん、といってチケットを買う。エスカレータを上ってエレベーターに乗って80階へ行き、さらに86階へ上る。
屋外の展望台へ出ると、確かに視界ゼロに近い雲の中状態であるが、流れる雲の隙間から下界が見えたりして、とても気持ちいい。国際貿易センターより低くても、ビルの年季が違う。やはりエンパイアステートビルには上るべきである。世界貿易センターなんかよりずっとリアルだ。世界貿易センタービルから見えるのは単なる建物の列だが、ここから見えるのは街である。
帰り、34th通りをとほとほと歩き、6番街とブロードウエイの交差点にたどり着く。このまま歩いて帰るには危険だしちょっと遠いよね、ってんで、あたしはわがままをいってヘラルドスクエアで深夜のVRを一発撮影し、そののち、タクシーを拾って帰宅。深夜0時である。さすがにバテてて3時間ほどダウン。

○ 7/23(NY)

早起きしてMacWIREの原稿書き。写真を選択してQVGAにコンバートしてまとめてftp。ついでに会場VRやらオブジェクトVRやらも作ってメール。
へんしうちおはまだダウンしていたのでひとりで地下鉄で会場へ。会期がたった3日の上、初日は基調講演やらプレス向けのセッションやら新製品の速報やらでつぶれるので、実働2日。これはつらいその上に小さいブースを集めたコーナーがたくさんあってそこに意外な製品が転がっていたりする。SFみたいに4日間開催にしてもらいたいもんだ。結局、いくつか見逃しちゃったブースもでた。くそー。くやしい。
最終日はなんと4時に終わるので3時過ぎに抜け出して送迎バスで5番街の方へ抜け、撮影及び散策。部屋を戻り、へんしうちおや濱田氏らと一緒にチャイナタウンへショウロンポウを食べに行く。そんなヒマはなかったってことが判明するのは翌朝である。シティホールの周辺では半旗が翻っている。
部屋へ戻ってしばし気絶。


○ 7/24 のち 25(NY→Tokyo)

早起きして残りの原稿を根性で書き上げ、写真とともにメールし、帰国の準備。出発日の朝まで原稿を書いていたのははじめて。まだ数日現地に残る濱田氏にあとを託し、へんしうちおとタクシーでJFK空港へ。インターネットマガジンのA嬢も同じ便であり、ばったりと会う。空港の売店でトマス・ハリスの新作「ハンニバル」を発見。11年ぶりの新作ではないか。。翻訳はいつでるんだろう。わくわくわくわく。しかしまあ、タイトルがいきなりハンニバルとは。
てきとーにチェックイン。あたしはあらかじめ予約時に非常口の前の席をリクエストしてあったので、そっちへ座るが、非常口前の窓側って点で失敗。非常口がでっぱっていて、足をまっすぐ伸ばせないのだ。今度は非常口前の通路側にしよう。 しょうがないのでそこで寝たり起きたり食べたりたまったメールの返事を書いたり寝たり踊る捜査線を見たり起きたり寝たり写真整理したりバッテリがなくなったり食べたりしていたら成田着。
日本はなぜか25日だった。帰宅後、必要最低限のことだけして、ダウン。昏々と眠る。


 
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